9 / 35
9 人として生まれた神様
しおりを挟む
「 あんた!勇者様になんて事言ってんのよ!!
役立たずの荷物番の分際で!! 」
アイリーンがそう怒鳴ると、残りの三人も同様に " そーだ!そーだ! " と一斉に怒り出したが、俺はビシッとそいつらに指を指す。
「 ヒカリ君だけじゃないぞ!お前達も生活習慣が酷すぎる!
そんなんじゃ一人暮らしなんてできないからな。
せめてパンツくらい自分で洗え! 」
それができなきゃ全員オムツに変えるべし!
それには参ったらしく「 ────ふぐぅぅ!! 」と呻き声をあげてアイリーン達は崩れ去った。
要は俺のやっていることは、いわば保育園の先生みたいなもの。
つまり神様は……。
” 勇者達は保育園児だからよろしくね~ ”
────って事で俺をプレゼントしたに違いないと思っている。
フンっ!と満足気に鼻息を吹いてやったが、ヒカリ君だけは非常に不快そうな顔を見せ、そのまま黙っていなくなってしまった。
そうしてヒカリ君が去ってから、何と一週間。
全く音沙汰なし。
多次元ボックスには作り置きのおかずがどんどん増えていき、はぁ……とため息をついた。
「 ヒカリ君、大丈夫かな……
ご飯ちゃんと食べてるのかな。 」
また一つ豆腐の揚げ出し醤油漬けが完成し、それをお皿に盛ってボックスに入れると、ジト~とした目でアイリーンが睨みつけてきた。
「 あんたのせいでしょ!!
勇者様はねぇ~世界を救う救世主様なのよ!?
普通は ” 雑用をさせて頂きありがとうございます ” が正しいの! 」
「 そうよそうよぉ~。
そんな大変な宿命を背負って戦ってくれる勇者様に、もっと敬意を持ちなさいよ。
勇者様は完璧なんだから~。 」
アイリーンとメルクがそう言って文句を言ってきたが、俺は何とも言えぬ気持ちになる。
「 まぁ、確かにそりゃ~大変だと思うが……一応お前達も選ばれし戦士達ってやつなんだろ?
立場は同じ仲間なんじゃ……。 」
「 全然違うんだぜ~。あたい達はあくまでサポート。
あんなに強い勇者様と同じ立場なんて誰もなれないぜ。
めちゃくちゃカッコよくて強くて、もう最高に憧れるよなぁ~。
おっさんはホント失礼なヤツ。 」
「 そ、そういうもんか……。 」
要は絶対に手が届かないアイドル的な……?
そう思っていると、キュアが顔を赤らめ、ふぅ……とピンク色のため息をついた。
「 本当に勇者様はかっこいいですよね~。
全てが完璧で、誰もが彼とお近づきになりたいと思ってます。
もしも勇者様がハーレムを望むなら、私は喜んで立候補します。 」
キュアがコホンッ!と咳払いをしながらそう言えば、他の三人も私も!と全員が手を挙げる。
それを見ながら、ふむ……と、ヒカリ君の事を思い浮かべた。
確かにヒカリ君は完璧だと思う。(生活的な事以外)
強いし頭は良いし外見は絶世の美青年だし……。
それに俺が荷物番の時にモンスターに襲われないのも実はヒカリ君のお陰で、モンスターから見えなくする&攻撃を跳ね返してくれるなんちゃら魔法という凄いものを掛けてくれて感謝もしている。
でも────……。
フワフワと真っ先に浮かんでくるのは、あの不快感全開!な顔と態度のヒカリ君の姿。
何だか中身が全部出ている感じが、清々しいというか……まぁ個性的だよな~と思って、俺の中の記憶にドンッ!と居座ってしまった。
そしてその次に続けてフッと浮かんでくるのは、あの境界線の向こう側にいたヒカリ君の背中だ。
一体彼はどんな顔をしてるのかな……?
「 ……完璧ってそんなにいいもんかね~? 」
「 はぁぁぁ~??良いに決まってるでしょ!
一個もいいとこ無しおじさんだからって僻まないでよね! 」
「 中年の嫉妬は醜いわよぉ~。 」
「 おっさんは勇者様の全身の垢を飲んだ方がいいと思うぜ~。 」
あんまりな言い様に、俺は多次元ボックス内にあるこれから洗濯する洗濯物束の中から三人のパンツをスッ……と出して、ピラピラと振ってやった。
するとギャンっ!!と尻尾を踏まれた仔犬の様な声をあげて黙る。
全く~!と荒い鼻息を吹いてやると、キュアが今度はふぅ……と大きなため息をつく。
「 そもそもイシさんのご自慢の家事だって本当は勇者様には必要ないんですよ。
勇者様は生まれた時から食事も睡眠も必要としないそうですから。
まさに神が創し最高傑作……人として生まれた神と言っても過言ではない存在なのです。 」
「 えっ……。 」
” 生まれつきご飯も睡眠もいらない ”
そんな人間の定義をすっ飛ばしているヒカリ君にビックリして思わず口を閉じてしまった。
黙ってしまった俺に三人は競う様にヒカル君の情報を与えてくれる。
「 勇者様が生まれる前に神託が降りてね、生まれてすぐに神官様達の預かりとなったのよ。
それから力のセーブの仕方をひたすら学んだと聞いたわ。 」
「 勇者様のお母様は、勇者様を誕生させた偉大な存在として沢山の褒美を与えられて、現在は他の家族と共に幸せに暮らしているそうよぉ~。
毎日家族総出で勇者様に祈りを捧げているんですって。 」
「 毎日舞い込んでくるモンスター被害をアッサリと解決してくれて、全国に勇者様に助けられた人達が沢山いるんだ!
皆勇者様に感謝して毎日同じ様に祈るのが当たり前なんだぜ~。 」
「 そ、そうなのか……。 」
次々と聞かされるヒカリ君の今までの人生に、大きな衝撃を受けてしまった。
” 生まれて直ぐに親元から離されて、お母さんや他の家族は皆一緒に暮らしている ”
” 毎日毎日、モンスターを倒しに走り回り、休む暇なし ”
だって勇者は、食事も睡眠も必要ない人として生まれた神様だから
────────パチっ!
一度瞬きすると、意識はあの境界線がある場所に。
前回までは何もない場所に勇者の背中と線が引かれていただけだったが、今回は何故かその境界線が大きな溝になっていて、下は真っ暗で見えないほど深くなっていた。
相変わらずヒカリ君は背中をこっちに向けたままどんな顔をしてるかは分からない。
近づこうとした足を止めて、その背中をじっと見つめた。
役立たずの荷物番の分際で!! 」
アイリーンがそう怒鳴ると、残りの三人も同様に " そーだ!そーだ! " と一斉に怒り出したが、俺はビシッとそいつらに指を指す。
「 ヒカリ君だけじゃないぞ!お前達も生活習慣が酷すぎる!
そんなんじゃ一人暮らしなんてできないからな。
せめてパンツくらい自分で洗え! 」
それができなきゃ全員オムツに変えるべし!
それには参ったらしく「 ────ふぐぅぅ!! 」と呻き声をあげてアイリーン達は崩れ去った。
要は俺のやっていることは、いわば保育園の先生みたいなもの。
つまり神様は……。
” 勇者達は保育園児だからよろしくね~ ”
────って事で俺をプレゼントしたに違いないと思っている。
フンっ!と満足気に鼻息を吹いてやったが、ヒカリ君だけは非常に不快そうな顔を見せ、そのまま黙っていなくなってしまった。
そうしてヒカリ君が去ってから、何と一週間。
全く音沙汰なし。
多次元ボックスには作り置きのおかずがどんどん増えていき、はぁ……とため息をついた。
「 ヒカリ君、大丈夫かな……
ご飯ちゃんと食べてるのかな。 」
また一つ豆腐の揚げ出し醤油漬けが完成し、それをお皿に盛ってボックスに入れると、ジト~とした目でアイリーンが睨みつけてきた。
「 あんたのせいでしょ!!
勇者様はねぇ~世界を救う救世主様なのよ!?
普通は ” 雑用をさせて頂きありがとうございます ” が正しいの! 」
「 そうよそうよぉ~。
そんな大変な宿命を背負って戦ってくれる勇者様に、もっと敬意を持ちなさいよ。
勇者様は完璧なんだから~。 」
アイリーンとメルクがそう言って文句を言ってきたが、俺は何とも言えぬ気持ちになる。
「 まぁ、確かにそりゃ~大変だと思うが……一応お前達も選ばれし戦士達ってやつなんだろ?
立場は同じ仲間なんじゃ……。 」
「 全然違うんだぜ~。あたい達はあくまでサポート。
あんなに強い勇者様と同じ立場なんて誰もなれないぜ。
めちゃくちゃカッコよくて強くて、もう最高に憧れるよなぁ~。
おっさんはホント失礼なヤツ。 」
「 そ、そういうもんか……。 」
要は絶対に手が届かないアイドル的な……?
そう思っていると、キュアが顔を赤らめ、ふぅ……とピンク色のため息をついた。
「 本当に勇者様はかっこいいですよね~。
全てが完璧で、誰もが彼とお近づきになりたいと思ってます。
もしも勇者様がハーレムを望むなら、私は喜んで立候補します。 」
キュアがコホンッ!と咳払いをしながらそう言えば、他の三人も私も!と全員が手を挙げる。
それを見ながら、ふむ……と、ヒカリ君の事を思い浮かべた。
確かにヒカリ君は完璧だと思う。(生活的な事以外)
強いし頭は良いし外見は絶世の美青年だし……。
それに俺が荷物番の時にモンスターに襲われないのも実はヒカリ君のお陰で、モンスターから見えなくする&攻撃を跳ね返してくれるなんちゃら魔法という凄いものを掛けてくれて感謝もしている。
でも────……。
フワフワと真っ先に浮かんでくるのは、あの不快感全開!な顔と態度のヒカリ君の姿。
何だか中身が全部出ている感じが、清々しいというか……まぁ個性的だよな~と思って、俺の中の記憶にドンッ!と居座ってしまった。
そしてその次に続けてフッと浮かんでくるのは、あの境界線の向こう側にいたヒカリ君の背中だ。
一体彼はどんな顔をしてるのかな……?
