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その後の章
その後の二人 『海を越える恋』7
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僕はベッドに押し倒され、あっという間に着ていたセーターを脱がされてしまった。
「本当に俺のシャツだね」
「うん、さっき言ったよ……わっ」
満面の笑みを浮かべるKaiくんの両腕で、ぎゅーっと抱きしめられる。15cm以上の身長差、圧倒的な体格差があるから、あんまり強く抱かれると、息が上がってしまう。
「どっどうしたの?」
シャツの袖口の長くて折っていた部分をくるくると戻されたので、僕の指先は袖口に隠れていく。
「袖が長いところとか、ほんと可愛いんだけど、あーどうしたらいいん。食べちゃいたいくらい可愛い」
耳まで赤くなるような睦言が何の躊躇いもなく降って来て、恥ずかしいけれども嬉しくて幸せで、まるで大きな湯たんぽを抱いているようにポカポカしてくるよ。
「着たまま抱いてもいい?俺のシャツ着てくれている優也さんを丸ごと抱きたいんだ」
蕩ける言葉は、そのまま僕の心も蕩けさせてしまう。
無言で頷くと、Kaiくんの大きな手が器用にシャツのボタンを外していく。
「ふっ」
「んっどうした?」
「いや、さっき着たばかりのシャツなのに、もう脱がされているなと思って」
「何度でも脱いだり着せたりしたいよ。もう日本に帰したくない」
思わず零れるKaiくんの本音。
「うん……僕も帰りたくない」
それに呼応するように答える、僕の言葉も本音だ。ボタンは最後の一つまで丁寧に外され、僕の薄い胸が露わになると、Kaiくんの舌がちろりと乳首を舐めてきた。
昨日何度も触られて赤くなっているそこは、今とても敏感で困ってしまうほど。執拗に舐められると、すぐに声が漏れてしまう。
「んっ……ん…」
「辛くない?」
「なにが?」
「ん、何度も昨日から抱かせてもらっているから、優也さんの負担になっていないか心配で」
「そんなこと……欲しいのは僕も同じなのに」
僕の躰の心配をこんな時にもしてくれるんだね。
とても男らしいのに、どこまでも優しいKaiくん。
君だからだよ。僕のことを宝物のように抱いてくれるから、僕だって貪欲になってもっともっと欲しくなる。
何度も何度も……君のことを躰の中で感じたくなる。
僕たちは本当に相性がいいんだね。
お互いのプラスとマイナスが、凸凹がぴったりとあてはまる関係なんだよ。
躰だけじゃない。心も。言葉も。
僕はKaiくんに満たされ続けている。
指先で乳首に刺激を与えられ、その間も優しいキスと優しい言葉が降り続け、やがて下半身に触れてくれる時には、もう僕もじれったいほどの熱を持て余し、早く触れてといわんばかりに腰をあげ、求めてしまう。
Kaiくんと繋がる。
Kaiくんを受け入れる。
Kaiくんを感じる。
どれも忘れ難い熱風のようなひと時。
あと一度……もう一度だけと結局三回も求めあった。
少しも嫌じゃなかった。僕も求めたから。
すべてが果てバスルームで躰を綺麗にしてもらっていると、Kaiくんが別れを惜しんでいるのがひしひしと伝わって来る。僕の髪をドライヤーで乾かし、新しい下着をつけてくれ、最後にふわっと今度は違うシャツを着せてくれた。
「これもKaiくんのシャツだよ、でも今度はすぐに返せないよ」
「取りに行く。近いうちに……だから日本に連れて帰って」
どこか涙声のKaiくん。
そうだ寂しいのは僕だけじゃないんだ。
「Kaiくん……遠距離、大丈夫?」
「優也さん?」
「なに?」
「なんか年上みたいだ……それ」
少し潤んだ目で囁かれて、ぐっとくる。
「だって僕はKaiくんより五歳も年上だよ。忘れたのか?」
「いや……なんかびっくりした」
「そうだね。僕もびっくりした。今まで遠距離恋愛をしたことがなくて、本当は会いたいのをずっと我慢していて……でもこうやって会ってしまうと、遠距離のままにはしたくないなと思った。僕はKaiくんと生きていきたいって本当に思っているから、この先どうしたらいいんだろうか」
「ありがとう。でも無理しないで、日本でいろいろあるんだろう。ゆっくりでいいから。焦って失くすことのないように、ゆっくりしっかり答えを二人で見つけようよ」
その通りだと思う。
もう焦って駄目にしたくない。
「ありがとう。Kaiくんのこと大切に思っている」
だぶだぶのシャツを着たままKaiくんに抱きつくと、Kaiくんが困ったように眉を寄せた。
「あぁまずいよ。それ優也さん、すごい可愛い恰好だって知っている?」
「えっ何のこと?」
不思議に思いKaiくんの目線を追うと、部屋の入口脇の大きな鏡に、大きなシャツだけを身に着けて、下半身剥き出しの僕が、背伸びしてKaiくんに抱きついていた。
僕の生足は何故か酷く淫らで、とてつもなくいやらしくて、火が付いたように赤面してしまった。
「本当に可愛いな。優也さんの恥じらい……そういうところも好きだよ。あぁもうそろそろ時間だね」
Kaiくんは優しく目を細め、ちゅっちゅっと啄むような軽いキスで、僕を送り出してくれる。
すでにこの時点で、飛行機の離陸時間まで三時間を切っていた。
急がないと……それは分かっているのに、今までで一番名残惜しく感じていた。
「本当に俺のシャツだね」
「うん、さっき言ったよ……わっ」
満面の笑みを浮かべるKaiくんの両腕で、ぎゅーっと抱きしめられる。15cm以上の身長差、圧倒的な体格差があるから、あんまり強く抱かれると、息が上がってしまう。
「どっどうしたの?」
シャツの袖口の長くて折っていた部分をくるくると戻されたので、僕の指先は袖口に隠れていく。
「袖が長いところとか、ほんと可愛いんだけど、あーどうしたらいいん。食べちゃいたいくらい可愛い」
耳まで赤くなるような睦言が何の躊躇いもなく降って来て、恥ずかしいけれども嬉しくて幸せで、まるで大きな湯たんぽを抱いているようにポカポカしてくるよ。
「着たまま抱いてもいい?俺のシャツ着てくれている優也さんを丸ごと抱きたいんだ」
蕩ける言葉は、そのまま僕の心も蕩けさせてしまう。
無言で頷くと、Kaiくんの大きな手が器用にシャツのボタンを外していく。
「ふっ」
「んっどうした?」
「いや、さっき着たばかりのシャツなのに、もう脱がされているなと思って」
「何度でも脱いだり着せたりしたいよ。もう日本に帰したくない」
思わず零れるKaiくんの本音。
「うん……僕も帰りたくない」
それに呼応するように答える、僕の言葉も本音だ。ボタンは最後の一つまで丁寧に外され、僕の薄い胸が露わになると、Kaiくんの舌がちろりと乳首を舐めてきた。
昨日何度も触られて赤くなっているそこは、今とても敏感で困ってしまうほど。執拗に舐められると、すぐに声が漏れてしまう。
「んっ……ん…」
「辛くない?」
「なにが?」
「ん、何度も昨日から抱かせてもらっているから、優也さんの負担になっていないか心配で」
「そんなこと……欲しいのは僕も同じなのに」
僕の躰の心配をこんな時にもしてくれるんだね。
とても男らしいのに、どこまでも優しいKaiくん。
君だからだよ。僕のことを宝物のように抱いてくれるから、僕だって貪欲になってもっともっと欲しくなる。
何度も何度も……君のことを躰の中で感じたくなる。
僕たちは本当に相性がいいんだね。
お互いのプラスとマイナスが、凸凹がぴったりとあてはまる関係なんだよ。
躰だけじゃない。心も。言葉も。
僕はKaiくんに満たされ続けている。
指先で乳首に刺激を与えられ、その間も優しいキスと優しい言葉が降り続け、やがて下半身に触れてくれる時には、もう僕もじれったいほどの熱を持て余し、早く触れてといわんばかりに腰をあげ、求めてしまう。
Kaiくんと繋がる。
Kaiくんを受け入れる。
Kaiくんを感じる。
どれも忘れ難い熱風のようなひと時。
あと一度……もう一度だけと結局三回も求めあった。
少しも嫌じゃなかった。僕も求めたから。
すべてが果てバスルームで躰を綺麗にしてもらっていると、Kaiくんが別れを惜しんでいるのがひしひしと伝わって来る。僕の髪をドライヤーで乾かし、新しい下着をつけてくれ、最後にふわっと今度は違うシャツを着せてくれた。
「これもKaiくんのシャツだよ、でも今度はすぐに返せないよ」
「取りに行く。近いうちに……だから日本に連れて帰って」
どこか涙声のKaiくん。
そうだ寂しいのは僕だけじゃないんだ。
「Kaiくん……遠距離、大丈夫?」
「優也さん?」
「なに?」
「なんか年上みたいだ……それ」
少し潤んだ目で囁かれて、ぐっとくる。
「だって僕はKaiくんより五歳も年上だよ。忘れたのか?」
「いや……なんかびっくりした」
「そうだね。僕もびっくりした。今まで遠距離恋愛をしたことがなくて、本当は会いたいのをずっと我慢していて……でもこうやって会ってしまうと、遠距離のままにはしたくないなと思った。僕はKaiくんと生きていきたいって本当に思っているから、この先どうしたらいいんだろうか」
「ありがとう。でも無理しないで、日本でいろいろあるんだろう。ゆっくりでいいから。焦って失くすことのないように、ゆっくりしっかり答えを二人で見つけようよ」
その通りだと思う。
もう焦って駄目にしたくない。
「ありがとう。Kaiくんのこと大切に思っている」
だぶだぶのシャツを着たままKaiくんに抱きつくと、Kaiくんが困ったように眉を寄せた。
「あぁまずいよ。それ優也さん、すごい可愛い恰好だって知っている?」
「えっ何のこと?」
不思議に思いKaiくんの目線を追うと、部屋の入口脇の大きな鏡に、大きなシャツだけを身に着けて、下半身剥き出しの僕が、背伸びしてKaiくんに抱きついていた。
僕の生足は何故か酷く淫らで、とてつもなくいやらしくて、火が付いたように赤面してしまった。
「本当に可愛いな。優也さんの恥じらい……そういうところも好きだよ。あぁもうそろそろ時間だね」
Kaiくんは優しく目を細め、ちゅっちゅっと啄むような軽いキスで、僕を送り出してくれる。
すでにこの時点で、飛行機の離陸時間まで三時間を切っていた。
急がないと……それは分かっているのに、今までで一番名残惜しく感じていた。
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