キツネと龍と天神様

当てられた龍曰く

　その男はマメな奴じゃったよ。自分一人では何にもできないが、役に立つという意味では貴重な奴だった、まぁ、少々すぐ調子に乗る輩ではあったがの。
　その女はいい意味でも悪い意味でもクスリになる奴だった。惚れこんだ誰かに尽くして、結局は孤独になる女といえば端的かもしれん。

　まぁ、相性が良かったんじゃろ。いや、選択肢がなかったのかもしれん。
　……人の色恋なんぞ誰にも永遠に解らんから、下手は言えんな。

　そんな仲睦まじい二人でも喧嘩なんぞするもんだ。
　泣いてやってきた女に問うてみた。
「何故って、一つ作業をするとあの人は私を手伝う。もしくは私が手伝うことに、いつもなる」
「あの人には自立して欲しいと言ったら、二人ですることに意味があるのだろうと言われた」

　愚痴ぐらいは聞いてやろうと思ったが、……結局、泣きやんだところで男が迎えに来た。
　手をつないで帰っていきよった。