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本編第二章
今年の王都は大忙しです
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ハムレット商会の双子たちがダスティン領の見学に訪れた後。
月日は流れ、セレスティア王国は冬の社交シーズンを迎えた。
両親と私は今年も王都に滞在すべく、賃貸のタウンハウスに入居した。有力貴族の中には王都にも屋敷を持っている者もいるが、うちのような男爵家にはそんな余力はない。そもそも精霊との契約が重要視される我が国では、当主一家の多くは領地で過ごす比重が大きく、王都に屋敷を持つメリットが少ない。代わりに社交シーズンだけホテルや借り物のタウンハウスで暮らす、というのが一般的なスタイルだ。そしてそのホテルやタウンハウスもピンキリ。ホテルの方がやや割高で、タウンハウスの方が若干お手頃な感じだ。そしてタウンハウスもいろいろなレベルがある。
去年前までは王都の中でも郊外の、おそらく一番安いレベルのタウンハウスを借りていたが、今年は比較的街中の、そこそこいい物件を借りている。ここからなら、ケビン伯父と共同で運営しているウォーレス&ダスティン事務所にも近いし、孤児院のポテト食堂や祖父母のウォーレス教授夫妻の家にも行きやすい。
なぜグレードアップしたかというと、我が領の収入がここ数年で大幅にアップしたことに加え、今年はクレバー夫人に加え、ロイとサリー夫妻も滞在することになったからだ。メイドのサリーは主に私たちの身の回りの世話、ロイは学会に参加するためだ。これだけの大所帯となると、昨年までの最低限のタウンハウスでは手狭だった。ちなみに2人の幼い娘、リーリアも同行している。王都にはサリーの前夫の娘であるケイティが滞在しているから、一家水入らずの時間も持たせてあげられそうだった。
うちの執事をしながら、研究所でも働いているロイは、地質学の権威・ハイネル公爵との共同研究について、今年の学会で発表をする予定だ。王都出身の彼にとって、約25年ぶりの王都入りとなった。今回の王都入りに関して、両親も私も彼のことをかなり心配したものだ。だが彼は私たちが思っていた以上にあっけらかんとしていた。今回の発表も本名で登録している。
「父のしたことが水に流せるわけではありませんが、私には私の人生があります。そのことに、この歳になってようやく気づいたのです。ですから、心配はご無用です。たとえ私の過去について何か言ってくる連中がいたとしても、黙って受け流すだけですよ」
彼が過去と決別できたのには、奥さんとなったサリーと娘のリーリアの存在が大きい。もちろん、新たに娘となったケイティとの仲も良好だ。そのことに関して、私たちは自分のことのように喜んでいる。
滞在中、ロイは学会関連の仕事を中心にこなしつつ、ダスティン家の事業に関してもテコ入れをしてくれることになっている。またもうひとつの大仕事として、採用面接も控えている。ロイのスーパーマンぶりをもってしても、最近の彼の仕事量は許容範囲を超えつつあった。加えて、領地での温泉事業や化粧品開発事業を進めることが決まっている今、我が家の執事の仕事量はさらに増えることが予想された。そこで新たにロイの下につく秘書を採用することにしたのだ。さらについでとばかりに、今後必要になりそうな人員も合わせて確保しておこうということになった。
新たな人員募集に関しては、既にケイティが王都で発布してくれていた。申し込みの人数もそこそこあり、数日中に面接をし、王都滞在中に仮採用して様子を見た後、本採用に踏み切る計画だ。
そんなこんなで今年の社交シーズンも大忙し。それに、ハムレット商会の双子が渡りをつけてくれた、例の技術者との面接も控えている。ウォーレス教授夫妻の元も訪ねたいし、孤児院のシリウスやアニエス、ルルたちの動向も気になる。新年には学院に入学してしまうハムレット商会の双子たちと話ができるのは12月中のみだし、エヴァンジェリン嬢に任せた精霊祭の発表会も見届けたい。ウォーレス領の当主であり医師でもあるエリン様にも実は面会を申し込んでいて、参考になるお話が聞けたらと思っている。両親は両親で急速に広がりつつあるうちの事業に関してさまざまな取引や種まきに飛び回る予定だから、のんびり王都を楽しむ暇はとてもじゃないけど持てそうになかった。いいことなんだけどね。
そんな多忙を控えている私たちが、王都にきてまっさきにしたことは、アッシュバーン家を訪問することだった。最近ちょっと見入りがよくなったからといって、我が家がアッシュバーン辺境伯家の庇護下にある家であることに変わりはない。庇護、というと大袈裟かもだが、一種の派閥のようなものだ。
「いらっしゃい、アンジェリカちゃん!」
満面の笑みで迎えてくれたのはアッシュバーン辺境伯夫人のパトリシア様。隣には辺境伯のアレクセイ様もいらっしゃる。その後ろに控えているのは辺境伯夫妻の義理の姉にあたるシンシア様だ。夫のロイド王立騎士団副団長はあいも変わらずの忙しさのようで不在だった。
アッシュバーン家の王都のお屋敷は、本来なら当主筋であるアレクセイ様とパトリシア様のものだが、領地で過ごすことが大半の夫妻に代わって、アレクセイ様の兄・ロイド様と奥方のシンシア様が管理をしている。
ここで一シーズン滞在させてもらったのがずっと遠い昔のことのようだ。あのことがきっかけで、ポテト料理が王立騎士団から王国全土に広がることとなり、孤児院支援から我が家の新ビジネスに繋げることもできた。その後の研究所設立に関してもアッシュバーン家の力がなければ実際のところ難しかった。我が家が誰よりも優先させなければならないのはアッシュバーン家であることは、今も代わっていない。
「一年見ない間にまた一段とかわいくなったわね、アンジェリカちゃん! 背も少し高くなったかしら。でも大丈夫よ! そうなることは見越して新しいドレスを用意しておいたから!」
「ど、ドレスですか!? いや、私はまだ子どもなので、必要ないはずですが……」
私の肩に手を置いて、体型を細かくチェックするパトリシア様に、私は引き攣った笑いを浮かべた。社交シーズンはあちこちで舞踏会やお茶会が開かれるためドレスは必須だが、それはあくまで大人の話。子どもが参加できる社交は少ない。
「何言ってるの、備えあれば憂いなしって言うでしょ? さぁ早速試しましょう!」
「いやっ、あの!」
「ほら、カトレア様もよかったご一緒に。王都に新しくできたメゾンが子ども服も展開していて、とても素敵なのよ! シンシアお義姉様もいらっしゃるわよね」
さりげなくうちの母とシンシア様も巻き込んでいくパトリシア様。そう、この人の趣味は人間着せ替えだった。自身の子どもが2人とも男の子だったのと、シンシア様の娘2人はもう大きくなってしまったことで遊べなくなり、白羽の矢が立ったのが私、というわけなのだが……。
「いや、あのっ、そうだわ! 私、ミシェルとお話したいと思っていたんです。年が明けたら王立学院の寮に入ってしまいますよね? もうあまり会えなくなってしまいますから!」
咄嗟に口から出た言い訳は、パトリシア様の背後にちらりと見えた、亜麻色の長髪の少年の名前だった。隣には麦わらのようなつんつん頭のギルフォードもいる。彼とは研究所でたまに顔を合わせるが、王都暮らしのミシェルとは1年ぶりの邂逅だった。
「あらぁ心配しなくても大丈夫よ。ミシェルは週末毎に屋敷に帰ってきますからね。これからもたっぷり話せる暇があるわ。もちろんギルフォードも。というわけであなたたち!」
「「「「「はい、奥様!!!」」」」」
呼ばれてでてきたのは見覚えのある黒集団―――もとい、メイド軍だ。
「アンジェリカちゃんを衣装部屋に招待してちょうだい」
「「「「「イエス! マム!!!」」」」」
(何その返事!?!?!?!)
かくして両腕両足を拘束されドナドナされていく私の隣で、辺境伯のアレクセイ様とうちの父が「じゃぁ、私たちは居間で女性陣の支度を待ちますか」「そうですな」と、のんびり会話を交わしながら執事とともに廊下の奥へと消えていく。
(私もそっちに入れてーーーーー!!!)
哀れ、私の心の叫びすらもメイド軍に抑えられ、問答無用で連行されていくのであった。
月日は流れ、セレスティア王国は冬の社交シーズンを迎えた。
両親と私は今年も王都に滞在すべく、賃貸のタウンハウスに入居した。有力貴族の中には王都にも屋敷を持っている者もいるが、うちのような男爵家にはそんな余力はない。そもそも精霊との契約が重要視される我が国では、当主一家の多くは領地で過ごす比重が大きく、王都に屋敷を持つメリットが少ない。代わりに社交シーズンだけホテルや借り物のタウンハウスで暮らす、というのが一般的なスタイルだ。そしてそのホテルやタウンハウスもピンキリ。ホテルの方がやや割高で、タウンハウスの方が若干お手頃な感じだ。そしてタウンハウスもいろいろなレベルがある。
去年前までは王都の中でも郊外の、おそらく一番安いレベルのタウンハウスを借りていたが、今年は比較的街中の、そこそこいい物件を借りている。ここからなら、ケビン伯父と共同で運営しているウォーレス&ダスティン事務所にも近いし、孤児院のポテト食堂や祖父母のウォーレス教授夫妻の家にも行きやすい。
なぜグレードアップしたかというと、我が領の収入がここ数年で大幅にアップしたことに加え、今年はクレバー夫人に加え、ロイとサリー夫妻も滞在することになったからだ。メイドのサリーは主に私たちの身の回りの世話、ロイは学会に参加するためだ。これだけの大所帯となると、昨年までの最低限のタウンハウスでは手狭だった。ちなみに2人の幼い娘、リーリアも同行している。王都にはサリーの前夫の娘であるケイティが滞在しているから、一家水入らずの時間も持たせてあげられそうだった。
うちの執事をしながら、研究所でも働いているロイは、地質学の権威・ハイネル公爵との共同研究について、今年の学会で発表をする予定だ。王都出身の彼にとって、約25年ぶりの王都入りとなった。今回の王都入りに関して、両親も私も彼のことをかなり心配したものだ。だが彼は私たちが思っていた以上にあっけらかんとしていた。今回の発表も本名で登録している。
「父のしたことが水に流せるわけではありませんが、私には私の人生があります。そのことに、この歳になってようやく気づいたのです。ですから、心配はご無用です。たとえ私の過去について何か言ってくる連中がいたとしても、黙って受け流すだけですよ」
彼が過去と決別できたのには、奥さんとなったサリーと娘のリーリアの存在が大きい。もちろん、新たに娘となったケイティとの仲も良好だ。そのことに関して、私たちは自分のことのように喜んでいる。
滞在中、ロイは学会関連の仕事を中心にこなしつつ、ダスティン家の事業に関してもテコ入れをしてくれることになっている。またもうひとつの大仕事として、採用面接も控えている。ロイのスーパーマンぶりをもってしても、最近の彼の仕事量は許容範囲を超えつつあった。加えて、領地での温泉事業や化粧品開発事業を進めることが決まっている今、我が家の執事の仕事量はさらに増えることが予想された。そこで新たにロイの下につく秘書を採用することにしたのだ。さらについでとばかりに、今後必要になりそうな人員も合わせて確保しておこうということになった。
新たな人員募集に関しては、既にケイティが王都で発布してくれていた。申し込みの人数もそこそこあり、数日中に面接をし、王都滞在中に仮採用して様子を見た後、本採用に踏み切る計画だ。
そんなこんなで今年の社交シーズンも大忙し。それに、ハムレット商会の双子が渡りをつけてくれた、例の技術者との面接も控えている。ウォーレス教授夫妻の元も訪ねたいし、孤児院のシリウスやアニエス、ルルたちの動向も気になる。新年には学院に入学してしまうハムレット商会の双子たちと話ができるのは12月中のみだし、エヴァンジェリン嬢に任せた精霊祭の発表会も見届けたい。ウォーレス領の当主であり医師でもあるエリン様にも実は面会を申し込んでいて、参考になるお話が聞けたらと思っている。両親は両親で急速に広がりつつあるうちの事業に関してさまざまな取引や種まきに飛び回る予定だから、のんびり王都を楽しむ暇はとてもじゃないけど持てそうになかった。いいことなんだけどね。
そんな多忙を控えている私たちが、王都にきてまっさきにしたことは、アッシュバーン家を訪問することだった。最近ちょっと見入りがよくなったからといって、我が家がアッシュバーン辺境伯家の庇護下にある家であることに変わりはない。庇護、というと大袈裟かもだが、一種の派閥のようなものだ。
「いらっしゃい、アンジェリカちゃん!」
満面の笑みで迎えてくれたのはアッシュバーン辺境伯夫人のパトリシア様。隣には辺境伯のアレクセイ様もいらっしゃる。その後ろに控えているのは辺境伯夫妻の義理の姉にあたるシンシア様だ。夫のロイド王立騎士団副団長はあいも変わらずの忙しさのようで不在だった。
アッシュバーン家の王都のお屋敷は、本来なら当主筋であるアレクセイ様とパトリシア様のものだが、領地で過ごすことが大半の夫妻に代わって、アレクセイ様の兄・ロイド様と奥方のシンシア様が管理をしている。
ここで一シーズン滞在させてもらったのがずっと遠い昔のことのようだ。あのことがきっかけで、ポテト料理が王立騎士団から王国全土に広がることとなり、孤児院支援から我が家の新ビジネスに繋げることもできた。その後の研究所設立に関してもアッシュバーン家の力がなければ実際のところ難しかった。我が家が誰よりも優先させなければならないのはアッシュバーン家であることは、今も代わっていない。
「一年見ない間にまた一段とかわいくなったわね、アンジェリカちゃん! 背も少し高くなったかしら。でも大丈夫よ! そうなることは見越して新しいドレスを用意しておいたから!」
「ど、ドレスですか!? いや、私はまだ子どもなので、必要ないはずですが……」
私の肩に手を置いて、体型を細かくチェックするパトリシア様に、私は引き攣った笑いを浮かべた。社交シーズンはあちこちで舞踏会やお茶会が開かれるためドレスは必須だが、それはあくまで大人の話。子どもが参加できる社交は少ない。
「何言ってるの、備えあれば憂いなしって言うでしょ? さぁ早速試しましょう!」
「いやっ、あの!」
「ほら、カトレア様もよかったご一緒に。王都に新しくできたメゾンが子ども服も展開していて、とても素敵なのよ! シンシアお義姉様もいらっしゃるわよね」
さりげなくうちの母とシンシア様も巻き込んでいくパトリシア様。そう、この人の趣味は人間着せ替えだった。自身の子どもが2人とも男の子だったのと、シンシア様の娘2人はもう大きくなってしまったことで遊べなくなり、白羽の矢が立ったのが私、というわけなのだが……。
「いや、あのっ、そうだわ! 私、ミシェルとお話したいと思っていたんです。年が明けたら王立学院の寮に入ってしまいますよね? もうあまり会えなくなってしまいますから!」
咄嗟に口から出た言い訳は、パトリシア様の背後にちらりと見えた、亜麻色の長髪の少年の名前だった。隣には麦わらのようなつんつん頭のギルフォードもいる。彼とは研究所でたまに顔を合わせるが、王都暮らしのミシェルとは1年ぶりの邂逅だった。
「あらぁ心配しなくても大丈夫よ。ミシェルは週末毎に屋敷に帰ってきますからね。これからもたっぷり話せる暇があるわ。もちろんギルフォードも。というわけであなたたち!」
「「「「「はい、奥様!!!」」」」」
呼ばれてでてきたのは見覚えのある黒集団―――もとい、メイド軍だ。
「アンジェリカちゃんを衣装部屋に招待してちょうだい」
「「「「「イエス! マム!!!」」」」」
(何その返事!?!?!?!)
かくして両腕両足を拘束されドナドナされていく私の隣で、辺境伯のアレクセイ様とうちの父が「じゃぁ、私たちは居間で女性陣の支度を待ちますか」「そうですな」と、のんびり会話を交わしながら執事とともに廊下の奥へと消えていく。
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