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第2章 幼児期
9 森に住む魔女(千春視点)
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「ギヤッ! ギャッ! ギャッ!」
森にゴブリンの笑い声がいくつも重なってこだました。
いつ聞いても不快な鳴き声だ。
ゴブリンというのは、緑色の肌をした子供のような姿をした魔物だ。人のような姿をしてはいるが、あまり知性は無い。
群れが増えると村が襲われてしまう事があるため、増える前に駆除する必要がある。
今森にいるゴブリンの集団は200を超えてしまっており、森谷村はいつ襲われてもおかしくない状態である。
あたしは師匠より命を受け、この森近くに住まいを構え、異変がないか監視を行っていた。
監視を命じられた期間は4年間。
特に問題が起こることも無く、あと半年で任期が満了というところで事件は起きた。
その日は朝からずっと魔法の修行に明け暮れいたが、頑張り過ぎてしまったのか、森の異変を知らせてくれる魔道具、森のお知らせ君(作:師匠)がアラームを鳴らしているのに気付かず、朝になってアラーム履歴を確認し、青ざめた。
『午後8時24分 ≪森の主≫消滅』
ヤバい。師匠にどやされる。いや、下手したら破門??
あたしはここで更に失敗をしてしまう。直ぐに師匠へ報告の手紙を出すべきであったが、破門になるかもしれないとの恐怖で、愚かにも報告を怠ってしまったのだ。
その後、聞き込みを続けた結果、10年前に家を飛び出した東家の長男が、あの森の主が消滅した日に森下村へ帰ってきたらしい。
竜街の有名な剣術道場で修行を積み、冒険者Bランクの実力者とのことだが、森の主を倒すには明らかに実力不足だ。
その時、ちょうど師匠より竜街への一時帰還命令が出た。私は失態がバレたかと震え上がったか、違った。師匠の研究で人手が不足していたため、お手伝い要員として呼ばれたのだ。
帰ってくる頃には、森の主もひょっこり帰ってきていて、すべて解決してないかナー、なんて、淡い期待を抱いていたが、出迎えてくれたのはゴブリンの集団御一行。私は頭を抱えた。
(あの日帰ってきた東家の長男に話を聞いてみるしかない)
私は意を決して東家に向かうことにした。
森にゴブリンの笑い声がいくつも重なってこだました。
いつ聞いても不快な鳴き声だ。
ゴブリンというのは、緑色の肌をした子供のような姿をした魔物だ。人のような姿をしてはいるが、あまり知性は無い。
群れが増えると村が襲われてしまう事があるため、増える前に駆除する必要がある。
今森にいるゴブリンの集団は200を超えてしまっており、森谷村はいつ襲われてもおかしくない状態である。
あたしは師匠より命を受け、この森近くに住まいを構え、異変がないか監視を行っていた。
監視を命じられた期間は4年間。
特に問題が起こることも無く、あと半年で任期が満了というところで事件は起きた。
その日は朝からずっと魔法の修行に明け暮れいたが、頑張り過ぎてしまったのか、森の異変を知らせてくれる魔道具、森のお知らせ君(作:師匠)がアラームを鳴らしているのに気付かず、朝になってアラーム履歴を確認し、青ざめた。
『午後8時24分 ≪森の主≫消滅』
ヤバい。師匠にどやされる。いや、下手したら破門??
あたしはここで更に失敗をしてしまう。直ぐに師匠へ報告の手紙を出すべきであったが、破門になるかもしれないとの恐怖で、愚かにも報告を怠ってしまったのだ。
その後、聞き込みを続けた結果、10年前に家を飛び出した東家の長男が、あの森の主が消滅した日に森下村へ帰ってきたらしい。
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その時、ちょうど師匠より竜街への一時帰還命令が出た。私は失態がバレたかと震え上がったか、違った。師匠の研究で人手が不足していたため、お手伝い要員として呼ばれたのだ。
帰ってくる頃には、森の主もひょっこり帰ってきていて、すべて解決してないかナー、なんて、淡い期待を抱いていたが、出迎えてくれたのはゴブリンの集団御一行。私は頭を抱えた。
(あの日帰ってきた東家の長男に話を聞いてみるしかない)
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