285 / 307
本編第二章
裏お見合い大作戦どころではありません3
しおりを挟む
2024/3/16、「裏お見合い大作戦どころではありません」の1と2の順番を入れ替えました。先に精霊石の説明をしておいた方が、以降の場面転換なく進められ、構成上スムーズになると考えたからです。1の精霊石の話、2の久々の騎士団訪問の話を読まれていない方は、恐れ入りますが1からお読みください。
_________________________________________
「つまり、オコーナー家が開発した新商品について、跡取り息子であるガイという青年を通じて、アンジェリカ嬢、そなたが確認したところ、その商品が “粉砕した風の精霊石を塗布した布”であると知った、という経緯かな?」
「おっしゃる通りです」
王立騎士団バレーリ団長の執務室で、事の経緯についての説明を求められた私は、素直に応じていた。
「さらにオコーナー家では、同じく水と土の精霊石を粉砕したものを混ぜ合わせ、糊のような役割を持たせた上で、風の精霊石を布に塗布する方法をとっていたと。加えてその布には、ある特殊な効果があることがわかったと」
「はい。そしてその効果は、何よりも騎士の皆様が欲するものであろうと判断し、急ぎアッシュバーン辺境伯家のシンシア様を通じて、ご夫君のロイド副団長にお知らせした次第です」
「ふむ。確かにそなたの言う通り、この効果は我々騎士にとっては革命的とも言えるものであるし、この技術が広く採用されれば、我々の積年の苦労が解消され、滂沱の涙を流す者も出てくることだろう」
「そ、そこまでおっしゃっていただけると、開発した甲斐があるでしょう……えっと、オコーナー家が!ですけど」
私はあくまで今回のことは無関係で、精霊石を粉砕して二次利用する方法を編み出し実践したのはあくまでオコーナー家だ。ここに嘘はない。
「まぁ、概ね我々の調べとも合致しているな。そこは疑っておらん。ただ、そなたの話では、織物商であるオコーナー家と知り合ったのは、新しいビジネスの取引先として、ハムレット商会から紹介を受けたから、ということだったな? うちの領にガラス製のキャニスターを特注していた、あれか」
「……はい」
ガイさんを紹介してくれたのはハムレット商会の副会頭であるサリムさんだし、うちの香りの新ビジネスで使用するサシェの袋の布は、ガイさんのところに発注することで話が進んでいる。これも嘘ではない。
「ところで、今回の革命的な技術開発に関して、騎士団が調査に乗り出したのだが、その中でオコーナー家の跡取り息子であるガイ青年に見合い話が持ち上がっているという話があった。相手はリンド馬車の娘だとか。この件に関して、そなたは何か知っているかな、アンジェリカ嬢」
「……ソウイエバ、商談のときにそんな話も聞きましたね」
「ちなみに件のリンド馬車の娘には結婚の口約束をした相手がいたようだが、その者がダスティン領の関係者だとか?」
「え、えぇ、そうなんです。もう偶然というかなんというか、びっくりしました。親族の言いつけで結婚が決まる話なんて珍しくはないですが、あまりにも身近な人たちのことで、かといって部外者の私たちが口をだすのも憚られ、どうしたものかと思っていたのです」
「ちなみにリンド馬車は最近、王都内で土地を購入した履歴があるが、この件に関してはどうだ?」
「え? そ、そうなんですか? 知りませんでした。さすがリンド馬車。お金持ちですね。うちのような貧乏貴族よりもお金持ちかもしれませんね、あははは」
「ちなみに念の為リンド馬車の社長とかいう若造にも話を聞いたが、増産する馬車用の倉庫のための土地と返事がきた。ちなみに明らかに格下となるオコーナー家に見合いを持ちかけた理由については、“オコーナー家とは長年の取引関係にあり、真っ当な商売をしている信頼できる相手だった。たまたま似合いの年頃の跡取り息子がいたので、貧乏な医者に嫁がせるよりも幸せになれると思った”と供述していたぞ」
「な、なるほど。妹さんを思う気持ちが暴走したんですかね?」
「ちなみにオコーナー家で開発した新技術の布に関しては、“話を聞いて、馬車の座面の布にぴったりだと思ったから購入したい旨を申し出ただけだ”との返答だった」
「あぁ、なるほど、確かに馬車の座面にもぴったりですね」
「ちなみに……」
ちなみにが多いなバレーリ団長! そのツッコミをさすがに顔には出さなかったけれど、バレーリ団長はフッと息をついて話題を変えた。
「まぁ、リンド馬車の新社長が“座面の布に使用したいと購入を検討した”ことは、特に罪に問えるものでもないからな。もっと言えば、“この技術を自分たちの商売に取り込もうと画策し、実際に行動に移した”としても、こちらも罪に問うのは難しいな」
「え、そうなんですか!? 精霊石が関係しているのに?」
思わずそう声を上げると、団長はニヤリと笑った。
「アンジェリカ嬢は、リンド馬車の企みを知っていたのかな?」
「い、いえ、メッソウモアリマセン」
知ってはいなかったよ? そうかなーと当たりをつけていただけだからね! だから嘘じゃないです。顔を引き攣らせないようにニコニコしていると、ロイド副団長が付け足した。
