上 下
733 / 1,307
第二十一章

718 トラウマ根深い

しおりを挟む
( リーフ )

多分俺の今の気持ちは、母親が初めて息子のエチチ本を発見したときと一緒。

” まぁ~あの子も成長したもんね~! ” 

ーーーな~んて穏やかな気持ちを抱いたままペラっとページをめくった瞬間、目に写るのは・・


スーパーハード・ド鬼畜SMプレイ!!

あふれるほどの人数で入り乱れた大乱交!!

そして登場人物全てがガチムチチ~のゲイ本だった!!ーーーのと同じ感じぃ~?



好きなら別に良いけど、 せめてそこにいくまでワンテンポ置いて欲しかった・・ と思うやつ。

突然のテロの犯行予告の様な発言に加え、脅迫までしたレオンにびっくり仰天!


これは困ったな、どうしよう・・。


結構重要な局面に突然立たされ、俺はう~ん・・?と考え込む。

確かに毎日何かしらゴネてはいるが、ここまで酷い反抗は初めてで流石に戸惑いながらその原因を探った。


優しさ100%のレオンが本心でこんな事を言うはずない。

だから絶対何か原因がある。



う~ん、う~んと唸りながら考えている俺の視界に、フッ・・とドレスの裾が目に入りーー

ピンッ!ときた。


もしかして恥ずかしいから怒って誤魔化そうとしている・・?


これだ!と言える原因を見つけ、俺はニタリと笑った。


” 男の子なのにお人形遊びが好きなの、恥ずかしいな・・。”

” 引かれちゃったかな?気持ち悪いって思われた? ”


ーーーが根幹にあった中、ちょっと力の加減を間違えて即死ホールド!

死にかけた俺が ” いやいや~ ” したため、俺が気持ち悪がったと勘違いしてガガーーン!とショックを受ける。


” や、やっぱり気持ち悪いと思っていて・・だから嫌がった!? ”


ショックと恥ずかしさから、犯行予告からの~脅迫!



要はーーー


” 誰かにこのことを喋って俺のイメージを壊さないでくださいね?

じゃないと俺、恥ずかしくて死んじゃうから。 ”


ーーーって事かぁ~・・・



あ~・・・と、ありがちなパターンに大いに納得させられた。


正直人のちょっと変わった趣向など9割くらいの人間がへぇ~程度だが、(多分)本人にしては死活問題。

それにーーー・・


困った様に眉を下げ、レオンの悲しい過去を思い出す。


レオンは多分母親の件以降 ” 捨てられる ” という事に敏感なんじゃないかな・・?

その心情を考えるとしんみりとしてしまった。

実はあの死ぬほど気持ちいいマッサージもそれを恐れての回避策の一つなのかもと密かに思っている。


” 気持ちいい ” で役にたっている内は捨てられない。


そう考えてるんじゃないか思ったから、その不安な気持ちを利用したくなくて自分で洗おうとしたのに・・

あっという間にド修羅場だったよ。うん。


トラウマって根深い。


だから変わった趣向もきっと捨てられる可能性を生み出すと思って必死に隠そうとしている。


ジッと見つめてくるレオンをチラッと見た後、レオンが大好きな白いドレスを見下ろし、そのままドレスの裾をペロペロ~と捲って弄ぶと、レオンが猫じゃらしを見た猫の様にその裾をジッと凝視した。


その様子を見て本当にドレス好きなんだな~と思いながら、沢山の ” もしも ” を考えてみる。


もしもレオンがこれからドレスしか着ないって宣言してムキムキ女装しだしても

ブクブクに太っちゃってぽっちゃり英雄様になっても

カッパさん剥げになっちゃって髪の毛がなくなっても

ハードSMゲイプレイが大好きだと暴露されても

手とか足とか無くなって一人で動けなくなっても

目とか鼻とか全部なくなってレオンがレオンって視認できない状態になってもーーー


やっぱり俺のレオンへの想いって何も変わらないんだよ、増えていくだけで。


嫌いになんてなるはずがない。

だから別にそういうの、隠さなくても大丈夫なのにな。


ペロンペロンと裾を動かし続けると、それをひたすら目で追い続けるレオンを見て、また一つレオンへの想いが増えて優しい気持ちが芽生える。


何だかんだで、にゃんにゃんレオンはまだまだ可愛いものよ。


フォッフォッフォ~と笑いだす俺をムッ!として軽く睨んでくるレオンだが、うっすら赤い首元、そしてチラチラッとこちらを気にする素振りからも隠しきれない罪悪感が滲み出ているな~?という感じ。


俺がニコッと笑顔を見せるとレオンはキョトンとした顔をして俺を見返してきたので、首の後ろに手を回しグッと引き寄せると、すかさずレオンの上半身を前にお辞儀の様に倒した。


そしてレオンが驚いた隙に俺は地に足をつけ、もう片方の手を素早くレオンの膝裏へ差し入れるとそのままレオンを上にポーーーン!と放り投げた!


空中でポカンとした驚く顔をするレオンは凄く可愛い。


それに心がホワッとしながら、俺はそのまま落ちてくるレオンをお姫様抱っこでキャッチ。

そして可愛い顔をしたまま俺を見上げる・・いや大きさ的には見下ろしてくるレオンを見ながら、その体をゆっすゆすと揺らす。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜

7ズ
BL
 異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。  攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。  そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。  しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。  彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。  どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。  ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。  異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。  果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──? ーーーーーーーーーーーー 狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛  

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

泣くなといい聞かせて

mahiro
BL
付き合っている人と今日別れようと思っている。 それがきっとお前のためだと信じて。 ※完結いたしました。 閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。

第十王子は天然侍従には敵わない。

きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」 学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

逆ざまぁされ要員な僕でもいつか平穏に暮らせますか?

左側
BL
陽の光を浴びて桃色に輝く柔らかな髪。鮮やかな青色の瞳で、ちょっと童顔。 それが僕。 この世界が乙女ゲームやBLゲームだったら、きっと主人公だよね。 だけど、ここは……ざまぁ系のノベルゲーム世界。それも、逆ざまぁ。 僕は断罪される側だ。 まるで物語の主人公のように振る舞って、王子を始めとした大勢の男性をたぶらかして好き放題した挙句に、最後は大逆転される……いわゆる、逆ざまぁをされる側。 途中の役割や展開は違っても、最終的に僕が立つサイドはいつも同じ。 神様、どうやったら、僕は平穏に過ごせますか?   ※  ※  ※  ※  ※  ※ ちょっと不憫系の主人公が、抵抗したり挫けたりを繰り返しながら、いつかは平穏に暮らせることを目指す物語です。 男性妊娠の描写があります。 誤字脱字等があればお知らせください。 必要なタグがあれば付け足して行きます。 総文字数が多くなったので短編→長編に変更しました。

【完結】『ルカ』

瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。 倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。 クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。 そんなある日、クロを知る青年が現れ……? 貴族の青年×記憶喪失の青年です。 ※自サイトでも掲載しています。 2021年6月28日 本編完結

満月に囚われる。

柴傘
BL
「僕は、彼と幸せになる」 俺にそう宣言した、想い人のアルフォンス。その横には、憎き第一王子が控えていた。 …あれ?そもそも俺は何故、こんなにも彼に執心していたのだろう。確かに彼を愛していた、それに嘘偽りはない。 だけど何故、俺はあんなことをしてまで彼を手に入れようとしたのだろうか。 そんな自覚をした瞬間、頭の中に勢い良く誰かの記憶が流れ込む。その中に、今この状況と良く似た事が起きている物語があった。 …あっ、俺悪役キャラじゃん! そう思ったが時既に遅し、俺は第一王子の命令で友好国である獣人国ユースチスへ送られた。 そこで出会った王弟であるヴィンセントは、狼頭の獣人。一見恐ろしくも見える彼は、とても穏やかで気遣いが出来るいい人だった。俺たちはすっかり仲良くなり、日々を楽しく過ごしていく。 だけど次第に、友人であるヴィンスから目が離せなくなっていて…。 狼獣人王弟殿下×悪役キャラに転生した主人公。 8/13以降不定期更新。R-18描写のある話は*有り

処理中です...