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その後のストーリー( 半年後 )

58 依頼完了

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( 大樹 )

「 これがあの有名な《 聖零華 》ですか……何と美しい。

ありがとうございました。大樹様、お兄様────……フフッ。

何だかとっても良い事があった様で何よりです。 」


ソファーに座るニコラの前に同じく座っている俺は、無事に依頼された花を渡したのだが、俺の隣に座りべったりとくっついているレオンハルトがいて、そんな兄を見てニコラはニコニコと笑う。

レオンハルトは、うっとりとした様子で俺の頬や頭にチュッチュッチュッチュとフレンチキスを繰り返し、更に手は腰や背中、首筋をさわさわ……。

ニコラや後ろにはアルベルト、部屋の中には侍女達や他の従者がいるというのに、平気でキスしようとしてくる!

そのため俺はレオンハルトの口を片手で塞ぎ、それを防ぐと、その手にさえチュッチュッとしだす始末。


ご機嫌だ……。


「 ……止めてくんない? 」


流石に公共の場なため一言物申す。

しかし────……

「 大樹様は私の事が好き。 」

「 私を愛してる。 」

「 なら別にいいでしょ? 」……と全く話にならない。



おしゃぶりでも入れてやろうか……。


そんな物騒な事を考えていると、ニコラは顔を大きく逸らしながらピクピクと笑わない様に必死な様子を見せたが、後ろのアルベルトは完全な無表情だったので、それが対称的過ぎてシュールだなと思う。


「 ……っとっ、とりあえずお疲れ様でした。

明日は朝早く国民に向けた新年の挨拶をしなければいけないので……これでっ。 」


ニコラは息も絶え絶えでそう言うと、そのままアルベルトと共に出ていった。

そしてそのまま物凄い早さで侍女や従者も出ていってしまい、それを見送った後は────モソモソと服の中に手を突っ込んでくるレオンハルトに、もう……ため息しかでない。

結局その後は直ぐにレオンハルトを巨大な荷物を運ぶ様に抱えて離宮へ帰り、そのままひたすらレオンハルトの愛の囁き??らしき暴言の数々を聞き流しながら、チュッチュッ、さわさわ……そして、あ────!!……な事をされて、まるでお人形の様に抱き込まれて全裸で眠った。


そして朝、ドロドロぐちゃぐちゃをお風呂で洗い流しながら、やはり隙あらばまたドロドロになろうとするレオンハルトの顔を、グイ~と遠ざけながらフッと思う。


ちょっと、こいつの性欲やばくない??

……今更だけど。


新型人類の俺でギリギリな感じの……普通の人間ならちょっと生命の危機を感じちゃうくらいのイチャイチャに、この国ではこれが普通なのか?と考えてみたが……自分を旧型人類に置き換えて考えてみると、ゾゾぉぉぉ~と背筋が凍ってしまった。


死ぬだろ、絶対。


興奮すると力加減を間違えるから、まずは全身骨折は免れない。

少しでも嫌がる素振りなど見せたら、それから怒涛の攻め苦が待っている。


顔を遠ざけられてムッとしたのか、「 俺の事が好きなくせに。 」と言いながら子供の様にブーたれたレオンハルトは、突然向かい合わせになって元気な下半身を俺の下半身にくっつけてそのまま抱き込まれてしまった。


勿論俺の下半身は全然元気じゃない。

朝だけどおやすみモード。


そのためちゅーちゅーほっぺに吸い付いてくるレオンハルトの顔をグイ~と遠ざける。


「 ほら!今日は年始のニコラ王様のご挨拶があるんだろ?

国民皆が見るんだから、俺たちも見ないとな。

元王子様のお仕事、お仕事~。 」


「 ……仕事……。 」


一応仕事と言えば多少は考えるらしく、ピタリと止まった隙に俺はそこから脱出。

そして直ぐに体を拭いてサッサッとお風呂から出た。


そしてその後は慌てて追いかけて来たレオンハルトとともに、王宮内の一番高い塔……レオンハルトの私物になった研究塔へ向かう。


「 確か挨拶は、王宮内にある広いガーデンをオープンしてやるんだろう?

っつっても国民全員は入れねぇから、確か魔法を使った写し鏡で国中に配信するんだったよな? 」


< 写し鏡 >

鏡に写した姿をそのまま街の中央などに設置されている対の鏡に写す事ができる通信用のアイテム


「 えぇ。毎年王は巨大バルコニーから顔を出しそこで直接挨拶をするしきたりになってます。

物凄い数の国民を相手にするので、毎年ガーデンは大騒ぎですよ。

更に写し鏡で王の挨拶が伝えられるので、その後はどこも国中夜通しお祭りが続きます。 」


「 ほぉ~。そりゃ~すげぇな。 」

そのお祭りの様子や酒が無料で振る舞われる話を聞きながら、盛り上がっていると、突然────

カラ~ン、コロ~ン────……

大きな鐘の音が響いた。


大きな音に驚き、階段途中にある窓からピョコっと顔を出すと、少し離れた場所に沢山の人達が集まっており、一斉に、わ────!!!と歓声を上げる。

その人たちの視線の先には王宮内から突き出た広いバルコニーがあって、そこの上にある大きな鐘を従事者達数人で鳴らしている様だ。

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