キツネと龍と天神様

霧間愁

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虚言な天神曰く

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 小さな教室。
 小さな人影が二つ。
 放課後、夕暮れ、ウェストミンスターの鐘。

「ランドセルって、高級品だよね」
 老練な商人のように少年が呟く。
「いや、君も持ってるよね」
 少年の横で同級生で幼馴染の少女が頬を膨らました。
「昔って、一万円以下で買えたって知ってます、奥さん。コレにはヨネスケもびっくり」
「ヨネスケって誰?」
「伝説的な突撃兵で、世間体と言う塹壕が張り巡らされた八十年代と言う戦場を駆け抜けたらしいよ。打破するその姿は、カルソー少佐もビックリ。チョリソーの語源である」
「何を言ってるか全く全然一ミリも理解できないけど」
「世界一ィぃィぃ、ってシュトロハイムさんも元気に叫んでる姿が目に浮かぶね。まぁ、その後はやられてる印象が強いけど」
「……時間だし、そろそろ帰ろうよ」
 少女はランドセルを担ぐ。促され少年もランドセルを背負った。

「あー時間に追われるなんて、人生って辛いなぁ」
 少年がため息をついた。

「君と一緒なら、退屈はしなさそうだけどね」
 不意打ちに少女が呟く。





「じゃぁ一緒にいるかね?」
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