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額に指を添える天神曰く
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父と子がいた。
父は腕利きの泥棒で、子は何も知らずで暮らしていた。
子は聡明で将来は明るかったが、父は自分が子の将来に影を落とさないか心配だった。
その日は、親子水入らずのこの誕生日。
「おめでとう」
「ありがとう、父さん」
「いいよ、いつも家のこと手伝ってくれてありがとう。はい、これプレゼントだ」
「本当にありがとう」
御馳走を食べ、ケーキを二人で分ける。小さな幸せが、確かにそこにあるようだった。
笑顔の子に父が聞く。
「なぁ、坊よ」
「なに?」
「将来なにになりたい?」
「うーん……、警察官」
「そうか、そりゃ、すごい警察官になるに違いない」
「そうかな、ありがと」
笑顔の子に笑顔でかえす父。
子が自立すると、父は自ら命を絶った。
父は腕利きの泥棒で、子は何も知らずで暮らしていた。
子は聡明で将来は明るかったが、父は自分が子の将来に影を落とさないか心配だった。
その日は、親子水入らずのこの誕生日。
「おめでとう」
「ありがとう、父さん」
「いいよ、いつも家のこと手伝ってくれてありがとう。はい、これプレゼントだ」
「本当にありがとう」
御馳走を食べ、ケーキを二人で分ける。小さな幸せが、確かにそこにあるようだった。
笑顔の子に父が聞く。
「なぁ、坊よ」
「なに?」
「将来なにになりたい?」
「うーん……、警察官」
「そうか、そりゃ、すごい警察官になるに違いない」
「そうかな、ありがと」
笑顔の子に笑顔でかえす父。
子が自立すると、父は自ら命を絶った。
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