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無垢の龍曰く
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店主が女に声をかけた。
「買われないんですか?」
展示された手鏡をまじまじと見つめていた女は、店主に驚いたようだ。
「すいませんね、驚かしてしまって」
いえ、と女は恐縮してしまう。
「長々とご迷惑でしたね」
「いえいえ、閑古鳥と戦う日々ですしね、その鏡、気になりますか?」
「えぇ、不思議と魅入ってしまって」
「古物を扱っていると、そういうことがあります。不思議な事ですがね。その手鏡は、元の持ち主が自分の姿を忌み嫌って作らせた鏡でしてね」
「矛盾してませんか?」
「矛盾した生き物ですからね、人間なんて」
女は店主の言い草にクスリと笑った。
「買います」
「お買い上げありがとうございます。では使い方ですが……」
店主が使い方の話をし始め、女はきょとんとした。
女は手鏡の代金を渡してから、手鏡を受け取る。
店主は笑顔でありがとうございました、頭を下げるともうそこには女の姿はなかった。
手鏡の商品札を片付ける店主。
そこには、「映したものの姿を消せる手鏡」と書かれていた。
「買われないんですか?」
展示された手鏡をまじまじと見つめていた女は、店主に驚いたようだ。
「すいませんね、驚かしてしまって」
いえ、と女は恐縮してしまう。
「長々とご迷惑でしたね」
「いえいえ、閑古鳥と戦う日々ですしね、その鏡、気になりますか?」
「えぇ、不思議と魅入ってしまって」
「古物を扱っていると、そういうことがあります。不思議な事ですがね。その手鏡は、元の持ち主が自分の姿を忌み嫌って作らせた鏡でしてね」
「矛盾してませんか?」
「矛盾した生き物ですからね、人間なんて」
女は店主の言い草にクスリと笑った。
「買います」
「お買い上げありがとうございます。では使い方ですが……」
店主が使い方の話をし始め、女はきょとんとした。
女は手鏡の代金を渡してから、手鏡を受け取る。
店主は笑顔でありがとうございました、頭を下げるともうそこには女の姿はなかった。
手鏡の商品札を片付ける店主。
そこには、「映したものの姿を消せる手鏡」と書かれていた。
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