95 / 307
本編第一章
依頼状が届きました
しおりを挟む
畑荒らしの事件もひと段落し、12月も半ばを過ぎようとしていた。
アッシュバーン領にお嫁に行ったルシアンのポテトお料理教室は、月末で開店3ヶ月を迎える。目的はお店を繁盛させることーーーというより、炭鉱の町にポテト料理を根付かせることだ。そのためにアッシュバーン家から3人分のお給料とお店の開店資金、じゃがいもなどの材料費が出ている。
ちなみにお店の計画としては半年の予定なので、お料理教室の期間を3ヶ月1クールとし、さらに月曜から土曜までの週6日を3グループに分けて運営している。つまり生徒は、週に2日、3ヶ月のコースを履修すれば卒業というわけだ。その流れでいくと12月末で最初の卒業生たちを送り出すことになる。早くも後半のクールも申込みでいっぱいのようで、ひとまずアッシュバーン伯爵には顔向けできるかな、というところまできた。途中から始めた惣菜販売も、売り場に出せばソールドアウト状態で、半年で終えてしまうのはもったいない気もする、とルシアンからの報告書に記されていた。
お店の今後については父やロイともぽつぽつ相談しているところだ。
もしルシアンが望むならお店を引き続き運営するのも悪くないと思っている。ただそのためには資金が必要だ。今はアッシュバーン家が払ってくれている家賃、材料費、人件費をすべてダスティン家でもたなくてはならない。初期投資はまだどうにかなるとしても、それを経営し続けるとなると資金の問題だけでなく、あらゆる知恵が必要になってくる。この件はもう少し慎重に詰めなくてはならない。
幸い今から長い冬が始まる。農作業もほとんどおやすみ、家畜の世話がせいぜいといった状況なので、考える時間はたっぷりある。父は社交界の付き合いがあるため年末から春までは王都に滞在するが、自宅にはロイも継母もいるので困らない。とくに王立学院で経営学を修めたというロイの意見は珠玉だ。私は前世の経験からハウツー系は得意なのだが、数字のことは前世でも同僚のアンジェリカの方が得意だった。
いい機会だからロイにいろいろレクチャーしてもらおう、そうしよう! うん、充実した冬が過ごせそうだなぁ……と思っていた矢先、思いもかけぬお便りが舞い込んだ、今回はそんなお話です。
父の書斎に呼ばれた私は、彼がいつになく上機嫌なのを不思議に思った。こんなことは例の事件以降初めてだった。父の傍には継母もおり、彼女もにこにこしている。悪い話ではなさそうだとほっとしつつ、私もソファに座った。
「アンジェリカ、ひとつ提案があるんだが、この冬、一緒に王都で過ごしてみないか?」
「え?」
思いもかけぬ話に私は目を丸くした。
「いきなりどうされたのですか? 確か今年の冬は、年末年始のパーティだけはおとうさまとおかあさまがお二人で参加されて、その後はおとうさまだけが王都に残って社交されるというお話だったのでは?」
王都では毎年大晦日から新年にかけて社交シーズン幕開けを告げるパーティが催される。よほどの事情がない限り王国中の貴族たちが参加する慣しになっている。当然両陛下も出席され、貴族たちは拝謁する栄誉を賜る。うちのような弱小貴族の場合、年に一度の貴重なご挨拶の機会だ。
ただし社交会の夜のパーティに出席できるのは18歳以上。厳密にいえば王立学院を12月で卒業した貴族たちが、ここでようやくデビューを許される。私のような子どもは参加できず、従って冬の社交シーズンを領地で過ごす者もいる。
もちろんお金持ちの貴族たちは王都の邸宅に家族ごと移住するが、うちは貧乏男爵家なので王都に家を持っていない。両親は毎年このシーズンだけタウンハウスを借りていた。ハウスには通いのメイドもついているので、うちからは両親とルビィだけが出向き、そこで毎冬を過ごしていた。今年は領地に残る私に合わせ、継母は初日のパーティを終えれば領地に戻ってくるということで話はついていたはずだ。
