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迷い龍曰く
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男はポケットの中、手で時計をゆっくりと指で撫でた。
この時計は時間を止めれる。
男はこの能力を使い、いろんな場所に行ったし、色々なことをした。
例えば遠い国に行き大博物館を見て回ったり、例えば雨が降ってきた瞬間に時を止め近くの軒先に逃げたり、例えば配達のバイトで移動距離を無視して届けたり、例えば試験勉強の時間を余分にとったり、とそんな風だ。
男の一族が代々この時計を受け継いできたが、一族には時計にまつわる掟があった。
「この時計は、己の欲の為だけに使わなくてはならない」
不思議なこの掟を男は守っていた。
ただ、今目の前に一つの禁忌になることが起きている。
男には好きな女がいた。
その女は今まさに自動車事故に遭いそうになっている。己の欲を鑑みるなら、助けるの一択だ。ただ、女の傍には、その恋人がいた。
男は迷う。迷ってしまっている。
ポケットの中、もう一度時計を撫でた。
この時計は時間を止めれる。
男はこの能力を使い、いろんな場所に行ったし、色々なことをした。
例えば遠い国に行き大博物館を見て回ったり、例えば雨が降ってきた瞬間に時を止め近くの軒先に逃げたり、例えば配達のバイトで移動距離を無視して届けたり、例えば試験勉強の時間を余分にとったり、とそんな風だ。
男の一族が代々この時計を受け継いできたが、一族には時計にまつわる掟があった。
「この時計は、己の欲の為だけに使わなくてはならない」
不思議なこの掟を男は守っていた。
ただ、今目の前に一つの禁忌になることが起きている。
男には好きな女がいた。
その女は今まさに自動車事故に遭いそうになっている。己の欲を鑑みるなら、助けるの一択だ。ただ、女の傍には、その恋人がいた。
男は迷う。迷ってしまっている。
ポケットの中、もう一度時計を撫でた。
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