まるでおとぎ話

志生帆 海

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おとぎ話の結末 2

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  そのまま膝頭を掴まれ左右に開脚されて、信じられない淫らな姿に唖然としてしまう。海里さんが巧みな舌で、僕を追い詰め出す。

「あ……駄目……そんなにしないで」
「柊一、柊一」
「ん……嫌だ……その声……響く」
「ここに?」
「海里さんっ……あっ」
「柊一、愛してるよ」

 艶めいた官能的な声だ。下半身を撫でられて、びくっと腰が浮く。
 色っぽい仕草で僕のものを舐め続ける海里さんの姿は、壮絶な色気に溢れていて蹴落とされてしまう程だ。

「いいね、柊一のここ、淡い色で綺麗で美味しいよ」
「そんな……」

 必死に内股に力を入れて閉じようとしても許してもらえない。それに気持ち良さが先走ってしまい、僕の先端から滴が零れては、海里さんにじゅっと吸い取られていく。

「まるで花の蜜だね」
「いやだ。そんな風に言うなんて…」

 海里さんの指が、とうとう僕の中へ潜りこんで来た。なにか滑りが良くなるクリームを纏っているので、痛みは少ない。でも違和感があって……

「少しづつ慣らしていこう」
「ん……んっ」

 怖くて慣れなくて、彼に必死にしがみ付いてしまった。

「怖い……」
「大丈夫。だいぶ広がって来たよ。ほら…」

 僕の襞の内側を長い時間をかけて広げるように弄られて、震えてしまう。最初は怖かったのに、今はもっと触れて欲しいとさえ思ってしまうなんて……気持ち良すぎて感じすぎて、窓を開けているのに汗まみれになっていると、彼の躰からふわっと白薔薇の香りが漂ったような気がした。

 触れられた部分が熱い。太腿や胸を、彼の手のひらが行き来するうちに、心も身体もすべてじっくりと解されていった。

 両親を失ってから頑なに閉ざされた心も、弟を守ろうと必死だった心も……何もかも緩んでいく。

「柊一は、これからはもう、ひとりで頑張りすぎないで欲しい」
「海里さん……」

 白薔薇が花弁がひらひらと散るように、僕の目からは大粒の涙が零れていた。

「ツンと澄ました君の外での姿にもそそられたが、おれの腕の中でそんな顔してくれるとはな……煽られるよ」

 一気に片脚を掴まれ彼の肩に担がれて、僕の震える中心がいよいよ丸見えになっていく。

「あぁ…うっ…」
「いくよ…」



 パーティーで出逢った僕たちは、今一つになっていく。
 深く強く、僕を貫いてくれる。
 僕を永遠に……この白薔薇の洋館につなぎとめて欲しい。

 ぐぐっと挿入される。

「あうっ」

 慣らしたとはいえ、初めての行為だ。破瓜の痛みを必死に呑み込んでいると、彼が心配そうに見つめてくれる。

「痛い?大丈夫か」
「うっ……」

「ずっと待っていた。この日を…君がおれのものになってくれる日を」
「それは……僕の台詞です。あなたは……僕の騎士みたいだ」

「ふっ、柊一は一見冷たそうな外見なのに、中は相当なロマンチストだな」
「なっ、そんなこと」

「いいよ、それで…それが可愛い」
「あっあ……」

 次の瞬間、ぐいっと躰を起こされ腰を支えられた。そのまま、まるで乗馬しているかの如く、彼の上で揺さぶられた。

 二人で草原を駆け抜けて原っぱに寝転んだような、ふかふかの温かい気持ちになって、共に果てた。



 見上げた青空は、どこまでも澄み渡っていた。
 青い空、緑の芝生。
 寝そべる僕たちの躰に、洋館の白薔薇が風に乗って舞い降りてきた。

 おとぎ話の結末は、きっとこうだ。

『白薔薇の咲くお城で、二人はいつまでも仲良く暮らしました』

 これは僕らだけのハッピーエンド。
 海里さんと僕が紡いでいく、これからの人生。
 全てはこの白薔薇の洋館で営まれていくだろう。

 海里さんあなたと!

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