私としても王都には行きたくない。とくに用事もないし、いたずらに“攻略対象”とやらに会うのも面倒だ。攻略、する気ないし。婿は欲しいけど、6歳児にはまだ早い話だ。
怪訝そうな私の表情を読み取ったのだろう、父は苦笑しながら一通の手紙を取り出した。
「じつは、こんな手紙が届いているんだよ。宛先は私の名前になっているが、実質はおまえ宛にきているようなものだからね」
「お手紙ですか? どちらから?」
「カエサル・バレーリ王立騎士団団長からだ」
「カエサル・バレーリ……、王都よりさらに南東のバレーリ侯爵家のご一門の方でしょうか」
私は必死に読み漁った貴族名鑑の知識を引っ張り出す。王都は王国の中心にあり、うちやアッシュバーン領は王都の北西に位置している。対するバレーリ侯爵家は王都より南東、つまりうちの反対側といっても差し支えない。アッシュバーン辺境伯と並ぶ我が国有数の武門の一族だったはずだ。
そこまで思い出してぴんときた。そうだった、バレーリ家の現当主の叔父に当たる人物が、確か王立騎士団の団長をされていたはずだ。
思い出したはいいのだが、そこから先がつながらない。我が家は王立騎士団ともバレーリ家ともそれほどつながりがなかったはずだ。そんなところからなぜ手紙が届くのだろう。
「さすがアンジェリカ、よく勉強しているね。貴族の家系図だけでなく地理にも精通しているなんて素晴らしい」
父はいつもの親バカぶりをとことん発揮しながらほくほくしている。うん、そういうのもういいから続きお願いとばかりに、私は疑問をさくっとぶつけた。
「王立騎士団団長様がなぜ我が家にお手紙を?」
「おぉ、そうだった。ただの手紙じゃないぞ、なんと依頼状だ」
「依頼状?」
「あぁ、恐れ多くもカエサル様が、私たち一家を王都にご招待くださっているんだよ」
「はい?」
父の説明に疑問は増すばかりだった。だからなぜ、カエサル様がうちに依頼状を送ってきたのか、そもそもなんの依頼状なのかを聞いてるんだってば!
私の苛立ちが伝わったわけではないだろうが、継母が笑いを含みながら助言した。
「バーナード、あなたの説明が全然なってないわ。アンジェリカが困っていてよ」
「そうかな? じゃぁこれで話が通じるかな? カエサル・バレーリ団長からの依頼状とともに、副団長であるロイド・アッシュバーン様からの手紙も同封されている」
「副団長のロイド・アッシュバーン、アッシュバーン……って、あぁ!」
聞き覚えのある名前が記憶を引っ張り出した。ロイド・アッシュバーン王立騎士団副団長、それって……!
「伯爵老様のご長男様ですね!」
私がぽん、と手を打つと両親は揃って頷いた。伯爵老には3人の息子がおり、三男は領内で北の砦を守っていて、次男が現伯爵、そして長男は王立騎士団の副団長だ。ミシェルとギルフォードは現伯爵とパトリシア様の間の子どもだが、長男のミシェルはカイルハート王子の側近候補として王都で暮らしており、伯父の元に身を寄せている。その伯父というのがロイド・アッシュバーン、つまり王立騎士団の副団長をしているのだった。
私は副団長にお会いしたことはない。副団長の存在を知ったのは伯爵老を通じてだ。じゃがいもの食用化について伯爵老に相談したところ、王都に住むご長男のロイド副団長を通じてマクスウェル宰相に話を持っていこうということになった。マクスウェル宰相には相手にされなかったわけだけど……ここにきてその副団長のお名前が再登場だ。これはもう、じゃがいも関連で間違いないだろう。
「じゃがいもの食用化計画に関して、何か動きがあったのですか?」
「そのことだよ。バレーリ団長から、“じゃがいもの食用化及び、アッシュバーン領・ダスティン領での運営方法について非常に興味がある、王立騎士団内でも採用を検討したい”との仰せだよ」
「王立騎士団内でポテト料理を採用していただけるんですか!?」
「まだ決定ではないがね。そのためにこの冬、王都の騎士寮でポテト料理を披露してもらえないだろうか、という依頼だ。実際に披露して採用の価値ありとなれば、そのまま騎士寮のキッチンでやり方を伝授してもらいたいそうだよ」
