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EP1

#13

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   「はーい、座ってー」

 誰かが着席を呼びかけながら入ってくる。

 2人から視線を逸らして前を見ると、眠たそうにした教師が教壇に立っていた。

   「私は監査委員会担当の児玉、委員長と副委員長はさっき決めたから後は頼むねー」

 それだけ言うとさっさと出て行く児玉先生。仕事の説明もせずに帰るなんて許されるのだろうか。いや、いいけど。

 すると、2人の生徒が立ち上がり、前に出るやいなや話し始めた。

   「やっほー!あたしは監査委員長になった、3年3組の朱膳寺苺(しゅぜんじ いちご)だよ!」

   「俺は監査副委員長の3年2組、紺迫柾(こんさこ まさき)だ。よろしく」

 挨拶をしているが、去年僕は委員長どころか他の委員と一度も絡んで無い筈だ。適当に説明して早く終わってもらいたい。

   「色々緊張してるかもしれないし...新入生の皆んなもいるから、全員自己紹介しよっか!じゃあ廊下側からよろしくー!」

   「自己紹介?そんなことやってる暇ないぞ」

   「いーじゃん、上級生も新入生の事知りたいだろうし、ここで運命の出会いがあるかもしれないじゃん!さぁどうぞー!」

 唐突に我々も自己紹介をすると決まる。絶対要らんだろ。時間の無駄だ。

 渋々と話し始める1年生に続いて、1人1人自己紹介をしていく。まともに聞いてないので、今話している奴の名前も分かってない。

   「伊折君」

   「...どうした」

 前の席に座っていた白渡が声を掛けてくる。

   「伊折君の彼女って名乗っていい?」

   「先に確認したのは殊勝だな、副委員長の彼女とかならいいぞ」

   「そんな...仕方ないから伊折君のフィアンセにしとくね」

 こいつ頭おかしいよな。知ってたけど。
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