そして鬼と成る

文月くー

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その頃、俺は母と向き合っていた。

「どうしたの?改まって」

と母が言う。
俺も覚悟を決め、口を開く。

「母さん。俺は呪術技をやる。」

「駄目。」

もちろん即答だった。
だが、こうなることは予想済みだ。

「駄目だと言うなら、俺は家を出る。」

しかし、そこまで言っても母は頑なに、

「駄目。呪術技だけは駄目。雫、お母さんを悲しませないで?そんなものやらないで、しっかり勉強して!大学に行って、一流企業に入ってお母さんを喜ばせて?」

俺の中で、何かが切れた。
おもいっきり机を叩き、母に告げる。

「俺は母さんの操り人形じゃない。俺の将来は俺が決める。ただ母さんが言った通りのレールに乗っていったら、俺は本当にただの人形になってしまう。だから俺は家から出ていく。」

すると、母は、慌てたように、

「行く宛があるの!?ないでしょう!?」

「馬鹿にしてんの?行く宛もなく、こんなこと言うはずがないでしょ。俺は父さんの所に行く」

母は絶望したように、

「…行かないで…」

という。
しかし、

「母さん。俺は行くよ。」

と、言い残し、家を出たのだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

家からでると、、一代の黒いリムジンが止まっていた。
えーっと、父さんに迎えを頼んだはずなんだけど…。
と思っていると、中から1人の男が降りてきた。

「お待ちしておりました。私は菊影と申します。雫様の専属の執事をでございます。よろしくお願い致します。」

嘘ー…。
まじで俺、お坊っちゃん的な、何かなのかな…?
と、とりあえずリムジンに乗り込み、新たな家へと向かうのだった。



*    *      *      *      *      *      *     *     *     *      *     *          *    *      *      *      *



着いたのは、山の上の、大きな御屋敷だった。

「着きました。ここが、雫様の御屋敷でございます。」

で、でかい…!とにかくでかい!

「あのー、菊影さん。ここの土地ってどのぐらいあるの??てか、ここ本当に静岡県??」

と、聞く。
すると、

「はい。ここは静岡県です。ですが、春峰高校からは少し離れていまして、高校までは一時間くらいかと。土地の方ですが、この山1つが所有地ですので詳しいことは。お調べいたしましょうか?」

と、聞いてくる。
しかし、もう十分わかった。

「いや、いいよ。で、この土地と屋敷は父さんのなんでしょ?」

「いえ。ここの土地と、御屋敷は、雫様の名義に変更されております故、ここの所有者は雫様でございます。」

まじかー。
俺がここの所有者とか。
驚きながらも、屋敷の中に入っていくのだった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ここには色々なものが完備されていた。
まず、ジム。そして、プール。
次に運動場に体育館。
そして、呪術技場まであった。
どんだけじゃ!と、思ったが、だがここは素直に父さんに感謝していた。


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