そして鬼と成る

文月くー

文字の大きさ
上 下
6 / 16

体験入部3(模擬戦)

しおりを挟む
「悪いな、集合してもらって。今から、模擬戦をやろうと思う。一年対レギュラーだ。丁度経験者が五人いるようだしな。その五人で上手くやってくれ。
おっと、忘れていた。
俺は、呪術技部部長兼主将の不知火蕉〈しらぬいしょう〉だ。で、隣のイケメンの優男が、副将の黒神涼真〈くろがみりょうま〉。さぁ、準備を始めてくれ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

15分が経過し、3年生から審判が出てきてルール説明を始めた。

「まず、先鋒戦から。最後が大将戦です。5試合で、勝ち数の多い方の勝ちです。また、スクリーンに、5つに分けられたバーがありますが、それが体力値、つまりHPです。一ブロック800となっているので、合計4000が最大値です。
そして制限時間は、15分。15分経っても決着が着かなかった場合は、HPの多い方の勝ちです。
以上が呪術技のルールです。
では、先鋒戦、東、レギュラーチーム、西尾玲〈にしおあきら〉。西、一年チーム、時宗忍〈ときむねしのぶ〉。」

二名は中央に出てくる。レギュラーチームの西尾先輩は、次期主将とまで言われている強者だ。しかしこちらも、全国に出た事のある時宗だ。勝てなくとも、少しは西尾先輩相手に食い下がるだろう。

「それでは、始め!!」

一瞬だった。
そう。
そのぐらい西尾先輩は強かった。伊達に強豪校のレギュラーに選ばれている訳ではなかったらしい。
続く次鋒戦、中堅戦も同じように負けた。
特に、中堅戦のレギュラーチームの、水輝七海〈みずきななみ〉と言う人が、メチャクチャ強かった。
俺も、まさかマネージャーだと思っていた人がレギュラーだっなんて!、と驚いているが、しかしそんな場合ではないのだ。
なぜなら、次の副将戦、つまり俺の番なのだか、その相手がエースの黒神涼真なのである。
全く笑えない話だ。
だが当然、そんな心情を察してくれるわけでもなく、審判は無情にも、試合を始めた。

「東、黒神涼真。西、月詠雫。それでは、始め!!」

のちに、〝鬼神の目覚め〟と呼ばれる闘いが、今、始まったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

吹奏楽部

Nal
青春
コントラバスを弾く女の子のお話。

全力でおせっかいさせていただきます。―私はツンで美形な先輩の食事係―

入海月子
青春
佐伯優は高校1年生。カメラが趣味。ある日、高校の屋上で出会った超美形の先輩、久住遥斗にモデルになってもらうかわりに、彼の昼食を用意する約束をした。 遥斗はなぜか学校に住みついていて、衣食は女生徒からもらったものでまかなっていた。その報酬とは遥斗に抱いてもらえるというもの。 本当なの?遥斗が気になって仕方ない優は――。 優が薄幸の遥斗を笑顔にしようと頑張る話です。

僕は☓っぽいけど○だから☓子校に行くなんて間違ってる!

だらけたい
青春
 僕は○なんだ。  でも、なぜか☓っぽくみられてしまう。  普通にやってるのに☓っぽいと言われてしまう。  そして、なぜかついには☓子校に通うことになってしまった。  ホントになんでこんなことになってしまったんだ!  何度でも言うよ!僕は○なんだ!!誰がなんと言おうと○なんだ!!!

あずさ弓

黒飛翼
青春
有名剣道家の息子として生まれる来人。当然のように剣道を始めさせられるも、才能がなく、親と比較され続けてきた。その辛さから非行を繰り返してきた彼は、いつしか更生したいと思うようになり、中学卒業を機に地元を出て叔母の経営する旅館に下宿することに決める。 下宿先では今までの行いを隠し、平凡な生活を送ろうと決意する来人。 しかし、そこで出会ったのは先天性白皮症(アルビノ)を患う梓だった。彼女もまた、かつての来人と同じように常人と比較されることに嫌気がさしているようで、周囲に棘を振りまくような態度をとっていた。来人はそんな彼女にシンパシーを感じて近づこうとするのだが、彼女はさらに重いものを抱えていたようで…… 来人の生き様と梓の秘密が絡み合ったとき。そこに生まれる奇跡の出来事は必見―。

OH MY CRUSH !!

文月 七
青春
一目惚れした女の子を探すために、倖尊は奔走する!

あしたのアシタ

ハルキ4×3
青春
都市部からかなり離れた小さな町“明日町”この町の私立高校では20年前に行方不明になった生徒の死体がどこかにあるという噂が流れた。

火花 ~ハラカラ五分の四~

hakusuya
青春
両親を知らず母方祖父と叔父一家に育てられた鮎沢火花は、高校一年生の終わり、父方一族の存在を知らされる。余命が短い父方祖父の後継として離れ離れになっていたきょうだいと共同生活をすることになった火花は、恋焦がれた女子たちとの関係を清算して。生まれ育った地に別れを告げた。(故郷 佐原編) 裕福な子女が通う私立高校に転校し、地味で目立たない男子として学園デビューを果たした火花は、姉妹との関係を公にしないまま未知の学園生活に身を置いた。(御堂藤学園二年生編)

壺花

戸笠耕一
青春
唐橋近美は京都にある堂上学園に合格し、四月から高校一年生になる。外部の生徒として最初は疎外感を感じつつも、清水谷榮子と同じ寮室で生活をしていくうちになじんでいく。ある日、榮子を敵対視する山科結衣が近美に興味を持ち始める。学生時代という少女たちは壺に収まった花。6つの若き花が織りなす青春ストーリー。

処理中です...