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「ステラ、いいかな?」
囁いたエリオスが、そっとステラを抱き上げた。今度はステラもうなずいて、それに身を任せる。
ベッドに降ろされて、エリオスが上から覆い被さった。
「いつだって俺は、魔力のためにステラを抱いていたわけじゃないよ。本当に魔力のためだけなら、さっさと済ませる。だけど、少しでも長くステラと一緒にいたくて、許された時間ギリギリまで、きみを抱いていたかった」
シーツの上に広がる金の髪を掬い上げて、愛おしげに指を絡めながらエリオスが笑う。
いつだって、彼がステラに触れる手は優しくて、見つめる瞳も囁く言葉も、本当に愛されているのではないかと思うほどに甘くて。
たった一晩の夢だと思っていたものを、これから先も手にすることができるのだろうか。
「明日も、明後日も、こうしてそばにいて、笑ってくれる?」
ステラの言葉に、エリオスは大きくうなずいた。
「もちろん。これからは、毎日だってステラをこうして愛させて」
「え、あ、毎日は……その、体力が」
戸惑って、ステラは小さく首を振る。年に一度とはいえ、エリオスに抱かれたあとはベッドから起き上がれないほどに消耗するのだ。あれを毎日だと、さすがにステラも身体がもたない。
ステラの言葉に、エリオスは思わずといった様子でふきだした。
「そうだね、ステラに無理させないように、努力する。でも今夜は、離さないけどね」
優しく降ってきた口づけに、ステラも笑いながら応える。
「ステラ、愛してる。俺の愛しいひと」
キスの合間に何度も甘く囁かれて、ステラの瞳からはまた涙がこぼれ落ちる。今までも快楽のせいだと言い訳をして、何度も切ない涙はこぼしたけれど、嬉しさで流す涙は今日が初めてだ。
「私も愛してるわ、エリオス」
ステラの返事に、エリオスが嬉しそうに笑った。
幾度も口づけを落としながら、エリオスの指がステラのブラウスのボタンを外していく。毎年繰り返された行為のはずなのに、まるで初めてのように胸が高鳴る。
あっという間に下着まで取り去ったエリオスは、ステラの胸にそっと顔を寄せた。そのまま何度も強く吸いつかれて、思わず声が漏れた。
「ん、っ……」
彼に与えられるものなら、痛みすら愛おしい。
そう思いながらステラは、胸にいくつもの痕を刻んでいくエリオスの頭を抱きしめた。
ステラの胸に散らばる赤い痕を確かめるように撫でて、エリオスは満足そうに笑う。
「しばらく胸の開いた服は着られないね、ステラ」
「見えるところは、困るのに」
少し拗ねてみせると、エリオスは笑ってもう一つ、赤い痕を残した。
「ステラが俺のものだというしるしだからさ、いくつでもつけたくなるんだ」
「じゃあ、私にもつけさせて」
「もちろん、大歓迎だよ」
対抗するように言ってみたものの、嬉しそうに受け入れられて、ステラは思わず笑う。
「じゃあ、……ここに」
ステラは囁いてエリオスを抱き寄せると、首筋に唇を押し当てた。
ローブで隠れるかどうか微妙な位置だけど、その赤い痕を見ると独占欲が満たされて嬉しくなる。
「もっとたくさん、つけてくれてもいいけど?」
例えばここに、と言いながらエリオスが服を脱いで胸元を指差すから、ステラは赤くなって首を振った。
「……っ、これだけで充分よ」
「残念だな。ステラになら、どれだけつけられても嬉しいのに」
くすくすと笑いながら、エリオスは唇に一度口づけを落としたあと、そっと耳元に顔を寄せる。
「じゃあ、約束通り、たくさん気持ちよくしてあげるね」
囁いたエリオスは、返事を待たずにステラの脚を大きく広げた。
「や、あぁ……っ」
蜜をこぼすその場所に口づけられて、ステラは思わず悲鳴をあげる。柔らかな舌が敏感な場所を何度も刺激するから、それだけで達してしまいそうになる。
「だめ、エリオス……、そこは……っ」
「気持ちいい?ステラ」
「や……っ、だめ、イっちゃ……」
「いいよ、今夜は何度でもイかせてあげるから」
そう言って強く花芽を吸われて、ステラは悲鳴をあげて身体を大きく震わせた。
囁いたエリオスが、そっとステラを抱き上げた。今度はステラもうなずいて、それに身を任せる。
ベッドに降ろされて、エリオスが上から覆い被さった。
「いつだって俺は、魔力のためにステラを抱いていたわけじゃないよ。本当に魔力のためだけなら、さっさと済ませる。だけど、少しでも長くステラと一緒にいたくて、許された時間ギリギリまで、きみを抱いていたかった」
シーツの上に広がる金の髪を掬い上げて、愛おしげに指を絡めながらエリオスが笑う。
いつだって、彼がステラに触れる手は優しくて、見つめる瞳も囁く言葉も、本当に愛されているのではないかと思うほどに甘くて。
たった一晩の夢だと思っていたものを、これから先も手にすることができるのだろうか。
「明日も、明後日も、こうしてそばにいて、笑ってくれる?」
ステラの言葉に、エリオスは大きくうなずいた。
「もちろん。これからは、毎日だってステラをこうして愛させて」
「え、あ、毎日は……その、体力が」
戸惑って、ステラは小さく首を振る。年に一度とはいえ、エリオスに抱かれたあとはベッドから起き上がれないほどに消耗するのだ。あれを毎日だと、さすがにステラも身体がもたない。
ステラの言葉に、エリオスは思わずといった様子でふきだした。
「そうだね、ステラに無理させないように、努力する。でも今夜は、離さないけどね」
優しく降ってきた口づけに、ステラも笑いながら応える。
「ステラ、愛してる。俺の愛しいひと」
キスの合間に何度も甘く囁かれて、ステラの瞳からはまた涙がこぼれ落ちる。今までも快楽のせいだと言い訳をして、何度も切ない涙はこぼしたけれど、嬉しさで流す涙は今日が初めてだ。
「私も愛してるわ、エリオス」
ステラの返事に、エリオスが嬉しそうに笑った。
幾度も口づけを落としながら、エリオスの指がステラのブラウスのボタンを外していく。毎年繰り返された行為のはずなのに、まるで初めてのように胸が高鳴る。
あっという間に下着まで取り去ったエリオスは、ステラの胸にそっと顔を寄せた。そのまま何度も強く吸いつかれて、思わず声が漏れた。
「ん、っ……」
彼に与えられるものなら、痛みすら愛おしい。
そう思いながらステラは、胸にいくつもの痕を刻んでいくエリオスの頭を抱きしめた。
ステラの胸に散らばる赤い痕を確かめるように撫でて、エリオスは満足そうに笑う。
「しばらく胸の開いた服は着られないね、ステラ」
「見えるところは、困るのに」
少し拗ねてみせると、エリオスは笑ってもう一つ、赤い痕を残した。
「ステラが俺のものだというしるしだからさ、いくつでもつけたくなるんだ」
「じゃあ、私にもつけさせて」
「もちろん、大歓迎だよ」
対抗するように言ってみたものの、嬉しそうに受け入れられて、ステラは思わず笑う。
「じゃあ、……ここに」
ステラは囁いてエリオスを抱き寄せると、首筋に唇を押し当てた。
ローブで隠れるかどうか微妙な位置だけど、その赤い痕を見ると独占欲が満たされて嬉しくなる。
「もっとたくさん、つけてくれてもいいけど?」
例えばここに、と言いながらエリオスが服を脱いで胸元を指差すから、ステラは赤くなって首を振った。
「……っ、これだけで充分よ」
「残念だな。ステラになら、どれだけつけられても嬉しいのに」
くすくすと笑いながら、エリオスは唇に一度口づけを落としたあと、そっと耳元に顔を寄せる。
「じゃあ、約束通り、たくさん気持ちよくしてあげるね」
囁いたエリオスは、返事を待たずにステラの脚を大きく広げた。
「や、あぁ……っ」
蜜をこぼすその場所に口づけられて、ステラは思わず悲鳴をあげる。柔らかな舌が敏感な場所を何度も刺激するから、それだけで達してしまいそうになる。
「だめ、エリオス……、そこは……っ」
「気持ちいい?ステラ」
「や……っ、だめ、イっちゃ……」
「いいよ、今夜は何度でもイかせてあげるから」
そう言って強く花芽を吸われて、ステラは悲鳴をあげて身体を大きく震わせた。
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