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実力テスト
しおりを挟む「さて、今日はテストだ。」
うん。
…はぁぁぁぁ?!
聞いてないんだけど!?
「あぁ、そうだ。アスタロト、今日はテストだ。昨日言おうと思っていたのだが、うっかり忘れてたな。ハッハッハ。」
こいつぶっ殺して良いかな?
さすがに、殺気が漏れていたようで、教室全体が緊迫した空気になる。
「と、とりあえず落ち着け。人間、誰にでも、ミスはあるさ。」
多少ムカつくが、とりあえず殺気を抑える。
「では、着替えて闘技場に集まれー」
てか、筆記のテストじゃないのか。
なら、あそこまでキレる必要なかったかも…。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
全員、闘技場に、集まったことで、テストが始まった。
聞いたところによると、何でもこのテストで、総合ランクが決まるらしい。
なので、全員が全員、本気で、テストを受けていた。
テストの内容は、教師との、1対1の模擬戦だ。
もちろん、総合なので、魔法と剣術が使えなければ、話にならないが、全員、自分の得意なところでカバーしつつ、戦っている。
流石は、二年生と言ったところだ。
「次、エルリカ=メルアーデ。」
「はい!」
お、エルの番だ。
両者、構える。
「始め!」
一瞬だった。
俺には見えていたが、他の者には全く分からなかっただろう。
「…参った。」
『うぉぉぉぉ!!』
歓声が上がる。
やっぱりエルは凄い。
そして、そんな彼女に刺激されたのか、その後の奴らは、キレが、凄かった。
ついに、俺の番になった。
「次、シルフィアス=アスタロト」
「はい。」
俺は、前にでた。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
模擬戦の相手を務めていた、教師のグレン=ユーりは、生きている気がしなかった。
なぜなら、今まで、全く殺気も出さず、さらには、魔力まで感じさせなかった少年が、向かい合った瞬間、圧倒的な殺気を、噴火したように、膨れ上がらせ、ほとばしらせたからだ。
それどころか、オーラのように、殺気が少年の周りからほとばしっているのが、目で確認出来る程なのだ。
こんなの勝てる訳がない。
エルリカ=メルアーデの方が、まだ可愛いぐらいなのだから。
先生と言う、プライドだけを頼りに、剣を構えるのだった。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
「始め!」
この人相手なら、剣をを抜く必要すらないのだが、一応、短剣を構える。
仕方ない。
一応、詠唱はしておこう。
剣の刀身に漆黒の魔方陣が、浮かぶ。
「ほとばしれ、我が魔力よ。混沌と煉獄の契約をもちて、剣に宿りて、その力を解き放て」『煉月』
そして、短剣を振る。
すると、短剣から、黒炎の刃が放たれた。
「な…?!くっ…!!」
諦めてしまったようなので、『煉月』を、寸止めする。
「…ま、参った。」
こうして、テストは無事に終わったのだった。
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