そして鬼と成る

文月くー

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訪問してきた妹

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屋敷に着き、中に入るなりいきなり怒声が響いた。

「お兄ちゃん!もぉー!お母さん、すっかりやつれちゃって大変だったんだよ?!それからお母さんの伝言!〝ごめんね、雫…。私のお父さんみたいになって欲しくなかったの…!雫がやりたいならやっていいから…。〟だって。」

こいつは俺の妹の火燐だ。
今は中学3年で、実はこいつも、内緒で呪術技をやっている。
まぁ、それは置いておいて、母さんが、ねぇ…よし!

「わかったよ。俺が電話しておくよ。ただ、俺はここに住むことにする。呪術技場があるし、筋トレとかも出来るしな。」

そう答えると、火燐は嬉しそうに頷く。

「あ、そうだ。今日から私もここに住むことになったから。よろしくね…?」

あ。
やっぱそうなるのねー。

「それとさ。もしよかったらなんだけどさ、今週の土曜日、学校の呪術技部で、交流会みたいなやつがあって、それに来てほしいんだ…。」

うーん、仕方ない。
可愛い妹の為である。
行ってやろう。
しかし!決してシスコンではないからな?!
ただただ父さんが行くのはまずいし、母さんは論外。
そうなると、俺しか行く奴がいないと言うわけであってな…?!
ともかく、この屋敷に火燐と住むことになったのだった。


その夜、俺は寝ようかなーと、電気を消した時だった。
扉をノックする音がした。

「…お兄ちゃん…!入ってもいいかな…?」

と、聞こえたので、扉を開けると、そこには涙目の火燐がいた。

「どうしたんだ?」

と、声をかけると火燐は、昼間に見せていた元気さなどどこにも見当たらないような声で、

「…一人じゃ怖いの…!…お兄ちゃんと一緒に寝ちゃダメ…?」

と、涙目プラス上目遣いと言う最強コンボで、俺を見る。
こんな風に妹にねだられて、NO !と、答えられる兄などこの世に存在するであろうか?!
否!
いないのである!(※彼はひどい偏見を持っています。)
そして俺もその一人。
結局、火燐と一緒に寝ることとなったのだった。


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