「 ……完璧ってそんなにいいもんかね~? 」
「 はぁぁぁ~??良いに決まってるでしょ!
一個もいいとこ無しおじさんだからって僻まないでよね! 」
「 中年の嫉妬は醜いわよぉ~。 」
「 おっさんは勇者様の全身の垢を飲んだ方がいいと思うぜ~。 」
あんまりな言い様に、俺は多次元ボックス内にあるこれから洗濯する洗濯物束の中から三人のパンツをスッ……と出して、ピラピラと振ってやった。
するとギャンっ!!と尻尾を踏まれた仔犬の様な声をあげて黙る。
全く~!と荒い鼻息を吹いてやると、キュアが今度はふぅ……と大きなため息をつく。
「 そもそもイシさんのご自慢の家事だって本当は勇者様には必要ないんですよ。
勇者様は生まれた時から食事も睡眠も必要としないそうですから。
まさに神が創し最高傑作……人として生まれた神と言っても過言ではない存在なのです。 」
「 えっ……。 」
” 生まれつきご飯も睡眠もいらない ”
そんな人間の定義をすっ飛ばしているヒカリ君にビックリして思わず口を閉じてしまった。
黙ってしまった俺に三人は競う様にヒカル君の情報を与えてくれる。
「 勇者様が生まれる前に神託が降りてね、生まれてすぐに神官様達の預かりとなったのよ。
それから力のセーブの仕方をひたすら学んだと聞いたわ。 」
「 勇者様のお母様は、勇者様を誕生させた偉大な存在として沢山の褒美を与えられて、現在は他の家族と共に幸せに暮らしているそうよぉ~。
毎日家族総出で勇者様に祈りを捧げているんですって。 」
「 毎日舞い込んでくるモンスター被害をアッサリと解決してくれて、全国に勇者様に助けられた人達が沢山いるんだ!
皆勇者様に感謝して毎日同じ様に祈るのが当たり前なんだぜ~。 」
「 そ、そうなのか……。 」
次々と聞かされるヒカリ君の今までの人生に、大きな衝撃を受けてしまった。
” 生まれて直ぐに親元から離されて、お母さんや他の家族は皆一緒に暮らしている ”
” 毎日毎日、モンスターを倒しに走り回り、休む暇なし ”
だって勇者は、食事も睡眠も必要ない人として生まれた神様だから
────────パチっ!
一度瞬きすると、意識はあの境界線がある場所に。
前回までは何もない場所に勇者の背中と線が引かれていただけだったが、今回は何故かその境界線が大きな溝になっていて、下は真っ暗で見えないほど深くなっていた。
相変わらずヒカリ君は背中をこっちに向けたままどんな顔をしてるかは分からない。
近づこうとした足を止めて、その背中をじっと見つめた。
86
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
地味で目立たない令嬢は悪役令嬢のお気に入り!憧れのお姉様を全力で守ります!
ユウ
ファンタジー
辺境地に住まう田舎貴族令嬢のジュリエットは平凡な少女でありながら領地を家族をこよなく愛していた。
社交デビューの為に王都にてとあるお邸に呼ばれるも。
そこは魔の巣窟で、吊るし上げにされる。
新参者を馬鹿にして大勢で影口を叩き苛めると言う陰湿なイベントの餌食にされてしまう。
そんなジュリエットに手を差し伸べてくれ令嬢がいた。
公爵令嬢のリーゼロッテ・ハイシュベルク。
高位貴族令嬢で雲の上の存在だった。
リーゼロッテに救われたジュリエットは数年後王都に訪れ、取り巻きの一人として迎えられるも。
悪い噂を流されたリーゼロッテを救う為にジュリエットは魔の巣窟の中で戦う事を決意した。
しかしその結果、とんでもない事態に発展するのだった。
お助けキャラに転生したのに主人公に嫌われているのはなんで!?
菟圃(うさぎはたけ)
BL
事故で死んで気がつけば俺はよく遊んでいた18禁BLゲームのお助けキャラに転生していた!
主人公の幼馴染で主人公に必要なものがあればお助けアイテムをくれたり、テストの範囲を教えてくれたりする何でも屋みたいなお助けキャラだ。
お助けキャラだから最後までストーリーを楽しめると思っていたのに…。
優しい主人公が悪役みたいになっていたり!?
なんでみんなストーリー通りに動いてくれないの!?
残酷な描写や、無理矢理の表現があります。
苦手な方はご注意ください。
偶に寝ぼけて2話同じ時間帯に投稿してる時があります。
その時は寝惚けてるんだと思って生暖かく見守ってください…
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
衝撃で前世の記憶がよみがえったよ!
推しのしあわせを応援するため、推しとBLゲームの主人公をくっつけようと頑張るたび、推しが物凄くふきげんになるのです……!
ゲームには全く登場しなかったもふもふ獣人と、騎士見習いの少年の、両片想いな、いちゃらぶもふもふなお話です。
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる