577 / 1,307
第十五章
562 何だろう?アレ
しおりを挟む
( リーフ )
うそもそも魔法だって前衛ほどではないが結構な体力勝負。
走ったりすることだって沢山あるし、実際に戦いの場になれば動かないわけにいかないので、やはり戦いやすい格好をする事は必須になるはずだ。
しかしそれをあえて好きにさせるのは、自分なりに魔法というものがどういうものかを生徒達に考えさせたかったんじゃないかな~?と思った。
何となく世に認知されている ” 後方で打つだけ ” というイメージから、実際に体験し自分の目で見たイメージに変われば、それに適した格好を自ずとするだろうと、それを期待しているのかもしれない。
なるほどね~!
キラッ!と目を光らせ、俺は上機嫌に笑うルーン先生を見つめた。
ドノバン級のちょっとエッチな先生だと思っていたが、そうではなかった!
本当に勝手な思い込みは駄目だな~と、改めて反省していると、突然ピュ~と強めの風が吹き俺達を襲う。
すると先生の下半身を申し訳ない程度に隠している布がピラピラ~と上に捲り上がり、ビキニアーマーがモロ見えに。
結構な肌の露出具合と際どいくらいの食い込みっぷりに、俺は直ぐに後ろにいたレオンの両目をソッ……と隠した。
そんな露出を全く恐れないルーン先生とともに、次々とスライム戦争の場所に向かってはスライムを倒し、怪しい風が吹けばレオンの両目を隠し、スライムを倒し、また怪しい風が吹けばレオンの両目を────……。
「 …………。 」
” 後ろに敵がいる ”
それを嫌というほど学びながら、黙って黙々とお仕事をこなしていくと、やがて俺たちはガランっと空っぽになってしまった、とある< スライムの家 >へ辿り着いた。
すぐそこでスライム戦争が起きていたにも関わらずこの静けさ……ちょっと変だ。
強い違和感を感じてヒヤッとしながら、冷静に周囲を見て回る。
すると、目に飛び込んでくるのは、スポットライトに照らされる様に日があたり、キラキラ輝く大きな泉とそれを囲う木々や花々であった。
更にその場には近くを流れる小さな川のチョロチョロという音のみが聞こえていて、普段だったらピクニックしたいな~と思える場所だ。
しかし……今の状況だと不気味さを感じてしまいそんな気分にはなれない。
それはルーン先生も重々承知で、俺に向かってボソッと呟いた。
「 今、新たに探知魔法を掛けてみたんだが、この場所だけ大きな真っ黒い穴が開いていて情報が全く読めない。
探知魔法が使えないとなると、多分あたいのレベルを遥かに上回る奴が、未知の何かか……。
どちらにせよヤバいもんには違いないから、何かあれば直ぐに撤退するぜ。
二人共警戒を絶対に解くなよ。 」
「 分かった! 」
俺はゴクリッと唾を飲み込みながら返事をしたが、レオンときたら綺麗な場所=おやつタイムと勘違いしたのか、上機嫌のまま多次元ボックスから、マルクさん特性のはちみつパンを取り出そうとしている!
それを無言で止めてから、俺はスキル< 昆虫の予見者 >を発動。
注意深く周囲の様子を探っていた、その時────変わった気配を感じた。
「 ────?
……────あっ!あそこの木の影に何か反応があるよ! 」
泉の直ぐ側に立つ大きな巨木、その影になにやら不思議な魔力反応を感じたためそこを指差す。
「 何だと!! 」
ルーン先生がハッ!として叫び、直ぐに杖をそこに向かって構えた。
俺もその木に視線を送り、2人揃ってジ~っと凝視していると────?
────ソロ~……。
黒いぷにぷにした何かが、ゆっくりと木の影から顔を?出した。
大きさ的にはサッカーボールくらい?
顔というか……なんだろう?
なんか……ツルっとしている……??
「 ……何だろう?あの黒いの。 」
その正体が掴めず、思わずキョト~ンとそれを見つめてしまったが、隣にいるルーン先生はそれとは対照的に、ザッ!!と青ざめ、突然怒鳴りだす。
「 スライムの始祖だっ!!
しかもあの色は、多分ユニーク個体!! 」
そう叫んだルーン先生は、直ぐに大量の火の玉を出現させてその黒いスライム?がいる木の方へ攻撃を打ち込んだ。
その凄まじい攻撃にうわっ!と短い悲鳴をあげ、顔を両手で覆い爆風から身を守りつつ、目はその黒スライムに向けたままジッとその様子を見守る。
すると、その子はルーン先生の発生させた火の玉を見上げ ” うわぁぁ────!! ” と言わんばかりの、慌てた様子をみせながら必死にそれを避けていた。
「 ……??? 」
その様子に違和感を感じ、首を傾げながらその黒いモノを視線で追い続ける。
すると、その全ての攻撃を避けた黒いヤツは、ポンポンッとゴムボールの様に弾みながら、近くにある大きな石の影に慌てて隠れてしまった。
そして、またやそこからチラ~とこちらを覗いている様な仕草を見せる。
「 んん~??? 」
その行動に本格的な違和感を感じて、唸りながら更に首を横に傾けたのだが、そんな俺をルーン先生が叱咤してきた。
「 こらっ!リーフ!真面目にやれ!
あいつが今回の騒動の犯人だ。
あんなおっかない真っ黒なスライムなんて見たことないぜ!
周りのスライム達はあいつを恐れて移動しているか……もしくは他のスライム達を操って戦わせて遊んでるんだ!
あんな奴ここで倒さなきゃ街に危険が及ぶかもしれないぜ!
あたいの攻撃に合わせて一気に叩くぞ! 」
フンッ!!と気合十分で叫ぶルーン先生の言葉を聞きながら────俺は本当にそうなのかな?と考えていた。
うそもそも魔法だって前衛ほどではないが結構な体力勝負。
走ったりすることだって沢山あるし、実際に戦いの場になれば動かないわけにいかないので、やはり戦いやすい格好をする事は必須になるはずだ。
しかしそれをあえて好きにさせるのは、自分なりに魔法というものがどういうものかを生徒達に考えさせたかったんじゃないかな~?と思った。
何となく世に認知されている ” 後方で打つだけ ” というイメージから、実際に体験し自分の目で見たイメージに変われば、それに適した格好を自ずとするだろうと、それを期待しているのかもしれない。
なるほどね~!
キラッ!と目を光らせ、俺は上機嫌に笑うルーン先生を見つめた。
ドノバン級のちょっとエッチな先生だと思っていたが、そうではなかった!
本当に勝手な思い込みは駄目だな~と、改めて反省していると、突然ピュ~と強めの風が吹き俺達を襲う。
すると先生の下半身を申し訳ない程度に隠している布がピラピラ~と上に捲り上がり、ビキニアーマーがモロ見えに。
結構な肌の露出具合と際どいくらいの食い込みっぷりに、俺は直ぐに後ろにいたレオンの両目をソッ……と隠した。
そんな露出を全く恐れないルーン先生とともに、次々とスライム戦争の場所に向かってはスライムを倒し、怪しい風が吹けばレオンの両目を隠し、スライムを倒し、また怪しい風が吹けばレオンの両目を────……。
「 …………。 」
” 後ろに敵がいる ”
それを嫌というほど学びながら、黙って黙々とお仕事をこなしていくと、やがて俺たちはガランっと空っぽになってしまった、とある< スライムの家 >へ辿り着いた。
すぐそこでスライム戦争が起きていたにも関わらずこの静けさ……ちょっと変だ。
強い違和感を感じてヒヤッとしながら、冷静に周囲を見て回る。
すると、目に飛び込んでくるのは、スポットライトに照らされる様に日があたり、キラキラ輝く大きな泉とそれを囲う木々や花々であった。
更にその場には近くを流れる小さな川のチョロチョロという音のみが聞こえていて、普段だったらピクニックしたいな~と思える場所だ。
しかし……今の状況だと不気味さを感じてしまいそんな気分にはなれない。
それはルーン先生も重々承知で、俺に向かってボソッと呟いた。
「 今、新たに探知魔法を掛けてみたんだが、この場所だけ大きな真っ黒い穴が開いていて情報が全く読めない。
探知魔法が使えないとなると、多分あたいのレベルを遥かに上回る奴が、未知の何かか……。
どちらにせよヤバいもんには違いないから、何かあれば直ぐに撤退するぜ。
二人共警戒を絶対に解くなよ。 」
「 分かった! 」
俺はゴクリッと唾を飲み込みながら返事をしたが、レオンときたら綺麗な場所=おやつタイムと勘違いしたのか、上機嫌のまま多次元ボックスから、マルクさん特性のはちみつパンを取り出そうとしている!
それを無言で止めてから、俺はスキル< 昆虫の予見者 >を発動。
注意深く周囲の様子を探っていた、その時────変わった気配を感じた。
「 ────?
……────あっ!あそこの木の影に何か反応があるよ! 」
泉の直ぐ側に立つ大きな巨木、その影になにやら不思議な魔力反応を感じたためそこを指差す。
「 何だと!! 」
ルーン先生がハッ!として叫び、直ぐに杖をそこに向かって構えた。
俺もその木に視線を送り、2人揃ってジ~っと凝視していると────?
────ソロ~……。
黒いぷにぷにした何かが、ゆっくりと木の影から顔を?出した。
大きさ的にはサッカーボールくらい?
顔というか……なんだろう?
なんか……ツルっとしている……??
「 ……何だろう?あの黒いの。 」
その正体が掴めず、思わずキョト~ンとそれを見つめてしまったが、隣にいるルーン先生はそれとは対照的に、ザッ!!と青ざめ、突然怒鳴りだす。
「 スライムの始祖だっ!!
しかもあの色は、多分ユニーク個体!! 」
そう叫んだルーン先生は、直ぐに大量の火の玉を出現させてその黒いスライム?がいる木の方へ攻撃を打ち込んだ。
その凄まじい攻撃にうわっ!と短い悲鳴をあげ、顔を両手で覆い爆風から身を守りつつ、目はその黒スライムに向けたままジッとその様子を見守る。
すると、その子はルーン先生の発生させた火の玉を見上げ ” うわぁぁ────!! ” と言わんばかりの、慌てた様子をみせながら必死にそれを避けていた。
「 ……??? 」
その様子に違和感を感じ、首を傾げながらその黒いモノを視線で追い続ける。
すると、その全ての攻撃を避けた黒いヤツは、ポンポンッとゴムボールの様に弾みながら、近くにある大きな石の影に慌てて隠れてしまった。
そして、またやそこからチラ~とこちらを覗いている様な仕草を見せる。
「 んん~??? 」
その行動に本格的な違和感を感じて、唸りながら更に首を横に傾けたのだが、そんな俺をルーン先生が叱咤してきた。
「 こらっ!リーフ!真面目にやれ!
あいつが今回の騒動の犯人だ。
あんなおっかない真っ黒なスライムなんて見たことないぜ!
周りのスライム達はあいつを恐れて移動しているか……もしくは他のスライム達を操って戦わせて遊んでるんだ!
あんな奴ここで倒さなきゃ街に危険が及ぶかもしれないぜ!
あたいの攻撃に合わせて一気に叩くぞ! 」
フンッ!!と気合十分で叫ぶルーン先生の言葉を聞きながら────俺は本当にそうなのかな?と考えていた。
50
お気に入りに追加
1,988
あなたにおすすめの小説
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)
第十王子は天然侍従には敵わない。
きっせつ
BL
「婚約破棄させて頂きます。」
学園の卒業パーティーで始まった九人の令嬢による兄王子達の断罪を頭が痛くなる思いで第十王子ツェーンは見ていた。突如、その断罪により九人の王子が失脚し、ツェーンは王太子へと位が引き上げになったが……。どうしても王になりたくない王子とそんな王子を慕うド天然ワンコな侍従の偽装婚約から始まる勘違いとすれ違い(考え方の)のボーイズラブコメディ…の予定。※R 15。本番なし。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
逆ざまぁされ要員な僕でもいつか平穏に暮らせますか?
左側
BL
陽の光を浴びて桃色に輝く柔らかな髪。鮮やかな青色の瞳で、ちょっと童顔。
それが僕。
この世界が乙女ゲームやBLゲームだったら、きっと主人公だよね。
だけど、ここは……ざまぁ系のノベルゲーム世界。それも、逆ざまぁ。
僕は断罪される側だ。
まるで物語の主人公のように振る舞って、王子を始めとした大勢の男性をたぶらかして好き放題した挙句に、最後は大逆転される……いわゆる、逆ざまぁをされる側。
途中の役割や展開は違っても、最終的に僕が立つサイドはいつも同じ。
神様、どうやったら、僕は平穏に過ごせますか?
※ ※ ※ ※ ※ ※
ちょっと不憫系の主人公が、抵抗したり挫けたりを繰り返しながら、いつかは平穏に暮らせることを目指す物語です。
男性妊娠の描写があります。
誤字脱字等があればお知らせください。
必要なタグがあれば付け足して行きます。
総文字数が多くなったので短編→長編に変更しました。
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
満月に囚われる。
柴傘
BL
「僕は、彼と幸せになる」
俺にそう宣言した、想い人のアルフォンス。その横には、憎き第一王子が控えていた。
…あれ?そもそも俺は何故、こんなにも彼に執心していたのだろう。確かに彼を愛していた、それに嘘偽りはない。
だけど何故、俺はあんなことをしてまで彼を手に入れようとしたのだろうか。
そんな自覚をした瞬間、頭の中に勢い良く誰かの記憶が流れ込む。その中に、今この状況と良く似た事が起きている物語があった。
…あっ、俺悪役キャラじゃん!
そう思ったが時既に遅し、俺は第一王子の命令で友好国である獣人国ユースチスへ送られた。
そこで出会った王弟であるヴィンセントは、狼頭の獣人。一見恐ろしくも見える彼は、とても穏やかで気遣いが出来るいい人だった。俺たちはすっかり仲良くなり、日々を楽しく過ごしていく。
だけど次第に、友人であるヴィンスから目が離せなくなっていて…。
狼獣人王弟殿下×悪役キャラに転生した主人公。
8/13以降不定期更新。R-18描写のある話は*有り
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる