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盛運の龍曰く
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男には子供の頃から少女が見えていた。
通勤の電車を待っている。勿論、少女もついてきていた。
中性的な美貌の持ち主が、向かいのホームのベンチに座っている。少女はその人物に一礼をすると男の傍で地面に絵を描き始める。
(知り合いかな?)
自分の空想上の友達に現実の友人なんてと思考していると、視界の端で蠢くものがあった。
不思議なことにコンクリートの地面に描かれた絵は完成すると、うにょうよと動き出して綺麗な虚空へと消え去っていく。
動き回る絵に気をとられ男が中性的な佳人を見失うと、少女が男の裾を引っ張った。
少女が指をさす。
その方向に進んで、ホームに進入してきた電車に乗り込むと労せず席を確保できた。
(今日もツイてたな)
男は心の中で少女にありがとうと感謝した。
通勤の電車を待っている。勿論、少女もついてきていた。
中性的な美貌の持ち主が、向かいのホームのベンチに座っている。少女はその人物に一礼をすると男の傍で地面に絵を描き始める。
(知り合いかな?)
自分の空想上の友達に現実の友人なんてと思考していると、視界の端で蠢くものがあった。
不思議なことにコンクリートの地面に描かれた絵は完成すると、うにょうよと動き出して綺麗な虚空へと消え去っていく。
動き回る絵に気をとられ男が中性的な佳人を見失うと、少女が男の裾を引っ張った。
少女が指をさす。
その方向に進んで、ホームに進入してきた電車に乗り込むと労せず席を確保できた。
(今日もツイてたな)
男は心の中で少女にありがとうと感謝した。
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