6 / 7
6 夢の狭間で ★
しおりを挟む
「お願ぃ……中も、触って……っ、もっと奥に欲しいの……!」
「もっと奥に? こう?」
確かめるような声と共に、指が蜜口からそろりと奥まで侵入してくる。中を引っ掻くようにされると、それだけで身体が勝手に跳ねる。
「あぁ……んっ、そう、もっと奥、ぐちゃぐちゃにして……」
「ヤバいな、そのおねだり」
フィンリーが、嬉しそうに小さく笑う。そして本数を増やした指が、まるで蜜を掻き出すかのように中を抉る。
自分でもほとんど触れたことのない場所なのに、フィンリーの指が与えてくれる感覚は頭の奥が真っ白になるほどに気持ちがいい。
だけど、指だけでは何かが足りない。
もっと太くて熱いものがあるはずなのに。
「や、あぁっ、……指、違う……っ足りないの……」
「腰動いてるよ、メルヴィナ」
くすりと笑ったフィンリーが、指はそのままにメルヴィナの耳元に唇を寄せた。
「ねぇ、メルヴィナ。足りないものって何? 指だけでもこんなに蕩けてるのに、何が不満? 何かほかのものが欲しい?」
「ほかの、もの」
「そう。メルヴィナの欲しいもの、教えて。何が欲しい?」
返事を急かすように、フィンリーの指はメルヴィナの身体の内側でうごめく。せり上がってくる快楽に溺れそうになりながら、メルヴィナは必死でフィンリーの腕に縋りついた。
「フィンリーが欲しいの……! 指だけじゃもう、足りないの、お願いフィンリーの……っ」
迫り来る絶頂に一瞬息を止めて、メルヴィナはフィンリーの耳元に唇を寄せた。
「……ちょうだい」
それだけ言うと、あとはもう絶頂の波に飲み込まれて身体を震わせることしかできない。
「あぁもう、どこまで煽れば気がすむんだろうな、メルヴィナは」
また怒ったようなフィンリーの声が遠くで聞こえる。
怒らないでと手を伸ばせばしっかりと握り返されて、そのぬくもりに安心して笑みがこぼれる。
「大好きよ、フィンリー。お願い、早くきて」
誘うように両手を広げると、一度強く抱きしめられたあと、蜜口に熱いものが触れた。
あぁこれが待ち望んでいたものだと、メルヴィナは思わず満足げなため息を漏らした。
ゆっくりと身体の奥に侵入してくる熱い昂りを受け入れるだけで、まるでそのまま溶けてしまいそうなほどの快感を覚える。
初めてのはずなのに全く痛みを感じないのは、あの得体の知れない薬のおかげなのだろうか。
最初は気遣うような表情だったフィンリーも、メルヴィナが快楽しか得ていないことを知って少し安心したような表情になる。
「気持ち、いい……。もっと、もっと奥まできて、フィンリー」
「本当……可愛すぎだろ、メルヴィナ」
可愛いなんて、誰にも言われたことのない言葉だ。
それを、大好きな人からもらえるなんて。
思わず嬉しくて頬が緩むけれど、頭のどこかでこんな都合のいい話、夢に決まっていると冷静な声もする。
それでも、このひとときを終わらせたくなくて、メルヴィナはフィンリーの背中に強く手を回した。
いつの間にか彼も服を脱いでいて、直接触れ合う肌のぬくもりが心地いい。
「正気に戻ったら、なかったことになんてしないでくれよ」
何度も何度もメルヴィナを揺さぶりながら、フィンリーが願うような声で囁く。
一突きごとに悲鳴のような声をあげつつも、メルヴィナはそんなことないと首を振った。
「こんなに幸せなのに、なかったことにされたら、私も泣いちゃう。このまま、夢から覚めたくない」
「夢じゃないよ、メルヴィナ。だから、証拠を残しておいていい?」
うかがうように見つめられて、メルヴィナはこくりとうなずいた。
ありがとうと小さく笑ったフィンリーは、メルヴィナの胸元に顔を埋めた。ちくりとした痛みを感じて視線を向けると、白い肌に赤い痕が浮かび上がっていた。
「薬の効果が切れても、覚えてて。メルヴィナのこと、本当に愛してる」
「私も、フィンリーのことずっとずっと好きだったの。愛してるわ」
いつものような意地っ張りで可愛くない言葉じゃなくて、素直な気持ちを伝えられたことが嬉しい。
夢の中ではこんなにも素直になれるのだから、今度フィンリーに会ったら勇気を出して気持ちを伝えてみよう。
そんなことを考えていると、また強く突き上げられて思考がばらばらになっていく。
「や、あ、あ……っ、だめ、イっちゃ……!」
抱きしめるフィンリーの腕は優しいけれど、決して逃してくれない。与えられる快楽を余すところなく受け止めることになったメルヴィナは、何度目かの絶頂に押し上げられた。
ぱちぱちと白く弾けるような快楽の余韻に、勝手に身体が震える。頭の中も真っ白に染まっていって、何も考えられなくなる。
「夢じゃないって、言ってるのにな。……もう、聞こえてないか」
ため息まじりにフィンリーが笑った声を、どこか遠いところで聞いたような気がした。
「もっと奥に? こう?」
確かめるような声と共に、指が蜜口からそろりと奥まで侵入してくる。中を引っ掻くようにされると、それだけで身体が勝手に跳ねる。
「あぁ……んっ、そう、もっと奥、ぐちゃぐちゃにして……」
「ヤバいな、そのおねだり」
フィンリーが、嬉しそうに小さく笑う。そして本数を増やした指が、まるで蜜を掻き出すかのように中を抉る。
自分でもほとんど触れたことのない場所なのに、フィンリーの指が与えてくれる感覚は頭の奥が真っ白になるほどに気持ちがいい。
だけど、指だけでは何かが足りない。
もっと太くて熱いものがあるはずなのに。
「や、あぁっ、……指、違う……っ足りないの……」
「腰動いてるよ、メルヴィナ」
くすりと笑ったフィンリーが、指はそのままにメルヴィナの耳元に唇を寄せた。
「ねぇ、メルヴィナ。足りないものって何? 指だけでもこんなに蕩けてるのに、何が不満? 何かほかのものが欲しい?」
「ほかの、もの」
「そう。メルヴィナの欲しいもの、教えて。何が欲しい?」
返事を急かすように、フィンリーの指はメルヴィナの身体の内側でうごめく。せり上がってくる快楽に溺れそうになりながら、メルヴィナは必死でフィンリーの腕に縋りついた。
「フィンリーが欲しいの……! 指だけじゃもう、足りないの、お願いフィンリーの……っ」
迫り来る絶頂に一瞬息を止めて、メルヴィナはフィンリーの耳元に唇を寄せた。
「……ちょうだい」
それだけ言うと、あとはもう絶頂の波に飲み込まれて身体を震わせることしかできない。
「あぁもう、どこまで煽れば気がすむんだろうな、メルヴィナは」
また怒ったようなフィンリーの声が遠くで聞こえる。
怒らないでと手を伸ばせばしっかりと握り返されて、そのぬくもりに安心して笑みがこぼれる。
「大好きよ、フィンリー。お願い、早くきて」
誘うように両手を広げると、一度強く抱きしめられたあと、蜜口に熱いものが触れた。
あぁこれが待ち望んでいたものだと、メルヴィナは思わず満足げなため息を漏らした。
ゆっくりと身体の奥に侵入してくる熱い昂りを受け入れるだけで、まるでそのまま溶けてしまいそうなほどの快感を覚える。
初めてのはずなのに全く痛みを感じないのは、あの得体の知れない薬のおかげなのだろうか。
最初は気遣うような表情だったフィンリーも、メルヴィナが快楽しか得ていないことを知って少し安心したような表情になる。
「気持ち、いい……。もっと、もっと奥まできて、フィンリー」
「本当……可愛すぎだろ、メルヴィナ」
可愛いなんて、誰にも言われたことのない言葉だ。
それを、大好きな人からもらえるなんて。
思わず嬉しくて頬が緩むけれど、頭のどこかでこんな都合のいい話、夢に決まっていると冷静な声もする。
それでも、このひとときを終わらせたくなくて、メルヴィナはフィンリーの背中に強く手を回した。
いつの間にか彼も服を脱いでいて、直接触れ合う肌のぬくもりが心地いい。
「正気に戻ったら、なかったことになんてしないでくれよ」
何度も何度もメルヴィナを揺さぶりながら、フィンリーが願うような声で囁く。
一突きごとに悲鳴のような声をあげつつも、メルヴィナはそんなことないと首を振った。
「こんなに幸せなのに、なかったことにされたら、私も泣いちゃう。このまま、夢から覚めたくない」
「夢じゃないよ、メルヴィナ。だから、証拠を残しておいていい?」
うかがうように見つめられて、メルヴィナはこくりとうなずいた。
ありがとうと小さく笑ったフィンリーは、メルヴィナの胸元に顔を埋めた。ちくりとした痛みを感じて視線を向けると、白い肌に赤い痕が浮かび上がっていた。
「薬の効果が切れても、覚えてて。メルヴィナのこと、本当に愛してる」
「私も、フィンリーのことずっとずっと好きだったの。愛してるわ」
いつものような意地っ張りで可愛くない言葉じゃなくて、素直な気持ちを伝えられたことが嬉しい。
夢の中ではこんなにも素直になれるのだから、今度フィンリーに会ったら勇気を出して気持ちを伝えてみよう。
そんなことを考えていると、また強く突き上げられて思考がばらばらになっていく。
「や、あ、あ……っ、だめ、イっちゃ……!」
抱きしめるフィンリーの腕は優しいけれど、決して逃してくれない。与えられる快楽を余すところなく受け止めることになったメルヴィナは、何度目かの絶頂に押し上げられた。
ぱちぱちと白く弾けるような快楽の余韻に、勝手に身体が震える。頭の中も真っ白に染まっていって、何も考えられなくなる。
「夢じゃないって、言ってるのにな。……もう、聞こえてないか」
ため息まじりにフィンリーが笑った声を、どこか遠いところで聞いたような気がした。
1
お気に入りに追加
122
あなたにおすすめの小説
婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
練習なのに、とろけてしまいました
あさぎ
恋愛
ちょっとオタクな吉住瞳子(よしずみとうこ)は漫画やゲームが大好き。ある日、漫画動画を創作している友人から意外なお願いをされ引き受けると、なぜか会社のイケメン上司・小野田主任が現れびっくり。友人のお願いにうまく応えることができない瞳子を主任が手ずから教えこんでいく。
「だんだんいやらしくなってきたな」「お前の声、すごくそそられる……」主任の手が止まらない。まさかこんな練習になるなんて。瞳子はどこまでも甘く淫らにとかされていく
※※※〈本編12話+番外編1話〉※※※
婚約者の心の声を知りたいと流れ星に願ったら叶ってしまった
仲室日月奈
恋愛
辺境伯の娘レティシアの婚約者は「寡黙な貴公子」として有名なエリオル。
会話が続かないエリオルとの将来に一抹の不安を抱える中、流れ星に願い事をしたら、彼の心の声が自分にだけ聞こえるように。無表情の裏で、レティシアに純粋な好意を寄せる心の声の数々に驚く日々。
婚約者を見る目が変わった流星群の夜から、二人の関係は少しずつ変化していく。
黒の神官と夜のお世話役
苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました
完結*三年も付き合った恋人に、家柄を理由に騙されて捨てられたのに、名家の婚約者のいる御曹司から溺愛されました。
恩田璃星
恋愛
清永凛(きよなが りん)は平日はごく普通のOL、土日のいずれかは交通整理の副業に励む働き者。
副業先の上司である夏目仁希(なつめ にき)から、会う度に嫌味を言われたって気にしたことなどなかった。
なぜなら、凛には付き合って三年になる恋人がいるからだ。
しかし、そろそろプロポーズされるかも?と期待していたある日、彼から一方的に別れを告げられてしまいー!?
それを機に、凛の運命は思いも寄らない方向に引っ張られていく。
果たして凛は、両親のように、愛の溢れる家庭を築けるのか!?
*この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
*不定期更新になることがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる