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63 あっという間に攻守逆転 ★

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「……っふぁ」
 深く絡められた舌が、ルフィナから言葉を奪う。何度も慈しむように頭を撫でながら重ねられる唇は、獰猛なのに優しい。
「ルフィナはどこもかしこも甘いな。食べてしまいたくなる」
 そう言ってカミルが額や頬などあちこちにキスを落としながら移動していく。胸に口づけをしたあと、カミルが身体を起こしてルフィナの顔をのぞき込んできた。
「まだ触ってもないのに、すごく硬くなってるけど」
 揶揄うように指で胸の先を軽く弾かれて、ルフィナは小さく喘ぐ。彼の指摘通り、そこは触れられる前から硬く尖って刺激を待ち望んでいた。
「俺を攻めながら、ルフィナも興奮してた?」
 意地悪な声で囁かれ、ルフィナの頬に血がのぼる。カミルを攻めている時はあんなに楽しかったのに、立場が逆転すると何だか恥ずかしくてたまらない。
 言葉に詰まるルフィナを見て笑いながら、カミルは舌先で転がすように胸を舐めしゃぶる。まるで反応を確かめるかのように見つめられて、ルフィナは思わず手で顔を覆った。
「ルフィナ、顔を見せて」
「だって」
「顔が見られないほど恥ずかしいなら、やめようか」
「……っ」
 カミルが離れていく気配を察知して、ルフィナは思わず顔を隠していた手を退けた。するとにっこりと笑ってこちらを見つめるカミルと目が合って、それだけで体温が上がる。
「ちゃんと見てて、ルフィナ」
 恥ずかしいのに、甘い声で命じられると拒否できない。こくりとうなずいたルフィナの額に一度優しく唇を落とすと、カミルは胸への口づけを再開した。
「ぁ、……っんん」
「柔らかくて、だけどここだけ硬くなっていて可愛い。触って、舐めて欲しいって一生懸命におねだりしてるみたいだ」
「ふぁ、そんなこと……」
「ほら、我慢しないで可愛い声を聞かせて」
 くすくすと笑いながら、カミルがまた強く胸に吸いつく。その刺激に思わず声をあげると、満足そうにカミルがうなずいた。
 カミルは、指や唇でルフィナの胸を愛撫した。最初は堪えようとしていた声も、断続的に与えられる快楽に唇から絶えず飛び出す。何度も吸われて、乳首は赤く腫れたようにふくらみ、じんじんと熱を持っている。
 ちゅぱ、と濡れた音を響かせて唇を離したカミルは、ルフィナの頬をそっと撫でた。
「ルフィナ、顔が真っ赤になってる。気持ち良かった?」
 さすがに声に出して返事をすることができなくて、ルフィナは黙ってこくりとうなずく。それを見て、カミルは良かったと嬉しそうに笑った。
「じゃあ、次はこっちだ」
 そう言って、カミルの指先は下半身へと移動していく。秘部に辿り着いた指がそっと触れるだけで、濡れた水音がした。
「すごい。あふれるくらい濡れてる」
「……っ」
「ずっと触って欲しくて待ってたのかな。ほら、ルフィナ。とろとろになってる」
 浅い場所でかき混ぜるように指先を動かされて、ルフィナは思わず腰を浮かせてしまう。もっと奥まで欲しいとねだるようなその動きに、カミルが口角を上げるのが見えた。
「指でもたくさん可愛がってあげたいけど、まずは――」
「や、待っ……カミル様、っあ、あぁぁっ」
 カミルの身体がベッドの下方に移動していくの気づいて、ルフィナは思わず声をあげた。だが、止める前に秘部にあたたかな吐息がかかる。そのままぺろりと舌で舐め上げられて、制止の言葉は嬌声に変わってしまった。
「うん、今日一番の反応」
 楽しそうにつぶやきながら、カミルの舌がルフィナの身体を暴いていく。あふれる蜜を舐め取られ、中に舌をねじ込まれる。指とはまた違った刺激に、ルフィナの腰がびくびくと震えた。
 やがて、カミルの舌が一番敏感な花芽に触れる。そっと舐められるだけでも全身が震えるような快楽を覚えて、ルフィナは高い声をあげて首を振った。
「ひゃ、んっ、そこだめ……っ」
「ルフィナが一番好きなとこだろう? 今日もいっぱい可愛がってあげる」
「だって、イっちゃ……あぁっ」
「うん、イっていいよ」
「むり……っ、あぁんっ」
 優しく笑いながらも、カミルはルフィナを攻めるのをやめようとはしない。
 しっかりと押さえつけられているから、ルフィナは快楽から逃れられない。上半身をよじり、必死に手を伸ばしてカミルを止めようとするものの、指先が髪を掠めるだけ。
「ルフィナ、耳を触られると更に興奮してしまうんだけど」
 時折カミルの耳に指先が触れるからか、彼は意地悪な声でそんなことを言う。結局ルフィナは、快楽を堪えるために必死でシーツを握りしめることしかできなかった。
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