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4 酔った時って本性出るって言うよね。

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 箱の中からあらわれたのは、真っ赤な下着。サンタコスチュームの下着なのだから当然なのかもしれないけれど、白いファーもところどころにあしらわれているそれは、商品名の通りスケスケだ。
 薄くて華奢で、ホールド力ゼロの真っ赤なブラと、チュール素材のミニスカート……に一体化したショーツ。
 ヒイラギのモチーフがついたチョーカーまでついていて、見た目だけなら可愛らしい。めちゃくちゃ薄いけれど。
「めっちゃクリスマス……」
 思わずつぶやくと、貴士もうなずく。そして美梨を見つめてにっこりと笑った。
「美梨、似合うと思うな。せっかくだし着てみてよ」
「え、無理無理無理! 見せるだけって言ったじゃん!」
「せっかく買ったのに、使わないともったいないでしょ」 
「そんなことないって、ほら、酔った勢いの買い物はだめだって、勉強代だと思えば……っ」
 慌てて首を振る美梨に、貴士は笑顔でどんどん詰め寄ってくる。狭いベッドの上に逃げ場などなくて、あっという間に壁際に追い詰められしまった。
「酔った時ってさ、本性出るっていうじゃん。美梨がこれを選んだってことはさ、きっとこれ着てみたかったんだよ」
 するりと美梨の髪を一房掬い上げながら、貴士が笑う。その表情はいつもより妖艶に見えて目が逸らせない。
「清楚なイメージだった美梨が、こんなの着てみたい願望秘めてたなんて、めちゃくちゃ興奮するんだけど」
「そんな……こと、」
 否定したいけど、確かに美梨はこの下着を購入する時に頭のどこかで貴士のことを思い浮かべていたのだ。まだ付き合ってもいない相手なのに、この下着を着て迫ったら彼はどんな顔をするだろうか……なんてことを。
 そんな心の内を読み取ったのか、貴士は笑みを浮かべたまま美梨の顔をのぞき込んだ。 
「絶対可愛いと思う。着たとこ、見たいな」
「でも、だって、最初からこんなの着てするなんて」
 甘い囁きにうなずきかけて、美梨は慌てて首を振る。さっきお互いの想いを確認しあったばかりで、これから初めてエッチをするというのに、セクシーランジェリー(しかもサンタコス)で臨むのはどうかと思う。
 どうせなら、お気に入りの下着の方がいいのに。
 美梨の言葉を止めるように、貴士はそっと唇に指先を押し当てた。 
「可愛くてセクシーな俺だけのサンタが来たって、一生忘れられない思い出になる」
「……っ」
 至近距離の微笑みと囁き声に心を撃ち抜かれて、気づけば美梨はしっかりとうなずいていた。
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