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あふれるほどの
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「……もしかして、誰かから話を聞いたのか」
耳元で聞こえる声は、どこか苦しげだ。名前を出さなくても、それがソフィのことを指しているのはシェイラにも分かった。隠していた過去を暴かれ、大切にあたためていた想いを晒されることになって、イーヴに申し訳なくなる。
「写真を、見たの。書庫で、イーヴと……ソフィさんの」
「あぁ、それで。ルベリアが話したのか」
「ううん、私が無理を言ってルベリアから聞き出したの。イーヴは、今もソフィさんのことが忘れられないんでしょう。ごめんなさい、私、イーヴの気持ちも知らずに色々と我儘を言ってしまって」
もうそんなことはしないからと言おうとした言葉は、さらに強く抱きしめられたことで消えてしまった。
痛いほどの強さで抱きしめながら、イーヴはシェイラの耳元に震える吐息を落とした。
「……ごめん、最初から説明しておけばよかったな。隠すつもりはなかったんだけど。確かに俺は、ソフィのことを今も忘れられない。でもそれは、シェイラが思うようなことではないんだ」
「どういう、こと?」
ぽつりとつぶやくと、イーヴが少し腕を緩めてシェイラの顔をのぞき込む。頬に残る涙の痕を指先で拭うと、どこか泣き出しそうな儚い笑みを浮かべた。
「シェイラがそうだったように、ソフィも竜族に喰われるつもりでドレージアにやってきた。彼女は俺を含めた竜族のことを酷く怖がっていたけれど、俺はそれに気づけなくて。無理に接触を繰り返した結果、ソフィの心を壊してしまった。その結果、あの子は……」
言葉を切って、イーヴは唇を噛む。その顔に滲むのは、深い後悔の色。
「シェイラも同じように俺に怯えたらどうしようと、怖くてたまらなかった。だけど、シェイラは俺を怖がるどころか竜の姿さえ好きだと言ってくれた。そのことに、俺がどれほど救われたか」
耳元でほとんど吐息のような声で囁かれたのは、ありがとうという言葉。どう返せばいいのか分からず黙ったままのシェイラの顔を見て、イーヴは微かな笑みを浮かべた。
「ずっと抑えてきたけど、俺が本当に夫婦となりたい相手はシェイラしかいない」
「でも、ソフィさんは……」
「あの子のことも大切には思っていたけど、シェイラに対するものとは全く違う。言うなれば……妹のような、そんな存在だったと思う」
つぶやきながら、イーヴの手がシェイラの頬に触れる。いつの間にか涙は止まっていて、目尻に残った雫が瞬きと共にこぼれ落ちた。赤く腫れた目蓋を労わるように撫でてイーヴは小さく息を吐く。
「シェイラのことは、誰にも渡したくない。ずっと俺のそばで笑っていてほしいんだ。形だけの花嫁に満足していないのは、俺の方だ」
イーヴの指が頬を伝い、耳を掠めて髪を撫でた。するりと指先に髪を絡められて、急に距離が近づいたような気になる。
「辛い生い立ちなのに、シェイラはいつだって明るくまっすぐで。嬉しそうな笑顔が可愛くて、シェイラが笑ってくれるなら何でもしてやりたいと思った。この顔を怖がらないどころか、竜の姿さえ綺麗だと褒めてくれて、本当に嬉しかった。ずっとそばにいたいと、そう思った相手なんてシェイラしかいない」
指先で何度も髪を優しく梳きながら、イーヴはあふれるほどの想いを告げてくれる。降り注ぐその言葉に、シェイラはこれまでとは違う意味の涙が浮かぶのを感じた。
だけど、突然イーヴは髪を撫でる手を止めるとうつむいた。伏せられた顔は暗く、眉間には深い皺が刻まれている。
「……イーヴ?」
掠れた声で呼びかけると、彼はゆっくりと顔を上げた。その表情は、泣き出しそうにも見える。
「シェイラのことを大切に想ってる。だけど、いつかシェイラが離れていく日が来るのが怖いんだ」
きっとそれは、お互いの寿命の違いのことだろう。およそ千年の時を生きるイーヴから見れば、シェイラはあっという間に年をとってしまう。
