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ひとつに ★

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 立て続けに激しい快楽を受け止めて、シェイラは息も絶え絶えにシーツに倒れ込む。休ませてほしいのに、イーヴの指はそれを許さないとでもいうように、まだシェイラの身体の中に埋め込まれたままだ。緩やかに動かされる指の動きすら鮮明に感じ取ってしまい、一度発散したはずの熱がまたぶり返すように燃え上がる。もっと強い刺激が欲しくてたまらない。
「少し解れてきたか」
「ん……もう、大丈夫だからイーヴ、早く……」
「いや、まだだ。もっと解さないと」
 首を振るイーヴの手を止めて、シェイラはその頬に触れて引き寄せた。そしてそのまま唇を重ねる。
「もう、指じゃ足りないの。私の中を、イーヴでいっぱいにして」
「……っ」
 驚いたようにぴくりと震えたイーヴに笑いかけて、シェイラは彼の寝衣へと手を伸ばす。いつもはボタンひとつ外すことのない彼だけど、今夜は抵抗することなくシェイラが脱がせていくのを見守っている。
 少しずつあらわになる肌に口づけをしながら、シェイラは脱がせた寝衣を床に落とした。
 一度だけ目にしたことのある引き締まった身体は、やはり美しい。ごつごつとしているのに触れると柔らかくて、思わず頬を擦り寄せてしまう。しっとりと汗ばんだ肌は、彼も興奮していることをあらわしているのだろうか。
 次いで下穿きに手を伸ばしたら、そちらは自分で脱ぐからと止められてしまった。
 どきどきと高鳴る鼓動を感じつつ見守るシェイラの前で、イーヴがゆっくりと下穿きを脱いでいく。
「……そんなに、見ないでくれ」
「イーヴは、ずっと私を見ていたのに?」
「そうだけど」
 照れたように笑いながら脱いだ服を床に落としたイーヴが、シェイラに覆い被さる。彼の身体の中心で存在感を主張しているものは、想像していたよりもずっと大きくて目を離すことができない。
 臍につくほどに反り返った太く長いものは、まるで凶器だ。あれを身体の中に受け入れるのかと思うと、シェイラは知らずごくりと唾を飲み込んでいた。
「本で読んだのと同じ……」
「どんな風に書かれてたのか知らんが、比べないでくれ」
「イーヴの方が、ずっと大きいですよ」
 触ってもいい? と尋ねると、少し躊躇ったような表情で、イーヴが小さくうなずいた。
 恐る恐る手を伸ばして握った瞬間、手の中でそれはぴくりと震え、更にその硬度と質量を増した。
「すごい……これが本当に、入るの」
「怖くなったか」
 気遣うようなイーヴの声に、シェイラは首を振る。
「大丈夫。もう早く……欲しい、です」
「ゆっくり……な。少しずつ慣らしていこう」
 少し上ずった声でそう言って、イーヴがそっとシェイラの身体をシーツの上に横たえる。緊張にこくりと息をのんだのに小さく笑って、なだめるような口づけが降ってきた。
「なるべく身体の力を抜いて。息は止めないで」
 指示に従って、シェイラは深く呼吸をして手足の力を抜こうと努力する。イーヴがシェイラの脚を割り開くと、その中央に自身のものを押し当てた。少し躊躇うような表情で見下ろされて、シェイラは笑みを浮かべてみせる。
「大丈夫です。イーヴとひとつになれるなら、怖くない」
「シェイラ……っ」
 掠れた声で名前を呼んで、イーヴがゆっくりと腰を押し進めた。引き裂かれるような痛みと共に、彼が中に入ってくるのが分かる。あふれるほどの蜜が絡んでイーヴの侵入を助けるけれど、そのあまりの太さにシェイラの身体は今にも裂けてしまいそうだ。
「痛い、よな。大丈夫か」
「平気です。イーヴは? 苦しくない?」
「俺は……むしろ気持ちよくて死にそうだ」
「ふふ、それなら良かったです。いつもイーヴには気持ち良くしてもらってばかりだったから、お返しができて嬉し……って、んんっなんかまた大きく……っ?」
「シェイラがそんな可愛いことを言うのが悪い。頼むから自重してくれ」
「そんなこと、言ったって……っ」
 イーヴが胎内でぐんと質量を増したせいで息苦しさに悲鳴を上げつつも、身体が慣れてきたのか痛みは少しずつ落ち着いてきた。だけど、ふと視線を下に向ければ、まだ全体の半分も入りきっていないことが分かる。
「もっと奥まで、きて……イーヴ」
「だからそういうことを言うとな……」
 困ったようにため息をつきつつ、イーヴが少しずつ腰を押しつける。だけど半分ほどを飲み込んだところでイーヴは動きを止めてしまった。
「イーヴ?」
「これ以上は……無理だ。シェイラを壊してしまう」
「でも」
「体格差を考えれば仕方ないことだ。これでも俺は十分に気持ちがいいし、幸せだから」
 ゆるゆると腰を動かされて、シェイラは思わず身体を震わせる。確かに身体の奥に当たっているような感覚がして、それ以上を受け入れることはできなさそうだ。大丈夫だと言いたいけれど、身体を突き破られるような恐怖からそれを口に出すことができない。
「ここまで受け入れてくれただけでも、本当に幸せなんだ」
 ありがとうと耳元で囁かれて、シェイラの瞳に涙が浮かぶ。イーヴとひとつになれた喜びと、もっと奥まで受け入れることのできない不甲斐なさの入り混じった複雑な涙は、頬を滑り落ちてシーツにいくつもの染みを作った。
「あぁもう、泣くなシェイラ。これから番いの証を刻むんだから。シェイラにはいつだってずっと笑っていてほしい」
「うん……」
 指先で涙を拭われて、その優しさにシェイラは泣き笑いの表情を浮かべる。すんと鼻をすすって、シェイラは口角を上げた。
「おいで、シェイラ」
 繋がったまま、イーヴがシェイラの身体を抱き起こす。ゆっくりと向かい合って座るような体勢になって、シェイラはイーヴの顔を見上げた。目が合うと金の瞳が愛おしそうに細められて、それだけでうっとりするほどに幸せな気持ちになる。
「ここに、番いの証を刻む」
「ん、分かった」
 最終確認をするような視線にうなずくと、肩にかかった髪をそっと払ってイーヴがシェイラの左の首筋に触れた。指先が撫でるだけで身体が勝手に跳ねるほどに敏感になっていて、シェイラはそれを堪えるようにイーヴの腕に強く掴まった。
「愛してる、シェイラ。俺の、唯一」
 囁いたイーヴが一度強く吸いついたあと、ゆっくりとシェイラの首筋に噛みついた。
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