789 / 1,307
第二十三章
774 不戦勝は・・
しおりを挟む
( リーフ )
冒険者ランクがCなら、その彼はかなりの実力者に違いない。
俺とレオンもついこの間なったばかりなのだが、Eランクから上へ上がるにはかなりの実力が必要である。
そのせいでその辺りで止まってしまう者が多い中、それを越えてCランクまで登り詰めるとは・・レオンの婚約者さんは相当強い人だぞ~?
ーーーと、そこで浮かび上がる新たな疑問。
何故彼は12歳という低年齢、かつCランクという高い実力に高収入を得ているというのに娼館の見習い?をしているのか・・?
もしかして将来の夢が男娼さん・・とか?
その事に少々複雑な想いを抱いたが、とりあえず緊急性は高くない&怖い大人達が無理に従わせようとしても返り討ちのボッコボコにできる実力はある事にホッとする。
本人的には色々視野を広げたいと思っているのかも・・?
「 そ、そ、そ、そうなんだね。
じゃあ、彼は現在色々悩んでいる最中という事かな・・?
ま、まぁ、これからゆっくり自分の将来について考えていくつもりなんだろうけど、ちょっとまだ心配だね。
いくら強いとはいえ、まだ周りから影響されやすい時期だし、悪い大人が世の中にはわんさかいるからさ。 」
「 はい・・。
今は俺が一番と言ってはくれますが、いつも不安なんです・・。
誰もが欲しくてたまらない魅力溢れる美しい方なので、やっぱり他にもっと好きな人ができたらと思うと・・。
・・・まぁ、許しませんけど。 」
悲しげな様子で視線を下げた後、チラッと俺を見て薄暗い笑顔を見せるレオン。
やはり絶世の美少年という事もあって相当ライバルは多い様だ。
気持ちは分かる。分かるが・・・
「 レオン・・。悲しいけど選ばれなかったらあきらめなきゃ駄目だよ。
自分が選ばれなくても他の人が幸せにしてくれるなら ” ありがとう ” って気持ちを持たないと、相手は勿論自分も悲しいだろう? 」
そうそう。なんたってうちの子レオンは世界一!な、俺の大事な大事な英雄様だ。
そんな大事な英雄様が叶わぬ恋に苦しむのは苦しい。
それならスパッ!とその思いを断ち切って、レオンだけをちゃんと愛してくれる人を見つけて欲しいな!
そう願うのが親心ってもの。
逃した魚はダイヤエデン・フィッシュだぞ~?
・・と、会った事ないレオンの想い人さんに言ってやった、その時ーーー
ブワワワ~ッ!!!
レオンから麻痺効果つきの凄まじい殺気が発せられた!
ガターーン!!!
そのままレオンの上から転倒しそうになったが、レオンが見事にキャッチ!
転倒は免れたが、俺以外の皆は椅子から落ちて倒れ込んでしまった。
唯一動く目でレオンを見上げると、そこには完全なる無表情でめちゃくちゃお怒りのレオンの美しいお顔が。
レオンのお怒りスイッチ押しちゃった~押しちゃった~♬
・・これ何回目??
何とか動こうと必死に首に力を入れ、ウニウニと微細に動く俺を無表情で見下ろすレオン少年。
静かなる怒りを内に秘めしレオンは、不自然にペラペラと喋りだした。
「 俺、思うんですよ。
そもそも『 選択肢 』なんかが他にもあるからこう上手くいかないんだろうなって。
自由の代償ですよね。・・うっとおしい。
それがなくなればとても幸せで平和な世界になるーーーほら、例えば俺以外の ” 人 ” がいなければ俺だけですもんね?
選べるの。 」
動けない俺の鼻先を人差し指でスイスイ触り、” ・・ね? ” と同意を求めてくる・・いや、強制してくるレオンだが・・・
えええーー・・・俺、やだよ、そんな不戦勝みたいなの~。
ーーと思って気分はゲンナリ・・。
男が全員滅んでしまった世界でモテてもなんか嫌~
なら俺、男の人一杯の世界でモテないままがいいな!楽しい楽しい!
ここでもくっきりとレオンとの価値観の違いがクローズアップされギャフン!
とりあえず弱気なレオンは応援すべしと、俺は唯一動けるようになった首をキリンの様に振り、レオンの硬いお胸にガスガスッ!と容赦ない頭突きを食らわした。
「 レオン!!何を情けない事を言っているんだ!!
そんな、 ” しょうがないからこの人で~ ” で選ばれても悲しすぎるし、カッコ悪いぞ~?
男ならライバル達に正々堂々勝ってその座を勝ち取ろう!
そんなヘンテコな妄想する暇があるなら、俺と修行をもっと頑張って魅力を磨こうよ。 」
” カッコ悪い ”
その言葉にガガーーン!!とショックを受けたらしいレオン。
殺気が収まった所で俺の体は動くようになり、そして周りの子たちは全員ヨロヨロと起き上がり席についたのでホッと胸を撫で下ろす。
「 もっ・・申し訳ありません・・。
俺が間違っていました。
多くから俺を選んで貰う事に意味があるんですね。
そんな活用法もあるとは・・おもちゃの重要性を舐めていました。 」
「 そうそう、競うのは楽しい。
だから存分に競い合って楽しもう。
そしておもちゃを舐めては駄目だよ。汚いし間違って誤飲しては危ない。 」
冒険者ランクがCなら、その彼はかなりの実力者に違いない。
俺とレオンもついこの間なったばかりなのだが、Eランクから上へ上がるにはかなりの実力が必要である。
そのせいでその辺りで止まってしまう者が多い中、それを越えてCランクまで登り詰めるとは・・レオンの婚約者さんは相当強い人だぞ~?
ーーーと、そこで浮かび上がる新たな疑問。
何故彼は12歳という低年齢、かつCランクという高い実力に高収入を得ているというのに娼館の見習い?をしているのか・・?
もしかして将来の夢が男娼さん・・とか?
その事に少々複雑な想いを抱いたが、とりあえず緊急性は高くない&怖い大人達が無理に従わせようとしても返り討ちのボッコボコにできる実力はある事にホッとする。
本人的には色々視野を広げたいと思っているのかも・・?
「 そ、そ、そ、そうなんだね。
じゃあ、彼は現在色々悩んでいる最中という事かな・・?
ま、まぁ、これからゆっくり自分の将来について考えていくつもりなんだろうけど、ちょっとまだ心配だね。
いくら強いとはいえ、まだ周りから影響されやすい時期だし、悪い大人が世の中にはわんさかいるからさ。 」
「 はい・・。
今は俺が一番と言ってはくれますが、いつも不安なんです・・。
誰もが欲しくてたまらない魅力溢れる美しい方なので、やっぱり他にもっと好きな人ができたらと思うと・・。
・・・まぁ、許しませんけど。 」
悲しげな様子で視線を下げた後、チラッと俺を見て薄暗い笑顔を見せるレオン。
やはり絶世の美少年という事もあって相当ライバルは多い様だ。
気持ちは分かる。分かるが・・・
「 レオン・・。悲しいけど選ばれなかったらあきらめなきゃ駄目だよ。
自分が選ばれなくても他の人が幸せにしてくれるなら ” ありがとう ” って気持ちを持たないと、相手は勿論自分も悲しいだろう? 」
そうそう。なんたってうちの子レオンは世界一!な、俺の大事な大事な英雄様だ。
そんな大事な英雄様が叶わぬ恋に苦しむのは苦しい。
それならスパッ!とその思いを断ち切って、レオンだけをちゃんと愛してくれる人を見つけて欲しいな!
そう願うのが親心ってもの。
逃した魚はダイヤエデン・フィッシュだぞ~?
・・と、会った事ないレオンの想い人さんに言ってやった、その時ーーー
ブワワワ~ッ!!!
レオンから麻痺効果つきの凄まじい殺気が発せられた!
ガターーン!!!
そのままレオンの上から転倒しそうになったが、レオンが見事にキャッチ!
転倒は免れたが、俺以外の皆は椅子から落ちて倒れ込んでしまった。
唯一動く目でレオンを見上げると、そこには完全なる無表情でめちゃくちゃお怒りのレオンの美しいお顔が。
レオンのお怒りスイッチ押しちゃった~押しちゃった~♬
・・これ何回目??