「精霊庁以外の場所で、精霊石を加工してはいけないという法が、現在はないのです。ですからまず、オコーナー家がそのような取り組みに手を出したこと自体は、当然罪には問えません」
ロイド副団長の話に私は小さく頷く。この点は、騎士団に話を持ちかける前にざっと調べていたから知っている。騎士団に情報提供したことでガイさんやイトコさんが罪に問われるのは避けたかったからだ。
「どちらかと言うと “精霊石そのものを加工しようなどと誰も思いつきもしなかったから、そのような法律が必要なかった”というのが正しいところだがな」
バレーリ団長が腕を組み、ソファに深く座り込む。精霊石は研磨すると、小粒の宝石のような形になる。大小は多少あって、大きい物の方が効果が高く、小さいと弱くなる。そのため大きいものの方が重宝されやすい。粉砕してしまえば当然効果がかなり低くなるので、今まで誰もそうしようと思わないできたということだろう。
_________________________________________
「つまり、オコーナー家が開発した新商品について、跡取り息子であるガイという青年を通じて、アンジェリカ嬢、そなたが確認したところ、その商品が “粉砕した風の精霊石を塗布した布”であると知った、という経緯かな?」
「おっしゃる通りです」
王立騎士団バレーリ団長の執務室で、事の経緯についての説明を求められた私は、素直に応じていた。
「さらにオコーナー家では、同じく水と土の精霊石を粉砕したものを混ぜ合わせ、糊のような役割を持たせた上で、風の精霊石を布に塗布する方法をとっていたと。加えてその布には、ある特殊な効果があることがわかったと」
「はい。そしてその効果は、何よりも騎士の皆様が欲するものであろうと判断し、急ぎアッシュバーン辺境伯家のシンシア様を通じて、ご夫君のロイド副団長にお知らせした次第です」
「ふむ。確かにそなたの言う通り、この効果は我々騎士にとっては革命的とも言えるものであるし、この技術が広く採用されれば、我々の積年の苦労が解消され、滂沱の涙を流す者も出てくることだろう」
「そ、そこまでおっしゃっていただけると、開発した甲斐があるでしょう……えっと、オコーナー家が!ですけど」
私はあくまで今回のことは無関係で、精霊石を粉砕して二次利用する方法を編み出し実践したのはあくまでオコーナー家だ。ここに嘘はない。
「まぁ、概ね我々の調べとも合致しているな。そこは疑っておらん。ただ、そなたの話では、織物商であるオコーナー家と知り合ったのは、新しいビジネスの取引先として、ハムレット商会から紹介を受けたから、ということだったな? うちの領にガラス製のキャニスターを特注していた、あれか」
「……はい」
ガイさんを紹介してくれたのはハムレット商会の副会頭であるサリムさんだし、うちの香りの新ビジネスで使用するサシェの袋の布は、ガイさんのところに発注することで話が進んでいる。これも嘘ではない。
「ところで、今回の革命的な技術開発に関して、騎士団が調査に乗り出したのだが、その中でオコーナー家の跡取り息子であるガイ青年に見合い話が持ち上がっているという話があった。相手はリンド馬車の娘だとか。この件に関して、そなたは何か知っているかな、アンジェリカ嬢」
「……ソウイエバ、商談のときにそんな話も聞きましたね」
「ちなみに件のリンド馬車の娘には結婚の口約束をした相手がいたようだが、その者がダスティン領の関係者だとか?」
「え、えぇ、そうなんです。もう偶然というかなんというか、びっくりしました。親族の言いつけで結婚が決まる話なんて珍しくはないですが、あまりにも身近な人たちのことで、かといって部外者の私たちが口をだすのも憚られ、どうしたものかと思っていたのです」
「ちなみにリンド馬車は最近、王都内で土地を購入した履歴があるが、この件に関してはどうだ?」
「え? そ、そうなんですか? 知りませんでした。さすがリンド馬車。お金持ちですね。うちのような貧乏貴族よりもお金持ちかもしれませんね、あははは」
「ちなみに念の為リンド馬車の社長とかいう若造にも話を聞いたが、増産する馬車用の倉庫のための土地と返事がきた。ちなみに明らかに格下となるオコーナー家に見合いを持ちかけた理由については、“オコーナー家とは長年の取引関係にあり、真っ当な商売をしている信頼できる相手だった。たまたま似合いの年頃の跡取り息子がいたので、貧乏な医者に嫁がせるよりも幸せになれると思った”と供述していたぞ」
「な、なるほど。妹さんを思う気持ちが暴走したんですかね?」
「ちなみにオコーナー家で開発した新技術の布に関しては、“話を聞いて、馬車の座面の布にぴったりだと思ったから購入したい旨を申し出ただけだ”との返答だった」
「あぁ、なるほど、確かに馬車の座面にもぴったりですね」
「ちなみに……」
ちなみにが多いなバレーリ団長! そのツッコミをさすがに顔には出さなかったけれど、バレーリ団長はフッと息をついて話題を変えた。
「まぁ、リンド馬車の新社長が“座面の布に使用したいと購入を検討した”ことは、特に罪に問えるものでもないからな。もっと言えば、“この技術を自分たちの商売に取り込もうと画策し、実際に行動に移した”としても、こちらも罪に問うのは難しいな」
「え、そうなんですか!? 精霊石が関係しているのに?」
思わずそう声を上げると、団長はニヤリと笑った。
「アンジェリカ嬢は、リンド馬車の企みを知っていたのかな?」
「い、いえ、メッソウモアリマセン」
知ってはいなかったよ? そうかなーと当たりをつけていただけだからね! だから嘘じゃないです。顔を引き攣らせないようにニコニコしていると、ロイド副団長が付け足した。
「精霊庁以外の場所で、精霊石を加工してはいけないという法が、現在はないのです。ですからまず、オコーナー家がそのような取り組みに手を出したこと自体は、当然罪には問えません」
ロイド副団長の話に私は小さく頷く。この点は、騎士団に話を持ちかける前にざっと調べていたから知っている。騎士団に情報提供したことでガイさんやイトコさんが罪に問われるのは避けたかったからだ。
「どちらかと言うと “精霊石そのものを加工しようなどと誰も思いつきもしなかったから、そのような法律が必要なかった”というのが正しいところだがな」
バレーリ団長が腕を組み、ソファに深く座り込む。精霊石は研磨すると、小粒の宝石のような形になる。大小は多少あって、大きい物の方が効果が高く、小さいと弱くなる。そのため大きいものの方が重宝されやすい。粉砕してしまえば当然効果がかなり低くなるので、今まで誰もそうしようと思わないできたということだろう。
31
お気に入りに追加
2,299
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
悪役令嬢に転生してストーリー無視で商才が開花しましたが、恋に奥手はなおりません。
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】乙女ゲームの悪役令嬢である公爵令嬢カロリーナ・シュタールに転生した主人公。
だけど、元はといえば都会が苦手な港町生まれの田舎娘。しかも、まったくの生まれたての赤ん坊に転生してしまったため、公爵令嬢としての記憶も経験もなく、アイデンティティは完全に日本の田舎娘。
高慢で横暴で他を圧倒する美貌で学園に君臨する悪役令嬢……に、育つ訳もなく当たり障りのない〈ふつうの令嬢〉として、乙女ゲームの舞台であった王立学園へと進学。
ゲームでカロリーナが強引に婚約者にしていた第2王子とも「ちょっといい感じ」程度で特に進展はなし。当然、断罪イベントもなく、都会が苦手なので亡き母の遺してくれた辺境の領地に移住する日を夢見て過ごし、無事卒業。
ところが母の愛したミカン畑が、安く買い叩かれて廃業の危機!? 途方にくれたけど、目のまえには海。それも、天然の良港! 一念発起して、港湾開発と海上交易へと乗り出してゆく!!
乙女ゲームの世界を舞台に、原作ストーリー無視で商才を開花させるけど、恋はちょっと苦手。
なのに、グイグイくる軽薄男爵との軽い会話なら逆にいける!
という不器用な主人公がおりなす、読み味軽快なサクセス&異世界恋愛ファンタジー!
*女性向けHOTランキング1位に掲載していただきました!(2024.9.1-2)たくさんの方にお読みいただき、ありがとうございます!
*第17回ファンタジー小説大賞で奨励賞をいただきました!
このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜
撫羽
ファンタジー
ある邸で秘密の会議が開かれていた。
そこに出席している3歳児、王弟殿下の一人息子。実は前世を覚えていた。しかもやり直しの生だった!?
どうしてちびっ子が秘密の会議に出席するような事になっているのか? 何があったのか?
それは生後半年の頃に遡る。
『ばぶぁッ!』と元気な声で目覚めた赤ん坊。
おかしいぞ。確かに俺は刺されて死んだ筈だ。
なのに、目が覚めたら見覚えのある部屋だった。両親が心配そうに見ている。
しかも若い。え? どうなってんだ?
体を起こすと、嫌でも目に入る自分のポヨンとした赤ちゃん体型。マジかよ!?
神がいるなら、0歳児スタートはやめてほしかった。
何故だか分からないけど、人生をやり直す事になった。実は将来、大賢者に選ばれ魔族討伐に出る筈だ。だが、それは避けないといけない。
何故ならそこで、俺は殺されたからだ。
ならば、大賢者に選ばれなければいいじゃん!と、小さな使い魔と一緒に奮闘する。
でも、それなら魔族の問題はどうするんだ?
それも解決してやろうではないか!
小さな胸を張って、根拠もないのに自信満々だ。
今回は初めての0歳児スタートです。
小さな賢者が自分の家族と、大好きな婚約者を守る為に奮闘します。
今度こそ、殺されずに生き残れるのか!?
とは言うものの、全然ハードな内容ではありません。
今回も癒しをお届けできればと思います。
悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい
斯波
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。
※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。
※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる