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本編第二章
悪役令嬢に会えません1
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社交シーズンの王都の中でも賑わいを見せるイベントのひとつに精霊祭がある。毎年2月末から3月にかけて2日間、王国全土で祝われるこの祭は、特に王都では街をあげての賑わいをみせることで有名だ。
その精霊祭に合わせて、4大精霊を祭る大教会で子どもたちの発表会を企画したのが2年前。もともとは才能を誇りながらも埋もれさせていた孤児院のシリウスとアニエスにスポットライトを当てる目的で始めたものだ。孤児院の子どもたちだけでは集客に欠けるだろうと貴族の子弟も演者に加えて実施し、好評を得たため、翌年も続けて開催される運びとなった。2回目以降は私からハイネル公爵家長女・エヴァンジェリンに企画者が移ったのは以前もお伝えした通り。とはいえ、昨年は私もお手伝いさせてもらったから、3回目となる今年もそうなるつもりでいた。いたのだが。
「エヴァンジェリン様はお忙しいのでお会いできません」
大教会の裏へと続く関係者用入り口の前で私の入室を拒んだのは、それぞれ赤・青・黄色のドレスをまとった貴族の御令嬢たちだった。歳の頃は私と同じか少し上。まだ王立学院に入学する前の年齢、といったところ。容姿も体型もばらばらな信号機令嬢たちの共通点は、私のことを上から目線で見下ろしてくるということだった。
「だいたいアポイントメントもなく突然押しかけてくるとは何事ですの」
「そうですわ。エヴァンジェリン様は由緒正しいハイネル公爵家の御令嬢ですのよ」
「あなたごときが簡単にお会いできると思わないことですわ」
上から目線はともかくとして、彼女たちの言い分はある意味もっともだ。約束もなく押しかけるのは貴族の礼儀に反するし、相手は王族を除けばこの国で最高位に近い貴族の御令嬢であるし、私のような格下貴族が簡単にお会いできる方でもない。
いろいろ思うところはあったが、私は素直に頭を垂れた。
「申し訳ございません、オルター伯爵令嬢ビアンカ様、ローラ様、ロウズニー子爵令嬢リリアナ様。しかしながら今ほど孤児院のクレメント院長より、エヴァンジェリン様が発表会の準備のために毎週水曜に大教会にいらっしゃると伺ったものですから、こちらでしたらご挨拶叶うかと馳せ参じた次第でございます。御三方とも発表会の実行委員を今年もされていらっしゃいますのね。及ばずながら、わたくし、アンジェリカ・コーンウィル・ダスティンもその末席に加えていただけないかとお願いにあがりました」
信号機令嬢の身分はそれぞれ伯爵家の本家令嬢とその従姉妹、それに子爵家令嬢だ。2家ともハイネル公爵家の派閥に所属する家でもある。彼女たちとは去年の発表会準備のときに面識があったが、その頃からあまりいい顔をされていなかったのを覚えている。きっと末席の末席である男爵家令嬢の私とエヴァンジェリンが仲良くしているのが気に入らないのだろうと、そのときは流しておいた。昨年はエヴァンジェリンが発表会実行委員会の会長を務める初めての年で、お手伝いに集まった令嬢たちも初めてづくし、勝手がわからなかったため私が率先して働く必要があった。それも余計に、家柄プライドの高い彼女たちの癇に障ったのかもしれない。
発表会をエヴァンジェリンの手に託したとはいえ、私もできることならお手伝いしたい。エヴァンジェリンの才覚なら間違いはおこなさいだろうが、とはいえ孤児院の子どもたちへの配慮という点でいささかの懸念はある。
なぜこのような直訴でなく直接エヴァンジェリンに手紙なりなんなりで頼まないのかというと……頼めないのだ、これが。
もともとエヴァンジェリンとは最初の年―――私がマクスウェル侯爵家の奥方・ノーラ様の食欲不振をポテト料理で改善したときーーー以降、手紙のやりとりが続いていた。私は領地に戻ったが、エヴァンジェリンは野心家の母親の策略で王都のタウンハウスで暮らしていた。だからタウンハウス宛に手紙を出していたのだが、その返事が昨年の春以降、ぱたりと止まってしまった。向こうは公爵家の御令嬢、いろいろ忙しいのかと私も様子見をしていたのだが、思わぬ事実が思わぬところから夏にもたらされた。どうやら母親であるハイネル公爵夫人が、私とエヴァンジェリンのやりとりに気づき、それを禁じるために手紙を没収していたらしい。
この知らせを私は、マクスウェル宰相の息子であるエリオットから手紙で知らされた。彼から送られた手紙にエヴァンジェリンからの手紙も同封されていた。
王都に引っ越し、自らの派閥を急速に広げつつあるエヴァンジェリンの母、ハイネル公爵夫人は、自らの地位が安定してくると今度は娘の立ち位置を築くことに注力し始めた。使用人や家庭教師の入れ替え、高位貴族子弟との交流を深めること、その一方でしがない男爵家令嬢からの手紙が目に入ってしまったらしい。手紙などのやりとりを禁じられた彼女は、せめてその事情だけでも私に伝えなければと、幼馴染であるエリオットを頼って手紙を託した。
その後2度ほどエリオットを通じてエヴァンジェリンとやりとりをすることに成功した。もちろんその中で、来年の冬の精霊祭発表会でもぜひ手伝いをお願いしたいと頼まれてもいた。
だが、やりとりの仲介役を担ってくれていたエリオットは、父親であるマクスウェル宰相の勧めで、今年の夏から王国の各領地を見て回ることが目的の遊学に出てしまった。将来父に続いて宰相職を継ぐことになるかもしれない彼にとって、王立学院入学前のこの時期がもっとも自由がきく時期でもあった。
この話を耳にしたとき「ゲームの中にそんな設定あったかな?」と疑問に思ったものだ。天才肌の宰相息子という攻略対象は、学問において右に出る者はなしと言われながら、庶民の感覚には疎く、悪く言えば世間知らずで、元平民のヒロインに市井のあれやこれやを学びつつ、等身大の彼女に惹かれていくというテンプレ内容だった気がする。……まぁ、ゲーム好きの妹の話など半分以上は右から左に聞き流していたから、私の記憶が曖昧なだけかもしれない。
そんなわけで手紙の仲介役を失った私たちは、連絡手段そのものを絶たれることとなった。社交シーズン中同じ王都にいるとはいえ、向こうとこちらでは身分が違う。うっかり出会う方法などあるはずもない。そんな中、クレメント院長がもたらしてくれた情報が、唯一彼女とつながれる方法だった。
それが今、私は信号機にひっかかって、これより先に進めないというーーー現実は単純にはいかないものだ。
頭を下げ続ける私の頭上から、またしても高飛車な声が降ってきた。
「本当に、困ったものですわね。誰も彼もがエヴァンジェリン様にお目通り願おうとここを訪れて」
「お気の毒なエヴァンジェリン様は、発表会の準備にもおちおち専念できずにおられるというのに」
「これだから身分の低い者は……己の欲にだけ忠実で、高貴な方々の事情を少しも考えないのですね」
くすくすという鼻につく笑い声にも、私は顔をあげなかった。ここで引き下がるわけにはいかない。
だが、最後の引導を渡すかのように、赤信号がぴしゃりと告げた。
「エヴァンジェリン様はお会いしません。それに、あなたの手助けなど今の実行員会には必要ありません。即刻立ち去りなさい」
大教会は貸切ではない。今でも人の出入りがあり、その中でも明らかに貴族令嬢とわかる私たちは少々目立っていた。これ以上騒ぎを起こすのは得策ではないと、私も引き際を決心した。
腐っても相手は私より高位の令嬢、いとまを告げる挨拶を述べ立ち去ろうとした私に、今一度赤信号令嬢が扇を閃かせた。
「ふん、どうせあなたもカイルハート殿下の筆頭婚約者候補であるエヴァンジェリン様に今から擦り寄っておこうという魂胆なんでしょうけれど、そうはさせないわ。あぁ、それともエヴァンジェリン様付きの女官にでもなって、カイルハート殿下にお近づきになろうというつもりかしら。あなたの身分ではそうでもしなければお見かけすることすら叶わないものね。……本当になんて浅ましい。恥を知りなさい」
手元の扇で言葉の先を巧みに誘導し、他の訪問客には絶対に聞こえないよう操作する彼女は、小さいながらもある意味立派な貴族令嬢だった。これなら周囲からは仲良く談笑しているようにしか見えないだろう。
赤信号に続いて、青信号と黄色信号も一瞬剣のある視線を見せたのち、嫌味を放って扉の向こうに消えた。
その精霊祭に合わせて、4大精霊を祭る大教会で子どもたちの発表会を企画したのが2年前。もともとは才能を誇りながらも埋もれさせていた孤児院のシリウスとアニエスにスポットライトを当てる目的で始めたものだ。孤児院の子どもたちだけでは集客に欠けるだろうと貴族の子弟も演者に加えて実施し、好評を得たため、翌年も続けて開催される運びとなった。2回目以降は私からハイネル公爵家長女・エヴァンジェリンに企画者が移ったのは以前もお伝えした通り。とはいえ、昨年は私もお手伝いさせてもらったから、3回目となる今年もそうなるつもりでいた。いたのだが。
「エヴァンジェリン様はお忙しいのでお会いできません」
大教会の裏へと続く関係者用入り口の前で私の入室を拒んだのは、それぞれ赤・青・黄色のドレスをまとった貴族の御令嬢たちだった。歳の頃は私と同じか少し上。まだ王立学院に入学する前の年齢、といったところ。容姿も体型もばらばらな信号機令嬢たちの共通点は、私のことを上から目線で見下ろしてくるということだった。
「だいたいアポイントメントもなく突然押しかけてくるとは何事ですの」
「そうですわ。エヴァンジェリン様は由緒正しいハイネル公爵家の御令嬢ですのよ」
「あなたごときが簡単にお会いできると思わないことですわ」
上から目線はともかくとして、彼女たちの言い分はある意味もっともだ。約束もなく押しかけるのは貴族の礼儀に反するし、相手は王族を除けばこの国で最高位に近い貴族の御令嬢であるし、私のような格下貴族が簡単にお会いできる方でもない。
いろいろ思うところはあったが、私は素直に頭を垂れた。
「申し訳ございません、オルター伯爵令嬢ビアンカ様、ローラ様、ロウズニー子爵令嬢リリアナ様。しかしながら今ほど孤児院のクレメント院長より、エヴァンジェリン様が発表会の準備のために毎週水曜に大教会にいらっしゃると伺ったものですから、こちらでしたらご挨拶叶うかと馳せ参じた次第でございます。御三方とも発表会の実行委員を今年もされていらっしゃいますのね。及ばずながら、わたくし、アンジェリカ・コーンウィル・ダスティンもその末席に加えていただけないかとお願いにあがりました」
信号機令嬢の身分はそれぞれ伯爵家の本家令嬢とその従姉妹、それに子爵家令嬢だ。2家ともハイネル公爵家の派閥に所属する家でもある。彼女たちとは去年の発表会準備のときに面識があったが、その頃からあまりいい顔をされていなかったのを覚えている。きっと末席の末席である男爵家令嬢の私とエヴァンジェリンが仲良くしているのが気に入らないのだろうと、そのときは流しておいた。昨年はエヴァンジェリンが発表会実行委員会の会長を務める初めての年で、お手伝いに集まった令嬢たちも初めてづくし、勝手がわからなかったため私が率先して働く必要があった。それも余計に、家柄プライドの高い彼女たちの癇に障ったのかもしれない。
発表会をエヴァンジェリンの手に託したとはいえ、私もできることならお手伝いしたい。エヴァンジェリンの才覚なら間違いはおこなさいだろうが、とはいえ孤児院の子どもたちへの配慮という点でいささかの懸念はある。
なぜこのような直訴でなく直接エヴァンジェリンに手紙なりなんなりで頼まないのかというと……頼めないのだ、これが。
もともとエヴァンジェリンとは最初の年―――私がマクスウェル侯爵家の奥方・ノーラ様の食欲不振をポテト料理で改善したときーーー以降、手紙のやりとりが続いていた。私は領地に戻ったが、エヴァンジェリンは野心家の母親の策略で王都のタウンハウスで暮らしていた。だからタウンハウス宛に手紙を出していたのだが、その返事が昨年の春以降、ぱたりと止まってしまった。向こうは公爵家の御令嬢、いろいろ忙しいのかと私も様子見をしていたのだが、思わぬ事実が思わぬところから夏にもたらされた。どうやら母親であるハイネル公爵夫人が、私とエヴァンジェリンのやりとりに気づき、それを禁じるために手紙を没収していたらしい。
この知らせを私は、マクスウェル宰相の息子であるエリオットから手紙で知らされた。彼から送られた手紙にエヴァンジェリンからの手紙も同封されていた。
王都に引っ越し、自らの派閥を急速に広げつつあるエヴァンジェリンの母、ハイネル公爵夫人は、自らの地位が安定してくると今度は娘の立ち位置を築くことに注力し始めた。使用人や家庭教師の入れ替え、高位貴族子弟との交流を深めること、その一方でしがない男爵家令嬢からの手紙が目に入ってしまったらしい。手紙などのやりとりを禁じられた彼女は、せめてその事情だけでも私に伝えなければと、幼馴染であるエリオットを頼って手紙を託した。
その後2度ほどエリオットを通じてエヴァンジェリンとやりとりをすることに成功した。もちろんその中で、来年の冬の精霊祭発表会でもぜひ手伝いをお願いしたいと頼まれてもいた。
だが、やりとりの仲介役を担ってくれていたエリオットは、父親であるマクスウェル宰相の勧めで、今年の夏から王国の各領地を見て回ることが目的の遊学に出てしまった。将来父に続いて宰相職を継ぐことになるかもしれない彼にとって、王立学院入学前のこの時期がもっとも自由がきく時期でもあった。
この話を耳にしたとき「ゲームの中にそんな設定あったかな?」と疑問に思ったものだ。天才肌の宰相息子という攻略対象は、学問において右に出る者はなしと言われながら、庶民の感覚には疎く、悪く言えば世間知らずで、元平民のヒロインに市井のあれやこれやを学びつつ、等身大の彼女に惹かれていくというテンプレ内容だった気がする。……まぁ、ゲーム好きの妹の話など半分以上は右から左に聞き流していたから、私の記憶が曖昧なだけかもしれない。
そんなわけで手紙の仲介役を失った私たちは、連絡手段そのものを絶たれることとなった。社交シーズン中同じ王都にいるとはいえ、向こうとこちらでは身分が違う。うっかり出会う方法などあるはずもない。そんな中、クレメント院長がもたらしてくれた情報が、唯一彼女とつながれる方法だった。
それが今、私は信号機にひっかかって、これより先に進めないというーーー現実は単純にはいかないものだ。
頭を下げ続ける私の頭上から、またしても高飛車な声が降ってきた。
「本当に、困ったものですわね。誰も彼もがエヴァンジェリン様にお目通り願おうとここを訪れて」
「お気の毒なエヴァンジェリン様は、発表会の準備にもおちおち専念できずにおられるというのに」
「これだから身分の低い者は……己の欲にだけ忠実で、高貴な方々の事情を少しも考えないのですね」
くすくすという鼻につく笑い声にも、私は顔をあげなかった。ここで引き下がるわけにはいかない。
だが、最後の引導を渡すかのように、赤信号がぴしゃりと告げた。
「エヴァンジェリン様はお会いしません。それに、あなたの手助けなど今の実行員会には必要ありません。即刻立ち去りなさい」
大教会は貸切ではない。今でも人の出入りがあり、その中でも明らかに貴族令嬢とわかる私たちは少々目立っていた。これ以上騒ぎを起こすのは得策ではないと、私も引き際を決心した。
腐っても相手は私より高位の令嬢、いとまを告げる挨拶を述べ立ち去ろうとした私に、今一度赤信号令嬢が扇を閃かせた。
「ふん、どうせあなたもカイルハート殿下の筆頭婚約者候補であるエヴァンジェリン様に今から擦り寄っておこうという魂胆なんでしょうけれど、そうはさせないわ。あぁ、それともエヴァンジェリン様付きの女官にでもなって、カイルハート殿下にお近づきになろうというつもりかしら。あなたの身分ではそうでもしなければお見かけすることすら叶わないものね。……本当になんて浅ましい。恥を知りなさい」
手元の扇で言葉の先を巧みに誘導し、他の訪問客には絶対に聞こえないよう操作する彼女は、小さいながらもある意味立派な貴族令嬢だった。これなら周囲からは仲良く談笑しているようにしか見えないだろう。
赤信号に続いて、青信号と黄色信号も一瞬剣のある視線を見せたのち、嫌味を放って扉の向こうに消えた。
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