シェイラは、すぐそばにあるイーヴの手にそっと触れた。ぴくりと一瞬震えてこちらを見る彼に、笑みを浮かべてみせる。
「あのね。この先私がどれくらい生きるかは分からないけど、私はその時間をイーヴと一緒に過ごせたらいいなと思ってます。いつかは別れがくることは避けられないけど、最期の時まで、イーヴのそばにいたい」
「シェイラ」
「イーヴのことが、好きなの。私が求めてるのは、家族のぬくもりじゃない。イーヴに、私だけを見てほしいの。私が生きている間だけでいいから、イーヴの時間を私にちょうだい」
こんなふうに自分の想いを誰かに告げることなんて生まれて初めてで、緊張で声が震える。だけどシェイラは願うようにまっすぐイーヴを見つめた。丸い月のような金の瞳が大きく見開かれ、次いでその表情がぐしゃりと歪む。
次の瞬間、シェイラの身体はイーヴに強く抱きしめられていた。包み込まれるようなぬくもりも、耳元に落ちる熱い吐息も、少し震える腕すら愛おしくてたまらない。同じようにイーヴの背に腕を回すと、抱きしめる腕がさらに強くなった。
「俺も、一人の女性としてシェイラが好きだ。もう手放したくない。ずっとそばにいてほしいと思う。だけどそれでシェイラは平気か?」
わずかに身体を離したイーヴが、シェイラの顔をのぞき込む。その表情はどこか不安げだ。
「イーヴが何を心配しているのか分からないけど、私だってずっとイーヴのそばにいたいと思ってます」
「俺は多分、シェイラが想像しているより重たい男だ。シェイラにはずっと目の届くところにいてほしいし、俺以外の男と話すことにだって嫉妬してしまう」
アルバンのところに通っていることすら少し不満なのだと告げられて、シェイラは思わず小さく笑った。
「イーヴが嫌なら、アルバンさんのとこへ行くのは控えますけど」
「いや、さすがにアルバンにまで嫉妬するのはどうかと思うからシェイラの好きにして構わないけど、それくらい面倒な男だってことだ。だから、嫌だと思うなら今この場で俺を拒絶してほしい」
抱きしめた腕を緩めて、イーヴがつぶやく。逃げてもいいのだと、選択肢を示してくれるのはイーヴの優しさだ。だけどもしもこの腕から抜け出たなら、二人の関係はこれまでと変わらない。そんなことを望んでいないシェイラは、自らイーヴに強く抱きついた。そして、耳元に唇を寄せる。普段なら身長差がありすぎて届かないけれど、ベッドに座ったこの状態なら彼の頭を抱き寄せることだってできる。
「それだけイーヴが私のことを想っていてくれるってことでしょう? 拒絶なんて、しないです。むしろ嬉しくて幸せでたまらないのに」
「そんなことを言ったら、もう二度と手放してやれないけど、本当にそれでいい?」
「イーヴがいらないって言ったって離れない。イーヴは、私が生まれて初めて心の底から欲しいと思った人なんです。重たいというなら、きっと私だって同じわ」
ぎゅうぎゅうと力を込めて抱きつくと、耳元でイーヴが小さく笑った。吐息まじりの笑い声が甘く響いて、シェイラの心の中にもあたたかいものが広がっていく。
「ありがとう、シェイラ。誰よりも愛しい、唯一の人」
囁いたイーヴが、そっとシェイラの頬に触れた。見下ろす金の瞳の中に映る自分の姿は、目の腫れた酷い顔をしているはずなのに、とても幸せそうに見える。
「どうか、俺を受け入れて」
願うようにつぶやいたイーヴが、ゆっくりと顔を近づけてくる。これはキスの合図に違いないと目を閉じたシェイラの額に、そっと柔らかなものが押し当てられる。
「……おでこ」
てっきり唇にもらえると思っていたのに、肩透かしをくらってシェイラは小さく唇を尖らせた。それを見たイーヴが、また小さく笑う。
「目を閉じてて、シェイラ」
「またおでこは、嫌です」
「ちゃんとするから。喋ってたら、できない」
「あっ」
その通りだなと慌てて目も口も閉じたら、近づいてくるイーヴの吐息が微かに頬に触れた。緊張で思わずぎゅうっと目を閉じた瞬間、唇にあたたかなものが触れた。一度目は躊躇いがちに、二度目は確認するようにそっと押しつけられたのは、間違いなくイーヴの唇。
それは、額にもらう口づけよりもずっと柔らかく、優しくて甘い。
これ以上幸せなものを知らないと思いながら、シェイラは何度も柔らかく触れるキスをうっとりと受け入れた。
耳元で聞こえる声は、どこか苦しげだ。名前を出さなくても、それがソフィのことを指しているのはシェイラにも分かった。隠していた過去を暴かれ、大切にあたためていた想いを晒されることになって、イーヴに申し訳なくなる。
「写真を、見たの。書庫で、イーヴと……ソフィさんの」
「あぁ、それで。ルベリアが話したのか」
「ううん、私が無理を言ってルベリアから聞き出したの。イーヴは、今もソフィさんのことが忘れられないんでしょう。ごめんなさい、私、イーヴの気持ちも知らずに色々と我儘を言ってしまって」
もうそんなことはしないからと言おうとした言葉は、さらに強く抱きしめられたことで消えてしまった。
痛いほどの強さで抱きしめながら、イーヴはシェイラの耳元に震える吐息を落とした。
「……ごめん、最初から説明しておけばよかったな。隠すつもりはなかったんだけど。確かに俺は、ソフィのことを今も忘れられない。でもそれは、シェイラが思うようなことではないんだ」
「どういう、こと?」
ぽつりとつぶやくと、イーヴが少し腕を緩めてシェイラの顔をのぞき込む。頬に残る涙の痕を指先で拭うと、どこか泣き出しそうな儚い笑みを浮かべた。
「シェイラがそうだったように、ソフィも竜族に喰われるつもりでドレージアにやってきた。彼女は俺を含めた竜族のことを酷く怖がっていたけれど、俺はそれに気づけなくて。無理に接触を繰り返した結果、ソフィの心を壊してしまった。その結果、あの子は……」
言葉を切って、イーヴは唇を噛む。その顔に滲むのは、深い後悔の色。
「シェイラも同じように俺に怯えたらどうしようと、怖くてたまらなかった。だけど、シェイラは俺を怖がるどころか竜の姿さえ好きだと言ってくれた。そのことに、俺がどれほど救われたか」
耳元でほとんど吐息のような声で囁かれたのは、ありがとうという言葉。どう返せばいいのか分からず黙ったままのシェイラの顔を見て、イーヴは微かな笑みを浮かべた。
「ずっと抑えてきたけど、俺が本当に夫婦となりたい相手はシェイラしかいない」
「でも、ソフィさんは……」
「あの子のことも大切には思っていたけど、シェイラに対するものとは全く違う。言うなれば……妹のような、そんな存在だったと思う」
つぶやきながら、イーヴの手がシェイラの頬に触れる。いつの間にか涙は止まっていて、目尻に残った雫が瞬きと共にこぼれ落ちた。赤く腫れた目蓋を労わるように撫でてイーヴは小さく息を吐く。
「シェイラのことは、誰にも渡したくない。ずっと俺のそばで笑っていてほしいんだ。形だけの花嫁に満足していないのは、俺の方だ」
イーヴの指が頬を伝い、耳を掠めて髪を撫でた。するりと指先に髪を絡められて、急に距離が近づいたような気になる。
「辛い生い立ちなのに、シェイラはいつだって明るくまっすぐで。嬉しそうな笑顔が可愛くて、シェイラが笑ってくれるなら何でもしてやりたいと思った。この顔を怖がらないどころか、竜の姿さえ綺麗だと褒めてくれて、本当に嬉しかった。ずっとそばにいたいと、そう思った相手なんてシェイラしかいない」
指先で何度も髪を優しく梳きながら、イーヴはあふれるほどの想いを告げてくれる。降り注ぐその言葉に、シェイラはこれまでとは違う意味の涙が浮かぶのを感じた。
だけど、突然イーヴは髪を撫でる手を止めるとうつむいた。伏せられた顔は暗く、眉間には深い皺が刻まれている。
「……イーヴ?」
掠れた声で呼びかけると、彼はゆっくりと顔を上げた。その表情は、泣き出しそうにも見える。
「シェイラのことを大切に想ってる。だけど、いつかシェイラが離れていく日が来るのが怖いんだ」
きっとそれは、お互いの寿命の違いのことだろう。およそ千年の時を生きるイーヴから見れば、シェイラはあっという間に年をとってしまう。
シェイラは、すぐそばにあるイーヴの手にそっと触れた。ぴくりと一瞬震えてこちらを見る彼に、笑みを浮かべてみせる。
「あのね。この先私がどれくらい生きるかは分からないけど、私はその時間をイーヴと一緒に過ごせたらいいなと思ってます。いつかは別れがくることは避けられないけど、最期の時まで、イーヴのそばにいたい」
「シェイラ」
「イーヴのことが、好きなの。私が求めてるのは、家族のぬくもりじゃない。イーヴに、私だけを見てほしいの。私が生きている間だけでいいから、イーヴの時間を私にちょうだい」
こんなふうに自分の想いを誰かに告げることなんて生まれて初めてで、緊張で声が震える。だけどシェイラは願うようにまっすぐイーヴを見つめた。丸い月のような金の瞳が大きく見開かれ、次いでその表情がぐしゃりと歪む。
次の瞬間、シェイラの身体はイーヴに強く抱きしめられていた。包み込まれるようなぬくもりも、耳元に落ちる熱い吐息も、少し震える腕すら愛おしくてたまらない。同じようにイーヴの背に腕を回すと、抱きしめる腕がさらに強くなった。
「俺も、一人の女性としてシェイラが好きだ。もう手放したくない。ずっとそばにいてほしいと思う。だけどそれでシェイラは平気か?」
わずかに身体を離したイーヴが、シェイラの顔をのぞき込む。その表情はどこか不安げだ。
「イーヴが何を心配しているのか分からないけど、私だってずっとイーヴのそばにいたいと思ってます」
「俺は多分、シェイラが想像しているより重たい男だ。シェイラにはずっと目の届くところにいてほしいし、俺以外の男と話すことにだって嫉妬してしまう」
アルバンのところに通っていることすら少し不満なのだと告げられて、シェイラは思わず小さく笑った。
「イーヴが嫌なら、アルバンさんのとこへ行くのは控えますけど」
「いや、さすがにアルバンにまで嫉妬するのはどうかと思うからシェイラの好きにして構わないけど、それくらい面倒な男だってことだ。だから、嫌だと思うなら今この場で俺を拒絶してほしい」
抱きしめた腕を緩めて、イーヴがつぶやく。逃げてもいいのだと、選択肢を示してくれるのはイーヴの優しさだ。だけどもしもこの腕から抜け出たなら、二人の関係はこれまでと変わらない。そんなことを望んでいないシェイラは、自らイーヴに強く抱きついた。そして、耳元に唇を寄せる。普段なら身長差がありすぎて届かないけれど、ベッドに座ったこの状態なら彼の頭を抱き寄せることだってできる。
「それだけイーヴが私のことを想っていてくれるってことでしょう? 拒絶なんて、しないです。むしろ嬉しくて幸せでたまらないのに」
「そんなことを言ったら、もう二度と手放してやれないけど、本当にそれでいい?」
「イーヴがいらないって言ったって離れない。イーヴは、私が生まれて初めて心の底から欲しいと思った人なんです。重たいというなら、きっと私だって同じわ」
ぎゅうぎゅうと力を込めて抱きつくと、耳元でイーヴが小さく笑った。吐息まじりの笑い声が甘く響いて、シェイラの心の中にもあたたかいものが広がっていく。
「ありがとう、シェイラ。誰よりも愛しい、唯一の人」
囁いたイーヴが、そっとシェイラの頬に触れた。見下ろす金の瞳の中に映る自分の姿は、目の腫れた酷い顔をしているはずなのに、とても幸せそうに見える。
「どうか、俺を受け入れて」
願うようにつぶやいたイーヴが、ゆっくりと顔を近づけてくる。これはキスの合図に違いないと目を閉じたシェイラの額に、そっと柔らかなものが押し当てられる。
「……おでこ」
てっきり唇にもらえると思っていたのに、肩透かしをくらってシェイラは小さく唇を尖らせた。それを見たイーヴが、また小さく笑う。
「目を閉じてて、シェイラ」
「またおでこは、嫌です」
「ちゃんとするから。喋ってたら、できない」
「あっ」
その通りだなと慌てて目も口も閉じたら、近づいてくるイーヴの吐息が微かに頬に触れた。緊張で思わずぎゅうっと目を閉じた瞬間、唇にあたたかなものが触れた。一度目は躊躇いがちに、二度目は確認するようにそっと押しつけられたのは、間違いなくイーヴの唇。
それは、額にもらう口づけよりもずっと柔らかく、優しくて甘い。
これ以上幸せなものを知らないと思いながら、シェイラは何度も柔らかく触れるキスをうっとりと受け入れた。
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