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第十八章

629 俺の・・が好き

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( レオン )


< 第十三章、性教育の授業の朝。リーフ、少年の胸で遊ぶ朝。 >



” リーフ様はむっちんむっちんの胸部が好き ”

つまりは俺の胸が大好き。



"  眠る  "  という行為を必要としない俺だが、リーフ様を抱き込みながら微睡む事はとても心地いい。

だから今では眠るのが好き。


そして好きだからリーフ様と共に寝て、朝起きる、これに対し何も困ったことはないのだが・・


今現在、ちょっと困った事になっている。



俺はバクバク飛び出しそうになる心臓を必死に抑えながら目の前で俺の胸元にフガフガと顔を擦り付けるリーフ様を黙って見ていた。




朝、リーフ様が覚醒したのを感じ俺は直ぐに目を覚ます。


リーフ様が起きた。

ーー今日も可愛い・・


ぐずりながらも自分の腕の中に大人しく収まっているのを見ると、なんだかムズムズする様な・・何とも堪らない気分になって思わず叫び出したくなった。


ドキドキ・・


少しだけ心拍数が早まったのを感じながらその様子をジッと見つめていると、今度は大きく欠伸をしてむにゃむにゃと呟きながらすっかり安心している様子を見せてきた。


"  逃げないリーフ様・・安心しきっている姿・・凄く 可愛い・・  "


無駄なのに逃げようともがくリーフ様も可愛いけど・・こうして大人しくしているリーフ様は本当に可愛い。


少し跳ねてモジャっとしている髪の毛の部分も、モソモソとむず痒いという様に動く様も、ボンヤリしている寝ぼけている顔も警戒する様子が全くない所も、全部。


気分が良くなるのと同時に自然と口角が上がっていく。



ーーただ・・


こんな優しく揺さぶられる様な気持ちになれるのは俺の側にいる時だけだけど。




上がった口角は下へ下へと下がっていき感情を表すモノは顔から消え失せる。

優しくない気持ちに変わってしまうかもしれないから、ずっと "  可愛い "  リーフ様でいて下さいね?


心の中でそう言い聞かせた後、目覚めたリーフ様が起き上がるのを待っていたのだがなかなか起きない。


「 ? 」


不思議に思いながらリーフ様の行動を見守っていると、そのまま突然俺の胸辺りをスンスンと匂いを嗅ぎ始めたためドキッと心臓が跳ね上がる。


たまにリーフ様はこうして俺の匂いを嗅いでくるのだが・・それは俺と同じ様にいい匂いだと思って嗅いでくれているのだろうか?


自分がリーフ様の匂いを嗅いでいる時に感じる幸せな気持ちを思い出し "  そうだと良いな  "   と思ったが・・

直ぐに頭を過った "  思い出 "  がそれを完全に消し去った。


仕留めた獲物や木の実、食べられそうな草やキノコ・・ありとあらゆる食せそうなものの匂いを必ず嗅ぐリーフ様。



匂いを嗅ぐのは食せるものか否かか・・・



「 ・・・・・・。 」


判断しかねる答えに対し頭を捻って必死に考えていると、突然リーフ様がスリスリスリ~とおでこを擦り付けてきた。



俺の胸に。



バクッ!と心臓が今度は大きく鼓動する。

それがあまりにも大きかったせいか・・少しだけリーフ様は顔を離したが、俺の体はすっかり全身の血が沸騰したように熱くなってしまった。



” 好き ” 


” レオンが大好き ” 



まるでそれを全身で訴えてくる様な行動に、俺の気持ちはぐんぐんと上昇し胸は痛いほど高鳴る。


そうしてドンドン強くなっていく心音に答える様に ” レオンも同じ気持ちで嬉しい ” と言わんばかりに先程より強く耳辺りを擦り付けてくるリーフ様にクラクラした。


頬が熱い・・


そう自覚している顔をリーフ様に向けていると、やがて覚醒したらしいリーフ様が俺の顔を見上げてキョトンとした表情を見せる。


続けて ” バレちゃった? ” と困ったような顔をするリーフ様・・・


ここで我慢の限界。



” 可愛い ” と ” 愛おしい ” は、バンッ!と弾けて外に飛び出し、

” 俺も嬉しい! ” 

” 貴方が大好き! ” 

その気持ちを伝えようと、俺は即座に強くリーフ様の身体を抱きしめた。


すると少々興奮していたせいか力加減を誤ってしまい、リーフ様はグッタリとしてしまったがこれも凄く可愛い。


動き回って動けなくなったり、こうして力加減を間違えた時に見せる無防備な姿が俺の一番のお気に入り。

” 逃げられない ” というその状況は俺に大きな安心感と喜びを与えてくれる。


満足感に微笑みながらそんなリーフ様を介抱していると、フワフワした頭でフッ・・と、ある重要な事を思い出し、一気に冷静になった。


” リーフ様はむっちんむちんの胸が好き ”


これはつまり俺個人が大好きというわけではなく、あくまで ” 胸 ” が好きなだけ。

好きなのは俺の ” 体 ” ・・という事だ。



それにズンッ・・と心は多少落ち込んだが、その後思い出した事により直ぐにその気持ちは浮上した。


” 男は体から落とせばいいのよ~。

あいつらスケベな生き物なんだから、それが落ちれば後はイチコロだから! ”


街で女同士が群れて話していた時の話にこの様な内容があった。


男は体から落とせばイチコロ・・



ーーーなるほど・・??


それを聞いた時には正直ピンッとこなかったが、まさに今の状況がそうなのではないか?


ふ~む・・と考え込みながら俺はブルブルと震えながら謝ってくるリーフ様に、「 ・・リーフ様はむっちんむっちんが大好きですね・・。 」と確認を取ると、言うまでもなくリーフ様はキッパリと答える。


” むっちん最高!! ”


” 俺、もうむっちんにしか魅力感じないね!!それ以外いらないっていうか!! ”


なんとリーフ様は俺の胸しか魅力を感じない、それ以外いらないと言った!!


リーフ様の体は落ちた。

後は・・イチコロ?


「 ・・・・・。 」


焦ったような様子でチラチラと俺を見てくるリーフ様を見て、それを確信した俺は密かにニヤリと笑った。




その後は普通に朝の日課である修行に、朝ごはんのモンスターの調達を終えてリーフ様のお気に入りのクッション女の所へと向かう。


その女が作るご飯を気に入ったらしいリーフ様は上機嫌でスキップしていたので、何となく俺がその姿をジッ・・と見つめていると、その視線に気づいたリーフ様は何故か表情をキリっとしたモノに変えた。


「 ・・・? 」


その理由は全く理解できなかったが、何やら軽いモヤッとしたものが頭にちらつく。


しかし ” リーフ様はご飯が好き ” そして ” 手触りの良いモノも好き ” 

何よりも ” 俺の胸が一番好き ” ーーー


・・・なら何も心配することはないか。



そう判断した俺はそのままソワソワしながらその女の元へ向かうリーフ様の後に黙ってついていった。


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