王立騎士団は文字通り、王国が維持する騎士の集まりだ。その数は数千とも数万ともいわれている。
彼らは有事には戦の最前線に立ち、国を守るために戦うが、平時は王宮の警備や地方の警備を生業にしている。この国では辺境伯のような特例を除き、貴族が独自に騎士団を持つことが許されないためだ。王立騎士団は各地に砦を持っており、この砦に住まいながら地方の警備とその地方の領主の監視も行っている。また早馬も取り揃えているから、前世でいうところの速達的な仕事もお金を払えば行ってくれる。
ダスティン領には騎士団は駐在していない。すぐ隣のアッシュバーン領に私兵団があるからだ。何かあればそちらに訴えれば事がすむ。だから私が会ったことがある騎士といえば伯爵老とアッシュバーン伯爵くらいだ。
そんな縁もゆかりもなかった王立騎士団の団長からの直々の依頼。だがこれは大きなチャンスだった。王立騎士団の影響力は王国全土に渡る。もし団でポテト料理が採用されれば、それは一気に王国中に広がる可能性を秘めている。つまり、私が目指していた構想の大きな足がかりとなりうるのだ。
この大陸中にポテト料理を広めたい、そうすれば食糧難も回避でき、隣国との仲も保たれ、何よりミシェルが死ぬ未来を回避できる。宰相様には一度フラれてしまったけれど、私はまだ諦めてはいなかった。
「おとうさま、行きましょう! 今すぐ行きましょう!!」
捨てる神あれば拾う神あり。私は拳を突き上げる勢いでその依頼状を掴んだ。
アッシュバーン領にお嫁に行ったルシアンのポテトお料理教室は、月末で開店3ヶ月を迎える。目的はお店を繁盛させることーーーというより、炭鉱の町にポテト料理を根付かせることだ。そのためにアッシュバーン家から3人分のお給料とお店の開店資金、じゃがいもなどの材料費が出ている。
ちなみにお店の計画としては半年の予定なので、お料理教室の期間を3ヶ月1クールとし、さらに月曜から土曜までの週6日を3グループに分けて運営している。つまり生徒は、週に2日、3ヶ月のコースを履修すれば卒業というわけだ。その流れでいくと12月末で最初の卒業生たちを送り出すことになる。早くも後半のクールも申込みでいっぱいのようで、ひとまずアッシュバーン伯爵には顔向けできるかな、というところまできた。途中から始めた惣菜販売も、売り場に出せばソールドアウト状態で、半年で終えてしまうのはもったいない気もする、とルシアンからの報告書に記されていた。
お店の今後については父やロイともぽつぽつ相談しているところだ。
もしルシアンが望むならお店を引き続き運営するのも悪くないと思っている。ただそのためには資金が必要だ。今はアッシュバーン家が払ってくれている家賃、材料費、人件費をすべてダスティン家でもたなくてはならない。初期投資はまだどうにかなるとしても、それを経営し続けるとなると資金の問題だけでなく、あらゆる知恵が必要になってくる。この件はもう少し慎重に詰めなくてはならない。
幸い今から長い冬が始まる。農作業もほとんどおやすみ、家畜の世話がせいぜいといった状況なので、考える時間はたっぷりある。父は社交界の付き合いがあるため年末から春までは王都に滞在するが、自宅にはロイも継母もいるので困らない。とくに王立学院で経営学を修めたというロイの意見は珠玉だ。私は前世の経験からハウツー系は得意なのだが、数字のことは前世でも同僚のアンジェリカの方が得意だった。
いい機会だからロイにいろいろレクチャーしてもらおう、そうしよう! うん、充実した冬が過ごせそうだなぁ……と思っていた矢先、思いもかけぬお便りが舞い込んだ、今回はそんなお話です。
父の書斎に呼ばれた私は、彼がいつになく上機嫌なのを不思議に思った。こんなことは例の事件以降初めてだった。父の傍には継母もおり、彼女もにこにこしている。悪い話ではなさそうだとほっとしつつ、私もソファに座った。
「アンジェリカ、ひとつ提案があるんだが、この冬、一緒に王都で過ごしてみないか?」
「え?」
思いもかけぬ話に私は目を丸くした。
「いきなりどうされたのですか? 確か今年の冬は、年末年始のパーティだけはおとうさまとおかあさまがお二人で参加されて、その後はおとうさまだけが王都に残って社交されるというお話だったのでは?」
王都では毎年大晦日から新年にかけて社交シーズン幕開けを告げるパーティが催される。よほどの事情がない限り王国中の貴族たちが参加する慣しになっている。当然両陛下も出席され、貴族たちは拝謁する栄誉を賜る。うちのような弱小貴族の場合、年に一度の貴重なご挨拶の機会だ。
ただし社交会の夜のパーティに出席できるのは18歳以上。厳密にいえば王立学院を12月で卒業した貴族たちが、ここでようやくデビューを許される。私のような子どもは参加できず、従って冬の社交シーズンを領地で過ごす者もいる。
もちろんお金持ちの貴族たちは王都の邸宅に家族ごと移住するが、うちは貧乏男爵家なので王都に家を持っていない。両親は毎年このシーズンだけタウンハウスを借りていた。ハウスには通いのメイドもついているので、うちからは両親とルビィだけが出向き、そこで毎冬を過ごしていた。今年は領地に残る私に合わせ、継母は初日のパーティを終えれば領地に戻ってくるということで話はついていたはずだ。
私としても王都には行きたくない。とくに用事もないし、いたずらに“攻略対象”とやらに会うのも面倒だ。攻略、する気ないし。婿は欲しいけど、6歳児にはまだ早い話だ。
怪訝そうな私の表情を読み取ったのだろう、父は苦笑しながら一通の手紙を取り出した。
「じつは、こんな手紙が届いているんだよ。宛先は私の名前になっているが、実質はおまえ宛にきているようなものだからね」
「お手紙ですか? どちらから?」
「カエサル・バレーリ王立騎士団団長からだ」
「カエサル・バレーリ……、王都よりさらに南東のバレーリ侯爵家のご一門の方でしょうか」
私は必死に読み漁った貴族名鑑の知識を引っ張り出す。王都は王国の中心にあり、うちやアッシュバーン領は王都の北西に位置している。対するバレーリ侯爵家は王都より南東、つまりうちの反対側といっても差し支えない。アッシュバーン辺境伯と並ぶ我が国有数の武門の一族だったはずだ。
そこまで思い出してぴんときた。そうだった、バレーリ家の現当主の叔父に当たる人物が、確か王立騎士団の団長をされていたはずだ。
思い出したはいいのだが、そこから先がつながらない。我が家は王立騎士団ともバレーリ家ともそれほどつながりがなかったはずだ。そんなところからなぜ手紙が届くのだろう。
「さすがアンジェリカ、よく勉強しているね。貴族の家系図だけでなく地理にも精通しているなんて素晴らしい」
父はいつもの親バカぶりをとことん発揮しながらほくほくしている。うん、そういうのもういいから続きお願いとばかりに、私は疑問をさくっとぶつけた。
「王立騎士団団長様がなぜ我が家にお手紙を?」
「おぉ、そうだった。ただの手紙じゃないぞ、なんと依頼状だ」
「依頼状?」
「あぁ、恐れ多くもカエサル様が、私たち一家を王都にご招待くださっているんだよ」
「はい?」
父の説明に疑問は増すばかりだった。だからなぜ、カエサル様がうちに依頼状を送ってきたのか、そもそもなんの依頼状なのかを聞いてるんだってば!
私の苛立ちが伝わったわけではないだろうが、継母が笑いを含みながら助言した。
「バーナード、あなたの説明が全然なってないわ。アンジェリカが困っていてよ」
「そうかな? じゃぁこれで話が通じるかな? カエサル・バレーリ団長からの依頼状とともに、副団長であるロイド・アッシュバーン様からの手紙も同封されている」
「副団長のロイド・アッシュバーン、アッシュバーン……って、あぁ!」
聞き覚えのある名前が記憶を引っ張り出した。ロイド・アッシュバーン王立騎士団副団長、それって……!
