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ふしぎなスイートピー

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 今日は、青空が広がって、ぽかぽかあったかいです。
「春がきたみたいね~」
 おかあさんは、ベビーカーに乗っているあこちゃんに話しかけました。
「ばぶ ばぶ」
 あこちゃんは、小さなおくちをうごかします。
「早く、あこちゃんとおしゃべりしたいなぁ」
 おかあさんは、あこちゃんとおしゃべりするのを楽しみに待っているのでした。
 すると、どこからか、めがねのおばあちゃんがやってきました。
「かわいい赤ちゃんだね~。このお花をあげるよ」
 1輪のスイートピーをくれました。
 ピンク色で、フリルのようなかわいいスイートピーです。
「かわいい! もう春ですね。ありがとうございます!」
 おかあさんは、大喜び。
 ベビーカーのあこちゃんに、スイートピーをみせました。
「ほうら、かわいいでしょ。お・は・な」
 あこちゃんは、スイートピーをじっとみています。
「おはな、きれいね~」
 おかあさんは、あこちゃんに話しかけます。
 あこちゃんは、まだじっとスイートピーをみつめています。
 そのとき、ふわっとあたたかい風が吹きました。
 スイートピーが、あこちゃんにしか聞こえない声で、
「あこちゃん、ママがそばにいるよ」
とささやきました。
 あこちゃんは、にこっと笑うと、
「マ・マ」
と言いました。
「えっ? 今、ママって言った? あこちゃん、ママって言えたね~」
 おかあさんは、うれしそうに笑うと、あこちゃんを抱き上げました。
 そして、あこちゃんにスイートピーの花を持たせます。
「かわいいスイートピーさんのおかげでおしゃべりできたのかな?」
 おかあさんは、あこちゃんをぎゅーっと抱きしめました。
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