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出逢いの章
集う想い 21
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洋くんが僕にそっとカーディガンを羽織らせてくれ、それから背中を優しくトンっと押してくれた。
それによって僕は一歩また一歩と前へと歩き出した。
「さぁもう行かないと。今、優也さんを待ってくれる人の所に飛び込んで」
「洋くん……ありがとう」
「優也さんは汚れてなんかいない。だから自信を持って!」
その言葉にも背中を押され、Kaiくんのもとへ向かう足が自然に早まっていく。
僕とKaiくんの間を遮るものは、もう何もない。
月光の下、一歩また一歩と近づきあう影。
それからKaiくんが振り向き、僕に向かって大きく手を伸ばしてくれた。
真っすぐに伸びて来た手を、僕はしっかりと掴んだ。
ふたりの手は、やっと一つに重なった。
Shin Kaiくん
僕は今日完全に一つの恋を終え、新しい恋を始めることが出来るよ。
君は僕を深海の底から引き上げてくれ、新しい世界を見せてくれる人。
「僕はKaiくんのことを愛してる」
僕の方からKaiくんの後頭部に手を回して引き寄せながら、そう囁いた。
さらに……
「Kaiくん、僕と共に歩んで欲しい」
その言葉にKaiくんは嬉しそうに笑い、大きく頷いた。
「優也さん、それ俺のセリフだよ。俺はあなたを迎えに来たんだ。俺と行こう」
僕がKaiくんの肩へ両手を置いて背伸びをすると自然に引き寄せられるように、僕たちの唇は静かに重なった。
思いの丈が込められた口づけだ。
僕もありったけの想いを膨らませて受け入れた。
外は嵐のような世界だと思っていたのに、そうじゃなかった。
ずっと傘をさして歩いてきたのに、そうじゃなかったんだ。
受け入れる心があれば、怖くない。
もう自分の心を解き放っていいんだ。
Kaiくんのこと……思う存分好きになってもいいんだね。
僕のすべてを知っても、それでも君は僕の傍にいてくれる。
そんな気持ちが伝わり、全身に流れ込んできた。
それからKaiくんが、ぐいと僕の腰を引き寄せ抱きしめた。
背がはるかに高いKaiくんの躰に、僕はすっぽりと包まれた。
上へ上へと、上昇していく。
前へ前へと進んで行く。
それはまるで深い海の底から一気に引き上げられていくような感覚だった。
もう僕は一人じゃない。
だから何も怖くない。
****
月光の下、一歩また一歩と近づきあう影。
深海に射し込む希望の光に手を伸ばし、重なるふたりの手。
まるで深い深い海の底から引き上げられていくような、美しい光景だった。
それによって僕は一歩また一歩と前へと歩き出した。
「さぁもう行かないと。今、優也さんを待ってくれる人の所に飛び込んで」
「洋くん……ありがとう」
「優也さんは汚れてなんかいない。だから自信を持って!」
その言葉にも背中を押され、Kaiくんのもとへ向かう足が自然に早まっていく。
僕とKaiくんの間を遮るものは、もう何もない。
月光の下、一歩また一歩と近づきあう影。
それからKaiくんが振り向き、僕に向かって大きく手を伸ばしてくれた。
真っすぐに伸びて来た手を、僕はしっかりと掴んだ。
ふたりの手は、やっと一つに重なった。
Shin Kaiくん
僕は今日完全に一つの恋を終え、新しい恋を始めることが出来るよ。
君は僕を深海の底から引き上げてくれ、新しい世界を見せてくれる人。
「僕はKaiくんのことを愛してる」
僕の方からKaiくんの後頭部に手を回して引き寄せながら、そう囁いた。
さらに……
「Kaiくん、僕と共に歩んで欲しい」
その言葉にKaiくんは嬉しそうに笑い、大きく頷いた。
「優也さん、それ俺のセリフだよ。俺はあなたを迎えに来たんだ。俺と行こう」
僕がKaiくんの肩へ両手を置いて背伸びをすると自然に引き寄せられるように、僕たちの唇は静かに重なった。
思いの丈が込められた口づけだ。
僕もありったけの想いを膨らませて受け入れた。
外は嵐のような世界だと思っていたのに、そうじゃなかった。
ずっと傘をさして歩いてきたのに、そうじゃなかったんだ。
受け入れる心があれば、怖くない。
もう自分の心を解き放っていいんだ。
Kaiくんのこと……思う存分好きになってもいいんだね。
僕のすべてを知っても、それでも君は僕の傍にいてくれる。
そんな気持ちが伝わり、全身に流れ込んできた。
それからKaiくんが、ぐいと僕の腰を引き寄せ抱きしめた。
背がはるかに高いKaiくんの躰に、僕はすっぽりと包まれた。
上へ上へと、上昇していく。
前へ前へと進んで行く。
それはまるで深い海の底から一気に引き上げられていくような感覚だった。
もう僕は一人じゃない。
だから何も怖くない。
****
月光の下、一歩また一歩と近づきあう影。
深海に射し込む希望の光に手を伸ばし、重なるふたりの手。
まるで深い深い海の底から引き上げられていくような、美しい光景だった。
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