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第十五章

570 美味しいは同じ

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( リーフ )



「「 ◯✕△#**%ーーーっ!!!!??? 」」


そんなお化けもビックリな登場にマリンさんとルルちゃんは悲鳴にならない悲鳴を上げ腰を抜かしその場でへたり込んでしまう。


そしてそんな床にへたり込んでしまったマリンさんとルルちゃんを見て、黒みつはぷるるんッ?と不思議そうに細長く伸ばした身体を横に傾けた。


” どうしたの? ” と語るその仕草を見た後、マリンさんとルルちゃんは直ぐにキッチンのカウンターへ移動し、顔半分だけを出してジーーッ・・と黒みつを睨みつける。



「 ど、どうしたんだい? 」


過剰な反応に驚いた俺がそう尋ねると、マリンさんは黒みつから目を逸らさずに言った。



「 そ・・そいつ一体何者だい?!

まさか本当に黒色をしていたなんて知らなかったよ。 」


本当にとは??と疑問に思った俺がマリンさんから詳しく話を聞くと、どうやらマリンさんとルルちゃんは黒い汚水かなんかを沢山飲み込んで一時的に色が黒くなってしまったスライムだと思っていたらしい。



確かにスライムは無色透明。

食べたモノによって体表の色が変わり、消化するまでその色のままだ。



あ~・・と納得しながら「 黒みつは真っ黒ボディーだけど無害なんだ! 」と必死で訴え、更にテーブルの上では ” 自分は無害です! ” と訴えようと、黒みつが白い布巾をブンブン振って無害アピール!


そんな俺達を見て2人はなんとか警戒を解いてくれたのだが、マリンさんは大きなため息をつきながら、「 ・・・リーフは凄いね・・。 」と呟いた。



そ、それって好感度上がった系のやつ?

もしかして上がっちゃった?俺のお株!



ホタホタ~と抑えられない笑みが口元から溢れ出していると、黒みつが急に俺が食べているご飯をジッ・・と見つめ、身体をモジモジと身体を動かし始めた。


俺はそれを見下ろし、「 どうしたの? 」と黒みつに尋ねると、黒みつはモジモジしたまま細い触手を出し、チョイチョイと俺のご飯を差す。


もしかして~?と思い、箸でつまんだバター芋のトロトロ焼きを黒みつに近づけると、物凄い勢いでパクっ!!と食いついた後「 ~~~~・・!! 」と感極まった様子で小さく震えだした。


た・・食べた・・と驚きながら黒みつを見ていると、マリンさんも俺同様にビックリした顔を見せる。


「 普通の食事をしたがるスライムなんて聞いたことないよ。

どちらかというと死骸とか腐敗したものを好んで食べるはずなんだけどねぇ?


う~ん・・仕方ない。ちょっと待ってな。 」



マリンさんはそう言うとキッチンの奥へ。

そして戻ってくるとその手にはお子様ランチの様なランチプレートがあった。


そして黒みつの前にそれを置き、「 ほら、あんたのだよ。 」と言うと、黒みつはありがとう!と言わんばかりにぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねてから、触手を使ってポイポイっと自身の口?でそれを食べ始める。


そして最後はお皿についているタレまでペロロンと舐め取る様に身体を擦りつけてピカピカにすると、そのまままた裂けた空間へと黒い水になって帰っていった。



そうして黒みつはあげ玉が来ない時は必ずこの方法でやってきてはマリンさんお手性のご飯を食べて戻るという生活をしている。

ちなみにマルクさんのところのパンもお気に入りの様で、あげ玉の多次元バックにお弁当としていれてあげたら凄く喜んでいた。



グニグニ~と弄んでいた黒みつボディーを撫で撫でする動きに変えて、微笑ましい思い出の数々を思い出し思わずニッコリ笑顔!



今回の帰省は、そんな新しい家族となった黒みつの初・お目見えでもあるので本当に楽しみだ!


ウキウキしながらモルトとニールの泣き声をBGMに、俺達はひたすらレガーノ目指して走って行った。


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