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ビビり散らかすキツネ曰く
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僕、キツネは人生での、……狐生で初めての注射をする。
いや、されるのか。
今務めているバイト先の上司から、「最近、色々と、ね」と言われ、予防注射を受けることになった。
「あぁ、出社扱いになるからね」「難し顔してるけど、大丈夫?」「あ、……妖専門のお医者さんだからね」などと上司は話しかけてくれていたが、僕の中では不安と恐怖が渦巻いていた。
伝え聞くとこによると、「ゐたい」らしい。まずこれだ。どれくらいの痛さなのか、どれくらい続くのか。
そして、「うわー、こいつ、ビビっとる。びびっとるでぇ」と思われたら、どうしよう。そうなってもいないのに、恥ずかしくなってきた。あぁ、不安だ。
その日、僕は眠れず、結局、寝ずに病院に行くことになった。
目の前に、腕を置く枕。
手慣れた看護婦さんが僕の腕をアルコール消毒する。ビビってませんよ、というすました顔をした僕に、「あ、慣れてるのね」とニコニコとする看護婦さん。
内心はバクバクである。
痛い? 痛いのかな? 注射器が手に取られ、僕の腕に向かってくる。これは見てた方がいいの? え、怖いんだけど!
ん? 終わった?
いや、されるのか。
今務めているバイト先の上司から、「最近、色々と、ね」と言われ、予防注射を受けることになった。
「あぁ、出社扱いになるからね」「難し顔してるけど、大丈夫?」「あ、……妖専門のお医者さんだからね」などと上司は話しかけてくれていたが、僕の中では不安と恐怖が渦巻いていた。
伝え聞くとこによると、「ゐたい」らしい。まずこれだ。どれくらいの痛さなのか、どれくらい続くのか。
そして、「うわー、こいつ、ビビっとる。びびっとるでぇ」と思われたら、どうしよう。そうなってもいないのに、恥ずかしくなってきた。あぁ、不安だ。
その日、僕は眠れず、結局、寝ずに病院に行くことになった。
目の前に、腕を置く枕。
手慣れた看護婦さんが僕の腕をアルコール消毒する。ビビってませんよ、というすました顔をした僕に、「あ、慣れてるのね」とニコニコとする看護婦さん。
内心はバクバクである。
痛い? 痛いのかな? 注射器が手に取られ、僕の腕に向かってくる。これは見てた方がいいの? え、怖いんだけど!
ん? 終わった?
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