「伯爵老様のご長男様ですね!」
私がぽん、と手を打つと両親は揃って頷いた。伯爵老には3人の息子がおり、三男は領内で北の砦を守っていて、次男が現伯爵、そして長男は王立騎士団の副団長だ。ミシェルとギルフォードは現伯爵とパトリシア様の間の子どもだが、長男のミシェルはカイルハート王子の側近候補として王都で暮らしており、伯父の元に身を寄せている。その伯父というのがロイド・アッシュバーン、つまり王立騎士団の副団長をしているのだった。
私は副団長にお会いしたことはない。副団長の存在を知ったのは伯爵老を通じてだ。じゃがいもの食用化について伯爵老に相談したところ、王都に住むご長男のロイド副団長を通じてマクスウェル宰相に話を持っていこうということになった。マクスウェル宰相には相手にされなかったわけだけど……ここにきてその副団長のお名前が再登場だ。これはもう、じゃがいも関連で間違いないだろう。
「じゃがいもの食用化計画に関して、何か動きがあったのですか?」
「そのことだよ。バレーリ団長から、“じゃがいもの食用化及び、アッシュバーン領・ダスティン領での運営方法について非常に興味がある、王立騎士団内でも採用を検討したい”との仰せだよ」
「王立騎士団内でポテト料理を採用していただけるんですか!?」
「まだ決定ではないがね。そのためにこの冬、王都の騎士寮でポテト料理を披露してもらえないだろうか、という依頼だ。実際に披露して採用の価値ありとなれば、そのまま騎士寮のキッチンでやり方を伝授してもらいたいそうだよ」
王立騎士団は文字通り、王国が維持する騎士の集まりだ。その数は数千とも数万ともいわれている。
彼らは有事には戦の最前線に立ち、国を守るために戦うが、平時は王宮の警備や地方の警備を生業にしている。この国では辺境伯のような特例を除き、貴族が独自に騎士団を持つことが許されないためだ。王立騎士団は各地に砦を持っており、この砦に住まいながら地方の警備とその地方の領主の監視も行っている。また早馬も取り揃えているから、前世でいうところの速達的な仕事もお金を払えば行ってくれる。
ダスティン領には騎士団は駐在していない。すぐ隣のアッシュバーン領に私兵団があるからだ。何かあればそちらに訴えれば事がすむ。だから私が会ったことがある騎士といえば伯爵老とアッシュバーン伯爵くらいだ。
そんな縁もゆかりもなかった王立騎士団の団長からの直々の依頼。だがこれは大きなチャンスだった。王立騎士団の影響力は王国全土に渡る。もし団でポテト料理が採用されれば、それは一気に王国中に広がる可能性を秘めている。つまり、私が目指していた構想の大きな足がかりとなりうるのだ。
この大陸中にポテト料理を広めたい、そうすれば食糧難も回避でき、隣国との仲も保たれ、何よりミシェルが死ぬ未来を回避できる。宰相様には一度フラれてしまったけれど、私はまだ諦めてはいなかった。
「おとうさま、行きましょう! 今すぐ行きましょう!!」
捨てる神あれば拾う神あり。私は拳を突き上げる勢いでその依頼状を掴んだ。
63
お気に入りに追加
2,291
あなたにおすすめの小説
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
追放された薬師でしたが、特に気にもしていません
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。
まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。
だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥
たまにやりたくなる短編。
ちょっと連載作品
「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。
モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~
咲桜りおな
恋愛
前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。
ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。
いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!
そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。
結構、ところどころでイチャラブしております。
◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。
この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。
番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
デブだからといって婚約破棄された伯爵令嬢、前世の記憶を駆使してダイエットする~自立しようと思っているのに気がついたら溺愛されてました~
トモモト ヨシユキ
ファンタジー
デブだからといって婚約破棄された伯爵令嬢エヴァンジェリンは、その直後に前世の記憶を思い出す。
かつてダイエットオタクだった記憶を頼りに伯爵領でダイエット。
ついでに魔法を極めて自立しちゃいます!
師匠の変人魔導師とケンカしたりイチャイチャしたりしながらのスローライフの筈がいろんなゴタゴタに巻き込まれたり。
痩せたからってよりを戻そうとする元婚約者から逃げるために偽装婚約してみたり。
波乱万丈な転生ライフです。
エブリスタにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる