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番外編
シャルとエプロンとリアン ★
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ちょっと遊び過ぎた番外編。
終始いちゃついてるだけ。
突然メリッサからフクロウ便が届いて、シャルは首をかしげた。
「何だろ……、特に連絡はなかったけど」
箱を片手に、シャルは戸惑いの表情を浮かべる。プレゼントのように綺麗にラッピングされた箱には、大きなリボンがかかっている。
「開けてみれば?」
リアンの言葉にシャルはうなずいて、リボンを解いた。
箱を開けると、中には何やら白い布の上にピンク色のメッセージカードが一枚。
「……新婚といえばコレでしょ、ぜひリアンと一緒に使ってね♡……って何のこと?」
カードに書かれた内容に、シャルは首をひねる。どうやら友人魔女たちが、連名で送ってきたものらしい。結婚祝いは、すでにもらっているのだが。
中から出てきたのは、白いエプロン。しかも、フリルがたっぷりと使われた、可愛らしいデザインのものだ。
「エプロン……?あぁ、料理を頑張れってことかしら」
シャルがあまり料理が得意でないことはメリッサたちも知っているので、激励の意味を込めているのかもしれない。
それにしてもシャルが身につけるには、少し可愛過ぎないかと思いつつ、エプロンを胸に当ててみると、うしろからリアンが抱きついてきた。
「わぁ、メリッサってば分かってるね!最高のチョイスだよ」
うしろから手を伸ばしたリアンが、エプロンを手に取って笑う。
意味が分からず首をかしげるシャルに、リアンはにっこりと笑った。
「シャル、知らないの?新婚夫婦にエプロンと言えば、アレでしょ」
「何のこと?」
目を瞬かせるシャルに、リアンはエプロンを広げると、シャルの胸元に当てた。
「シャルが、裸にこれ一枚だけを身につけて、料理をするんだよ」
「は?え、何で?」
「それが男のロマンだから」
「男の、ロマン……?」
首をかしげるシャルを見て、リアンはくすくすと笑う。
「そう。で、そんなシャルの可愛くていやらしい姿を見たら、僕が我慢できなくなって、そのままキッチンで愛しあうんだ」
「……え、意味が分からないんだけど」
「分からないなら、試してみよう。シャル、早速着てみて」
「え?」
戸惑うシャルをよそに、リアンは上機嫌でシャルの服を脱がせていく。
「ちょ、ちょっと待って、リアンっ」
慌てて抵抗しようとするけれど、シンプルなつくりの部屋着のワンピースは、あっという間に脱がされて床に落ちた。
「はい、これを着て」
にっこにこでエプロンを渡されて、シャルは戸惑いつつも受け取る。
手際の良いリアンにあっという間に服を脱がされてしまったので、エプロンで身体を隠せるのはいいかもしれない。
そう思っていたけれど、いざエプロンを身につけてみて、シャルは羞恥に頬を染めた。
隠したい場所はエプロンで隠れているものの、見えるか見えないかといった際どい感じが、余計にいやらしく見える。
エプロンの丈は、下半身の際どい部分をギリギリ隠す長さしかなくて、少し腕を挙げるだけで露出してしまう。かと言って、下半身を隠したくてエプロンの裾を引っ張れば、今度は胸が見えそうになる。
そしてよく考えたら、うしろから見ればほぼ丸見えだ。
「シャル……最高」
鼻血を堪えているのか、顔を押さえたリアンはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をしているけれど、シャルは恥ずかしくてたまらない。
「ね、やっぱり無理……、着替えていい?」
「だめだよ。ほら、キッチンに行こう」
リアンに手を引かれて、シャルはそのままキッチンへと連れて行かれた。
「火傷すると大変だから、冷たいお茶を淹れてよ、シャル」
「えぇ、この恰好で?」
「もちろん。ほら早く」
上機嫌なリアンに促されて、シャルは仕方なくキッチンに立つ。保冷箱から冷やしておいたお茶のボトルを取り出して、グラスに注いでいく。
「やっばい。超最高なんだけど」
うしろからリアンに抱きつかれて、シャルは小さな悲鳴をあげた。
「もうっ溢れちゃうじゃない」
「だって、その後ろ姿、可愛すぎるんだもん。シャル、家にいる時はずっとこの恰好してて、」
「絶対嫌よ」
シャルは、うしろから抱きしめているリアンの腕をつねった。リアンは、ひゃあと楽しそうな悲鳴をあげながら、小さく残念、とつぶやく。
「じゃあ、今日しっかり堪能することにする」
耳にそっと口づけて、リアンはエプロンの上からシャルの胸を揉み始める。あっという間にぷくりと生地を押し上げる蕾に、リアンはくすりと笑ってシャルの耳に息を吹きかけた。
「……ここ、もう固くなっちゃった。エプロンの上からも、よく分かるよ」
「……や、言わないで……っ」
「すっごいイイ眺め。見えそうで見えないって、こんなにイイもんなんだね」
「なんでリアン、そんな楽しそうなの……」
「僕の奥さんは、めちゃくちゃ可愛くて色っぽいから、嬉しくて」
「……っ」
耳元で囁かれた、『僕の奥さん』という言葉に、シャルは思いっきりときめいてしまった。
結婚といっても、派手なことが好きではない2人なので、友人らを招いた食事会だけをして、式は挙げなかった。だから、2人で暮らす生活は、それまでとほとんど変わりはなくて。もちろんそんな生活に不満を感じたことはないけれど、リアンに奥さんと呼ばれると、自分はリアンの妻なのだなと改めて自覚して、嬉しさとくすぐったさが入り混じる。
「なんか、その呼び方……好き、かも」
「ん?僕の奥さんって呼ぶこと?」
「や、耳元でしゃべるの、だめ」
ただでさえ敏感になっている耳元で、リアンがしゃべると、吐息がかかってそれすら刺激になる。きっとリアンは分かってやっているけれど。
「ふふ、可愛いシャル。可愛い僕の奥さん。大好き」
くすくすと笑いながら、リアンは舌で形を確かめるように、シャルの耳をゆっくりと舐めていく。
濡れた音や熱くて柔らかな舌の感触、そして吐息の全てに翻弄されて、シャルは甘い声をあげるしかない。
逃げようにも、うしろからリアンがしっかりと抱きしめているので、シャルは崩れ落ちそうになるのを耐えるので精一杯だ。
「シャルってば、気持ちよくて力抜けちゃった?」
笑いながら、リアンがシャルの肘を調理台の上につかせる。
「しっかり支えててね。今日はここでするから」
「え、嘘っ、やあっ」
うしろで無造作に縛った髪を除けて、リアンは剥き出しの背中に舌を這わす。その刺激に、シャルは思わず背中を反らせた。調理台についた手に力を込めて、必死で身体を支える。
「この眺め、最高」
くすりと笑うリアンの声が聞こえたと思った瞬間、秘部に熱い吐息がかかった。
「や、待って、リアンっ……あぁんっ」
制止の声が聞き届けられることはなく、リアンの舌と指がシャルを翻弄し始める。はしたなく蜜を垂らしていることを証明するかのように、水音がいやらしく響く。シャルは羞恥に思わず首を振った。
「ほらここ、好きでしょ?シャル」
「ん、あぁっ……」
リアンの長い指が、シャルの中の敏感な場所を、まるで狙いを定めたかのように刺激する。
シャルが弱い場所をしっかりと覚えているリアンは、シャルをどんどん高みに押し上げていく。
「ね、待って、きちゃうの、だめ……っ」
「大丈夫、イっていいよ。シャルがイくとこ、見せて」
「や、だめ、……あぁっ」
切羽詰まって訴えたのに、リアンの指は止まらない。逃れようにも、逃げる場所なんてなくて、結局シャルは、甘い悲鳴をあげながら身体を震わせた。
崩れ落ちそうになるのを、リアンの腕が抱きとめてくれて、シャルは荒い息を整えながらリアンを振り返る。
「ね、ベッドに行こう?私もう無理、立ってられない」
「何その可愛いお誘い。うん、あとでベッドでもしようね。でも一度はここでさせて?」
「え、だからだめって、」
「大丈夫、大丈夫。僕がちゃんと支えてるからね。シャルも、肘ついて支えてて」
明るく笑いながら、リアンは手早く服を脱ぎ捨てると、うしろからシャルを抱きしめる。
脚の付け根にリアンの硬いものが当たり、シャルは小さく息をのんだ。
「ん……シャルの中、気持ちいい」
ゆっくりと貫かれて、シャルは快楽に背を反らした。リアンが支えてくれているけれど、シャルも腕で身体を必死に支える。
「あ……んん、そこだめ、」
「ここ?いいところに当たってる?」
「だめってば、あぁんっ」
「可愛い、シャル。僕の奥さんは、なんでこんなに可愛いんだろ」
うしろから優しく抱きしめられて、シャルはその温もりに嬉しくなる。
「ごめん、ちょっともう限界かも」
しばらくすると、いつもより余裕をなくした声で、リアンがつぶやいた。
「シャルが可愛すぎて、我慢できない。あとでベッドでゆっくりと、もう一回しようね」
ベッドでもう一回、は決定事項なのかと聞きたいけれど、言葉は快楽に押し流されて消えてしまう。
ぎゅうっと強く抱きしめられ、リアンが何度も激しくシャルの最奥を突いた。
肌と肌がぶつかる音や、濡れた音が響くことにすら刺激されて、シャルは漏れ出る悲鳴を抑えきれずに喘ぐ。
抱きしめるリアンの力強い腕に自らの手を添えて、シャルは全身を震わせた。
「……シャル、大丈夫?」
息を整えながら、リアンがシャルの顔をのぞきこむ。足に力が入らなくて、がくがくと震えているけれど、リアンが抱きしめていてくれるから、かろうじて立っていられる。
「ん、結構限界かも」
だから休ませて、と続けたかったのに、リアンが急に抱き上げるから、シャルは思わず言葉を飲み込む。
「じゃあ、今度はベッドでゆっくりとしようね。後ろ姿は堪能したから、次はちゃんとシャルの顔を見ながらしたいし」
寝室へと向かいながら、リアンは上機嫌でそんなことを言う。
「少し休ませて欲しい……な」
リアンに抱かれるのは決して嫌ではないけれど、体力の差がありすぎて、シャルはついていけないのだ。せめて回復薬を飲ませて欲しい。
「大丈夫。シャルは横になってるだけでいいから。僕が全部してあげる。シャルは、ただ気持ちよくなっていてくれたらいいからね」
「いや、それが体力消耗するから……、せめて回復薬っ」
シャルの訴えは、ベッドに降ろされたことで途切れる。
リアンは、顔の横に肘をついてシャルを囲うと、にっこりと笑った。
「回復薬を飲んで、今度はシャルが僕に色々してくれるのと、このままゆっくり僕に身を任せるのと、どっちがいい?僕はどちらでもいいから、シャルが好きな方を選んで」
「え……っと」
シャルは答えに詰まって視線をさまよわせるけれど、リアンはにこにこ笑って答えを待っている。逃げられるわけもなく、結局シャルは眉を下げた情けない表情で、リアンを見上げる。
「……このままで、お願いします……」
「ふふ、了解~。大丈夫、シャルが泣いちゃうくらい気持ちよくするからね。僕、頑張るから」
「うん……」
リアンがベッドの上で頑張ると言う時は、シャルを抱き潰す宣言にも等しいのだけど、シャルは苦笑しながらうなずいた。
なんだかんだ言っても、シャルだってリアンとこうすることが、嫌いではないから。
「あとで回復薬、持ってきてくれる?」
キスの合間に囁くと、リアンは笑ってうなずいた。
「シャルの好きな、コーヒーも淹れてあげる。それから、おやつにチョコも食べよう」
「やった。大好きよ、リアン」
手を伸ばして頭を撫でると、リアンは嬉しそうに微笑んだ。
「僕もシャルが大好きだよ。僕の大事な大事な、可愛い奥さん」
愛おしそうに見つめられ、シャルはリアンの首に腕を回した。
結局、おやつの時間を大幅に超えてしまい、予想通り動けなくなったシャルは、ベッドで夕食をとることになったし、チョコとコーヒーは夕食後のデザートになってしまったけれど。
読んでいただきありがとうございました!
途中からエプロン行方不明になってしまいました…。一応ずっと身につけてますw
少しでも楽しんでいただけたなら良いのですが。
終始いちゃついてるだけ。
突然メリッサからフクロウ便が届いて、シャルは首をかしげた。
「何だろ……、特に連絡はなかったけど」
箱を片手に、シャルは戸惑いの表情を浮かべる。プレゼントのように綺麗にラッピングされた箱には、大きなリボンがかかっている。
「開けてみれば?」
リアンの言葉にシャルはうなずいて、リボンを解いた。
箱を開けると、中には何やら白い布の上にピンク色のメッセージカードが一枚。
「……新婚といえばコレでしょ、ぜひリアンと一緒に使ってね♡……って何のこと?」
カードに書かれた内容に、シャルは首をひねる。どうやら友人魔女たちが、連名で送ってきたものらしい。結婚祝いは、すでにもらっているのだが。
中から出てきたのは、白いエプロン。しかも、フリルがたっぷりと使われた、可愛らしいデザインのものだ。
「エプロン……?あぁ、料理を頑張れってことかしら」
シャルがあまり料理が得意でないことはメリッサたちも知っているので、激励の意味を込めているのかもしれない。
それにしてもシャルが身につけるには、少し可愛過ぎないかと思いつつ、エプロンを胸に当ててみると、うしろからリアンが抱きついてきた。
「わぁ、メリッサってば分かってるね!最高のチョイスだよ」
うしろから手を伸ばしたリアンが、エプロンを手に取って笑う。
意味が分からず首をかしげるシャルに、リアンはにっこりと笑った。
「シャル、知らないの?新婚夫婦にエプロンと言えば、アレでしょ」
「何のこと?」
目を瞬かせるシャルに、リアンはエプロンを広げると、シャルの胸元に当てた。
「シャルが、裸にこれ一枚だけを身につけて、料理をするんだよ」
「は?え、何で?」
「それが男のロマンだから」
「男の、ロマン……?」
首をかしげるシャルを見て、リアンはくすくすと笑う。
「そう。で、そんなシャルの可愛くていやらしい姿を見たら、僕が我慢できなくなって、そのままキッチンで愛しあうんだ」
「……え、意味が分からないんだけど」
「分からないなら、試してみよう。シャル、早速着てみて」
「え?」
戸惑うシャルをよそに、リアンは上機嫌でシャルの服を脱がせていく。
「ちょ、ちょっと待って、リアンっ」
慌てて抵抗しようとするけれど、シンプルなつくりの部屋着のワンピースは、あっという間に脱がされて床に落ちた。
「はい、これを着て」
にっこにこでエプロンを渡されて、シャルは戸惑いつつも受け取る。
手際の良いリアンにあっという間に服を脱がされてしまったので、エプロンで身体を隠せるのはいいかもしれない。
そう思っていたけれど、いざエプロンを身につけてみて、シャルは羞恥に頬を染めた。
隠したい場所はエプロンで隠れているものの、見えるか見えないかといった際どい感じが、余計にいやらしく見える。
エプロンの丈は、下半身の際どい部分をギリギリ隠す長さしかなくて、少し腕を挙げるだけで露出してしまう。かと言って、下半身を隠したくてエプロンの裾を引っ張れば、今度は胸が見えそうになる。
そしてよく考えたら、うしろから見ればほぼ丸見えだ。
「シャル……最高」
鼻血を堪えているのか、顔を押さえたリアンはめちゃくちゃ嬉しそうな顔をしているけれど、シャルは恥ずかしくてたまらない。
「ね、やっぱり無理……、着替えていい?」
「だめだよ。ほら、キッチンに行こう」
リアンに手を引かれて、シャルはそのままキッチンへと連れて行かれた。
「火傷すると大変だから、冷たいお茶を淹れてよ、シャル」
「えぇ、この恰好で?」
「もちろん。ほら早く」
上機嫌なリアンに促されて、シャルは仕方なくキッチンに立つ。保冷箱から冷やしておいたお茶のボトルを取り出して、グラスに注いでいく。
「やっばい。超最高なんだけど」
うしろからリアンに抱きつかれて、シャルは小さな悲鳴をあげた。
「もうっ溢れちゃうじゃない」
「だって、その後ろ姿、可愛すぎるんだもん。シャル、家にいる時はずっとこの恰好してて、」
「絶対嫌よ」
シャルは、うしろから抱きしめているリアンの腕をつねった。リアンは、ひゃあと楽しそうな悲鳴をあげながら、小さく残念、とつぶやく。
「じゃあ、今日しっかり堪能することにする」
耳にそっと口づけて、リアンはエプロンの上からシャルの胸を揉み始める。あっという間にぷくりと生地を押し上げる蕾に、リアンはくすりと笑ってシャルの耳に息を吹きかけた。
「……ここ、もう固くなっちゃった。エプロンの上からも、よく分かるよ」
「……や、言わないで……っ」
「すっごいイイ眺め。見えそうで見えないって、こんなにイイもんなんだね」
「なんでリアン、そんな楽しそうなの……」
「僕の奥さんは、めちゃくちゃ可愛くて色っぽいから、嬉しくて」
「……っ」
耳元で囁かれた、『僕の奥さん』という言葉に、シャルは思いっきりときめいてしまった。
結婚といっても、派手なことが好きではない2人なので、友人らを招いた食事会だけをして、式は挙げなかった。だから、2人で暮らす生活は、それまでとほとんど変わりはなくて。もちろんそんな生活に不満を感じたことはないけれど、リアンに奥さんと呼ばれると、自分はリアンの妻なのだなと改めて自覚して、嬉しさとくすぐったさが入り混じる。
「なんか、その呼び方……好き、かも」
「ん?僕の奥さんって呼ぶこと?」
「や、耳元でしゃべるの、だめ」
ただでさえ敏感になっている耳元で、リアンがしゃべると、吐息がかかってそれすら刺激になる。きっとリアンは分かってやっているけれど。
「ふふ、可愛いシャル。可愛い僕の奥さん。大好き」
くすくすと笑いながら、リアンは舌で形を確かめるように、シャルの耳をゆっくりと舐めていく。
濡れた音や熱くて柔らかな舌の感触、そして吐息の全てに翻弄されて、シャルは甘い声をあげるしかない。
逃げようにも、うしろからリアンがしっかりと抱きしめているので、シャルは崩れ落ちそうになるのを耐えるので精一杯だ。
「シャルってば、気持ちよくて力抜けちゃった?」
笑いながら、リアンがシャルの肘を調理台の上につかせる。
「しっかり支えててね。今日はここでするから」
「え、嘘っ、やあっ」
うしろで無造作に縛った髪を除けて、リアンは剥き出しの背中に舌を這わす。その刺激に、シャルは思わず背中を反らせた。調理台についた手に力を込めて、必死で身体を支える。
「この眺め、最高」
くすりと笑うリアンの声が聞こえたと思った瞬間、秘部に熱い吐息がかかった。
「や、待って、リアンっ……あぁんっ」
制止の声が聞き届けられることはなく、リアンの舌と指がシャルを翻弄し始める。はしたなく蜜を垂らしていることを証明するかのように、水音がいやらしく響く。シャルは羞恥に思わず首を振った。
「ほらここ、好きでしょ?シャル」
「ん、あぁっ……」
リアンの長い指が、シャルの中の敏感な場所を、まるで狙いを定めたかのように刺激する。
シャルが弱い場所をしっかりと覚えているリアンは、シャルをどんどん高みに押し上げていく。
「ね、待って、きちゃうの、だめ……っ」
「大丈夫、イっていいよ。シャルがイくとこ、見せて」
「や、だめ、……あぁっ」
切羽詰まって訴えたのに、リアンの指は止まらない。逃れようにも、逃げる場所なんてなくて、結局シャルは、甘い悲鳴をあげながら身体を震わせた。
崩れ落ちそうになるのを、リアンの腕が抱きとめてくれて、シャルは荒い息を整えながらリアンを振り返る。
「ね、ベッドに行こう?私もう無理、立ってられない」
「何その可愛いお誘い。うん、あとでベッドでもしようね。でも一度はここでさせて?」
「え、だからだめって、」
「大丈夫、大丈夫。僕がちゃんと支えてるからね。シャルも、肘ついて支えてて」
明るく笑いながら、リアンは手早く服を脱ぎ捨てると、うしろからシャルを抱きしめる。
脚の付け根にリアンの硬いものが当たり、シャルは小さく息をのんだ。
「ん……シャルの中、気持ちいい」
ゆっくりと貫かれて、シャルは快楽に背を反らした。リアンが支えてくれているけれど、シャルも腕で身体を必死に支える。
「あ……んん、そこだめ、」
「ここ?いいところに当たってる?」
「だめってば、あぁんっ」
「可愛い、シャル。僕の奥さんは、なんでこんなに可愛いんだろ」
うしろから優しく抱きしめられて、シャルはその温もりに嬉しくなる。
「ごめん、ちょっともう限界かも」
しばらくすると、いつもより余裕をなくした声で、リアンがつぶやいた。
「シャルが可愛すぎて、我慢できない。あとでベッドでゆっくりと、もう一回しようね」
ベッドでもう一回、は決定事項なのかと聞きたいけれど、言葉は快楽に押し流されて消えてしまう。
ぎゅうっと強く抱きしめられ、リアンが何度も激しくシャルの最奥を突いた。
肌と肌がぶつかる音や、濡れた音が響くことにすら刺激されて、シャルは漏れ出る悲鳴を抑えきれずに喘ぐ。
抱きしめるリアンの力強い腕に自らの手を添えて、シャルは全身を震わせた。
「……シャル、大丈夫?」
息を整えながら、リアンがシャルの顔をのぞきこむ。足に力が入らなくて、がくがくと震えているけれど、リアンが抱きしめていてくれるから、かろうじて立っていられる。
「ん、結構限界かも」
だから休ませて、と続けたかったのに、リアンが急に抱き上げるから、シャルは思わず言葉を飲み込む。
「じゃあ、今度はベッドでゆっくりとしようね。後ろ姿は堪能したから、次はちゃんとシャルの顔を見ながらしたいし」
寝室へと向かいながら、リアンは上機嫌でそんなことを言う。
「少し休ませて欲しい……な」
リアンに抱かれるのは決して嫌ではないけれど、体力の差がありすぎて、シャルはついていけないのだ。せめて回復薬を飲ませて欲しい。
「大丈夫。シャルは横になってるだけでいいから。僕が全部してあげる。シャルは、ただ気持ちよくなっていてくれたらいいからね」
「いや、それが体力消耗するから……、せめて回復薬っ」
シャルの訴えは、ベッドに降ろされたことで途切れる。
リアンは、顔の横に肘をついてシャルを囲うと、にっこりと笑った。
「回復薬を飲んで、今度はシャルが僕に色々してくれるのと、このままゆっくり僕に身を任せるのと、どっちがいい?僕はどちらでもいいから、シャルが好きな方を選んで」
「え……っと」
シャルは答えに詰まって視線をさまよわせるけれど、リアンはにこにこ笑って答えを待っている。逃げられるわけもなく、結局シャルは眉を下げた情けない表情で、リアンを見上げる。
「……このままで、お願いします……」
「ふふ、了解~。大丈夫、シャルが泣いちゃうくらい気持ちよくするからね。僕、頑張るから」
「うん……」
リアンがベッドの上で頑張ると言う時は、シャルを抱き潰す宣言にも等しいのだけど、シャルは苦笑しながらうなずいた。
なんだかんだ言っても、シャルだってリアンとこうすることが、嫌いではないから。
「あとで回復薬、持ってきてくれる?」
キスの合間に囁くと、リアンは笑ってうなずいた。
「シャルの好きな、コーヒーも淹れてあげる。それから、おやつにチョコも食べよう」
「やった。大好きよ、リアン」
手を伸ばして頭を撫でると、リアンは嬉しそうに微笑んだ。
「僕もシャルが大好きだよ。僕の大事な大事な、可愛い奥さん」
愛おしそうに見つめられ、シャルはリアンの首に腕を回した。
結局、おやつの時間を大幅に超えてしまい、予想通り動けなくなったシャルは、ベッドで夕食をとることになったし、チョコとコーヒーは夕食後のデザートになってしまったけれど。
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