山のうんどうかい

 いまは、あき。
 きょうは、山のうんどうかいです。
 それなのに、みあげると、いまにもなきだしそうなそら。

 きつねくんは、(そらをわらわせたいなぁ)とおもいました。
「ふたりで、おもしろいはなしをしようよ」
 たぬきくんをさそって、ごにょごにょ耳もとではなしています。
 やがて、きつねくんとたぬきくんがならんで、おもしろいはなしがはじまりました。
「たぬきくん、てぬきしてかけったら、あきまへんで」
「なにいうてますのや、きつねくん。あんたこそ、おしりを、つねって、はようはしりんさいよ」
「なんじゃそりゃ」

 ずっこけてみたものの、そらをみあげると、まだそらはなきそうです。
(おもしろくなかったかなぁ。そらがよろこぶことってなにかなぁ) 
 ふたりは、かんがえます。
 きつねくんが、いいます。
「そうだ、くまのおばちゃんにきいてみよう」
「うん、そうしよう」
 きつねくんとたぬきくんは、くまのおばちゃんにあいにいきました。
 おばちゃんは、ちょっとかんがえてから、いいました。
「そうだねぇ。そらには、もうしんだじいちゃんやばあちゃんが、たくさんいるから、じいちゃんやばあちゃんのすきな、おはぎをつくって、山のおてらにおそなえしたらどうだい?」
 さっそく、きつねくんとたぬきくんは、山のなかまをよんできました。
 うさぎさんが、あずきをたいて、りすさんが、さとうをまぜて、あんこをつくります。
 さるくんが、もちごめとおこめをまぜてたいて、ちょっとつぶしてまるめていきます。
 せっせ せっせ とつくります。
 あまくておいしいおはぎが、どっさりできました。
 そして、みんなで、おはぎを、おてらにもっていきます。
 おてらにおそなえすると、みるみるうちにそらは、はれわたり、まるで、わらっているようです。

 まっさおなそらのした、山のみんなは、うんどうかいをはじめました。
 たまいれに、つなひき。
 みんな、わいわい、がんります。
 そして、さいごは、かけっこ。
 せんしゅは、きつねくんとたぬきくん、さるくん、りすさんです。

 よーい、ドン!

 きつねくんとたぬきくんが、とびだしました。
 たぬきくんは、てぬきしません。
 きつねくんも、おしりをつねって、はしります。
 ふたりならんで、せんとうをはしっています。
 そして、なんと、ふたりいっしょに、ゴールしました。
 みんな、おおよろこび。
 とてもたのしい一日でした。
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