何とか動こうと必死に首に力を入れ、ウニウニと微細に動く俺を無表情で見下ろすレオン少年。
静かなる怒りを内に秘めしレオンは、不自然にペラペラと喋りだした。
「 俺、思うんですよ。
そもそも『 選択肢 』なんかが他にもあるからこう上手くいかないんだろうなって。
自由の代償ですよね。・・うっとおしい。
それがなくなればとても幸せで平和な世界になるーーーほら、例えば俺以外の ” 人 ” がいなければ俺だけですもんね?
選べるの。 」
動けない俺の鼻先を人差し指でスイスイ触り、” ・・ね? ” と同意を求めてくる・・いや、強制してくるレオンだが・・・
えええーー・・・俺、やだよ、そんな不戦勝みたいなの~。
ーーと思って気分はゲンナリ・・。
男が全員滅んでしまった世界でモテてもなんか嫌~
なら俺、男の人一杯の世界でモテないままがいいな!楽しい楽しい!
ここでもくっきりとレオンとの価値観の違いがクローズアップされギャフン!
とりあえず弱気なレオンは応援すべしと、俺は唯一動けるようになった首をキリンの様に振り、レオンの硬いお胸にガスガスッ!と容赦ない頭突きを食らわした。
「 レオン!!何を情けない事を言っているんだ!!
そんな、 ” しょうがないからこの人で~ ” で選ばれても悲しすぎるし、カッコ悪いぞ~?
男ならライバル達に正々堂々勝ってその座を勝ち取ろう!
そんなヘンテコな妄想する暇があるなら、俺と修行をもっと頑張って魅力を磨こうよ。 」
” カッコ悪い ”
その言葉にガガーーン!!とショックを受けたらしいレオン。
殺気が収まった所で俺の体は動くようになり、そして周りの子たちは全員ヨロヨロと起き上がり席についたのでホッと胸を撫で下ろす。
「 もっ・・申し訳ありません・・。
俺が間違っていました。
多くから俺を選んで貰う事に意味があるんですね。
そんな活用法もあるとは・・おもちゃの重要性を舐めていました。 」
「 そうそう、競うのは楽しい。
だから存分に競い合って楽しもう。
そしておもちゃを舐めては駄目だよ。汚いし間違って誤飲しては危ない。 」
89
お気に入りに追加
1,988
あなたにおすすめの小説
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
六日の菖蒲
あこ
BL
突然一方的に別れを告げられた紫はその後、理由を目の当たりにする。
落ち込んで行く紫を見ていた萌葱は、図らずも自分と向き合う事になった。
▷ 王道?全寮制学園ものっぽい学園が舞台です。
▷ 同室の紫と萌葱を中心にその脇でアンチ王道な展開ですが、アンチの影は薄め(のはず)
▷ 身代わりにされてた受けが幸せになるまで、が目標。
▷ 見た目不良な萌葱は不良ではありません。見た目だけ。そして世話焼き(紫限定)です。
▷ 紫はのほほん健気な普通顔です。でも雰囲気補正でちょっと可愛く見えます。
▷ 章や作品タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではいただいたリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
満月に囚われる。
柴傘
BL
「僕は、彼と幸せになる」
俺にそう宣言した、想い人のアルフォンス。その横には、憎き第一王子が控えていた。
…あれ?そもそも俺は何故、こんなにも彼に執心していたのだろう。確かに彼を愛していた、それに嘘偽りはない。
だけど何故、俺はあんなことをしてまで彼を手に入れようとしたのだろうか。
そんな自覚をした瞬間、頭の中に勢い良く誰かの記憶が流れ込む。その中に、今この状況と良く似た事が起きている物語があった。
…あっ、俺悪役キャラじゃん!
そう思ったが時既に遅し、俺は第一王子の命令で友好国である獣人国ユースチスへ送られた。
そこで出会った王弟であるヴィンセントは、狼頭の獣人。一見恐ろしくも見える彼は、とても穏やかで気遣いが出来るいい人だった。俺たちはすっかり仲良くなり、日々を楽しく過ごしていく。
だけど次第に、友人であるヴィンスから目が離せなくなっていて…。
狼獣人王弟殿下×悪役キャラに転生した主人公。
8/13以降不定期更新。R-18描写のある話は*有り
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる