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小学生編
心を込めて 47
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車が動き出すと、小さく驚く声が聞こえた。
「ママ……あそこにママがいるよ!」
玲子さん、来てくれたんだ。
最後まで望みを捨てなくてよかった。
彼女は出会った頃のようなハイヒールに女性らしさをアピールするような出で立ちではなく、ダウンコートにニットのマフラーを無造作に巻いて、寒空の下ぽつんと立っていた。
「ママに会いたいな。いい?」
芽生くんのそれは、とても素直な感情だよ。
だって、とても嬉しそうな顔をしている!
僕は自分がしたことが正しかったのか、そうではなかったのかハッキリせず、緊張していた。
玲子さんは、宗吾さんの妻だった人だ。
同時に芽生くんをこの世に生んでくれた母親だ。
お父さんとお母さんが別の人生を選んだから、すぐに会える距離や関係でなくなってしまったが、この世に生きている人だ。
「ママ!」
「芽生、退院おめでとう。ママ、一度もお見舞いに来られなくてごめんね」
お母さんと呼びかければ、生身の肉声が返って来る。
自分の名前を呼んでくれる。
それってね、とてもすごいことなんだよ。
奇跡なんだよ。
今回の入院を通して、僕は普段なら見ない光景に何度も遭遇した。
病院にお見舞いに行く度に、子供を入院させている親御さんと顔を合わせた。
給湯室で人知れず泣いているお母さん。
面会時間が終わり、別れが寂しくてエレベーターの中で、俯いて肩を震わせるお母さん。
そんな姿を見かける度に、僕の心は切なく揺らいだ。
だから一度思い切って宗吾さんに玲子さんに知らせなくていいのかと聞いてしまった。
「玲子とは、お互いに新しい伴侶を得たのだから、今の生活を第一でやっていこうと取り決めたから不要だ」と言われてしまい、ますます心が揺らいでしまった。
僕からアクションを起こしていいのだろうか。
後悔だけはしたくなかった。
僕に出来ることがあるのを、どうしても見過ごせなかった。
そこで僕ひとりの判断では迷いが生じるので、宗吾さんのお母さんを頼ることにした。
……
「まぁ瑞樹、あなただけどうしたの?」
「実は悩みがあって」
「お上がりなさい」
顔を見て、顔を見せて、きちんと相談したかった。
「お母さん、玲子さんに芽生くんの入院を知らせなくて本当にいいのでしょうか」
「瑞樹、よく聞いてくれたわね。実がそれ、私も気になっていたのよ。宗吾は頑なに玲子さんとの距離を離そうとしている節があって」
それって、もしかして―――
「私も基本的には、玲子さんは既に再婚してお相手との間にお子さんもいる身だから、それでいいと思うけれども、今回は例外だわ。私がもしも玲子さんの立場だったら、自分がお腹を痛めて産んだ子が病気で入院していたことを後から知るのは、酷かと――」
「お母さん、ありがとうございます。お陰で決心がつきました。僕から事情を話したいので、玲子さんに連絡を取っていただけませんか」
お母さんを介して、僕は玲子さんと話した。
芽生くんの入院を伝えると電話の向こうで息を呑み、驚いていた。
最近芽生くんの夢を何度も見て、胸騒ぎがしていたと打ち明けてくれた。
病院の住所は伝えた。
後の判断は任せると。
強要は出来ない。
だが、伝えたかった。
芽生くんが廊下を走ってリビングに入っていった。
大沼の両親にリビングで歓迎されている様子を遠目に見ながら、僕はもう一度宗吾さんに謝った。
「宗吾さん、玲子さんのこと、勝手なことをしてすみません」
「瑞樹、謝るなよ。ここは俺が謝る所だぞ。俺は独りよがりだった。芽生の気持ちも君の気持ちも無視して頑なに拒んですまなかった。玲子との別れたことに後悔はないが、別れ方が酷かったと反省しているんだ。大人の争いに巻き込まれたのは芽生だ。母親らしい気持ちが玲子には欠落していると疑っていた名残がまだあるのかもな。俺も心が狭いよな。瑞樹の寛大の心に救われたよ」
宗吾さんに玄関先で、すっぽりと抱きしめられた。
「瑞樹、優しい思いやりが溢れている君が好きだ。一緒にいると心が癒やされ、心が洗われ、小さな幸せを一緒に見つけたくなる君。いつも愛しているよ!」
「宗吾さん……よかった。僕……少しだけ怖かったです。余計なことしたかなって……怖くて……怖くて」
「すまない! 君にいらぬ気を遣わせてしまったな」
「……宗吾さん、宗吾さん、芽生くんの退院、嬉しいですね! また三人でここで暮らしていけるのですよね。僕も一緒に」
「当たり前だ! もう君無しの人生なんて考えられないよ」
感極まって唇を合わせたくなってしまった。
玄関先でギュッと抱き合っていると、インターホンが鳴ったので二人で雷に打たれたようにビクッとしてしまった。
リビングで、お父さんが対応してくれたようだ。
「宗吾くん、お届けものみたいだぞ――」
「ありがとうございます。俺が受け取ります」
宗吾さんと顔を見合わせて笑った。
「瑞樹、続きは……いつだ?」
「今日は三人で眠りましょう」
「それはそうだ! じゃあ週末を予約しても」
「はい……いいですよ」
「瑞樹、ほっとすると、急に腹が減るんだな」
「くすっ、そうですね」
やっと心の底から笑えた。
「ところで、宅配便って、何か頼んだのか」
「いえ、思い当たりませんが」
「何だろうな?」
ワクワクしていると、お届けものは憲吾さんからだった。
家電量販店の大きな箱だ。
何だろう?
僕たちは箱を抱えて、リビングに入った。
リビングは光の洪水だった。
キラキラ、輝いて見える!
ここに集う人が笑顔でいっぱいだから。
「芽生、憲吾おじさんからお届けものだぞ。宛名が芽生になっていて、お! 退院祝いと書いてあるぞ」
「わぁ~ おじさんから? なんだろう」
明けてみると、中から出て来たのはホームベーカリーだった。
「これなんだろう?」
「お家でパンを焼くマシーンだよ。すごいね!」
僕たちはワクワク中を覗き込んだ。
「よかったな。これがあれば朝から焼きたてパンが食べられるぞ」
「わぁ~ ボク、あたたかいものが、こいしかったよ・お兄ちゃん、つくってみようよ~」
芽生くんの目が生き生きと輝いている。
毎日が小さな幸せの欠片でキラキラしている。
これが僕らの日常だね。
やっとやっと戻ってきた場所だ。
「ママ……あそこにママがいるよ!」
玲子さん、来てくれたんだ。
最後まで望みを捨てなくてよかった。
彼女は出会った頃のようなハイヒールに女性らしさをアピールするような出で立ちではなく、ダウンコートにニットのマフラーを無造作に巻いて、寒空の下ぽつんと立っていた。
「ママに会いたいな。いい?」
芽生くんのそれは、とても素直な感情だよ。
だって、とても嬉しそうな顔をしている!
僕は自分がしたことが正しかったのか、そうではなかったのかハッキリせず、緊張していた。
玲子さんは、宗吾さんの妻だった人だ。
同時に芽生くんをこの世に生んでくれた母親だ。
お父さんとお母さんが別の人生を選んだから、すぐに会える距離や関係でなくなってしまったが、この世に生きている人だ。
「ママ!」
「芽生、退院おめでとう。ママ、一度もお見舞いに来られなくてごめんね」
お母さんと呼びかければ、生身の肉声が返って来る。
自分の名前を呼んでくれる。
それってね、とてもすごいことなんだよ。
奇跡なんだよ。
今回の入院を通して、僕は普段なら見ない光景に何度も遭遇した。
病院にお見舞いに行く度に、子供を入院させている親御さんと顔を合わせた。
給湯室で人知れず泣いているお母さん。
面会時間が終わり、別れが寂しくてエレベーターの中で、俯いて肩を震わせるお母さん。
そんな姿を見かける度に、僕の心は切なく揺らいだ。
だから一度思い切って宗吾さんに玲子さんに知らせなくていいのかと聞いてしまった。
「玲子とは、お互いに新しい伴侶を得たのだから、今の生活を第一でやっていこうと取り決めたから不要だ」と言われてしまい、ますます心が揺らいでしまった。
僕からアクションを起こしていいのだろうか。
後悔だけはしたくなかった。
僕に出来ることがあるのを、どうしても見過ごせなかった。
そこで僕ひとりの判断では迷いが生じるので、宗吾さんのお母さんを頼ることにした。
……
「まぁ瑞樹、あなただけどうしたの?」
「実は悩みがあって」
「お上がりなさい」
顔を見て、顔を見せて、きちんと相談したかった。
「お母さん、玲子さんに芽生くんの入院を知らせなくて本当にいいのでしょうか」
「瑞樹、よく聞いてくれたわね。実がそれ、私も気になっていたのよ。宗吾は頑なに玲子さんとの距離を離そうとしている節があって」
それって、もしかして―――
「私も基本的には、玲子さんは既に再婚してお相手との間にお子さんもいる身だから、それでいいと思うけれども、今回は例外だわ。私がもしも玲子さんの立場だったら、自分がお腹を痛めて産んだ子が病気で入院していたことを後から知るのは、酷かと――」
「お母さん、ありがとうございます。お陰で決心がつきました。僕から事情を話したいので、玲子さんに連絡を取っていただけませんか」
お母さんを介して、僕は玲子さんと話した。
芽生くんの入院を伝えると電話の向こうで息を呑み、驚いていた。
最近芽生くんの夢を何度も見て、胸騒ぎがしていたと打ち明けてくれた。
病院の住所は伝えた。
後の判断は任せると。
強要は出来ない。
だが、伝えたかった。
芽生くんが廊下を走ってリビングに入っていった。
大沼の両親にリビングで歓迎されている様子を遠目に見ながら、僕はもう一度宗吾さんに謝った。
「宗吾さん、玲子さんのこと、勝手なことをしてすみません」
「瑞樹、謝るなよ。ここは俺が謝る所だぞ。俺は独りよがりだった。芽生の気持ちも君の気持ちも無視して頑なに拒んですまなかった。玲子との別れたことに後悔はないが、別れ方が酷かったと反省しているんだ。大人の争いに巻き込まれたのは芽生だ。母親らしい気持ちが玲子には欠落していると疑っていた名残がまだあるのかもな。俺も心が狭いよな。瑞樹の寛大の心に救われたよ」
宗吾さんに玄関先で、すっぽりと抱きしめられた。
「瑞樹、優しい思いやりが溢れている君が好きだ。一緒にいると心が癒やされ、心が洗われ、小さな幸せを一緒に見つけたくなる君。いつも愛しているよ!」
「宗吾さん……よかった。僕……少しだけ怖かったです。余計なことしたかなって……怖くて……怖くて」
「すまない! 君にいらぬ気を遣わせてしまったな」
「……宗吾さん、宗吾さん、芽生くんの退院、嬉しいですね! また三人でここで暮らしていけるのですよね。僕も一緒に」
「当たり前だ! もう君無しの人生なんて考えられないよ」
感極まって唇を合わせたくなってしまった。
玄関先でギュッと抱き合っていると、インターホンが鳴ったので二人で雷に打たれたようにビクッとしてしまった。
リビングで、お父さんが対応してくれたようだ。
「宗吾くん、お届けものみたいだぞ――」
「ありがとうございます。俺が受け取ります」
宗吾さんと顔を見合わせて笑った。
「瑞樹、続きは……いつだ?」
「今日は三人で眠りましょう」
「それはそうだ! じゃあ週末を予約しても」
「はい……いいですよ」
「瑞樹、ほっとすると、急に腹が減るんだな」
「くすっ、そうですね」
やっと心の底から笑えた。
「ところで、宅配便って、何か頼んだのか」
「いえ、思い当たりませんが」
「何だろうな?」
ワクワクしていると、お届けものは憲吾さんからだった。
家電量販店の大きな箱だ。
何だろう?
僕たちは箱を抱えて、リビングに入った。
リビングは光の洪水だった。
キラキラ、輝いて見える!
ここに集う人が笑顔でいっぱいだから。
「芽生、憲吾おじさんからお届けものだぞ。宛名が芽生になっていて、お! 退院祝いと書いてあるぞ」
「わぁ~ おじさんから? なんだろう」
明けてみると、中から出て来たのはホームベーカリーだった。
「これなんだろう?」
「お家でパンを焼くマシーンだよ。すごいね!」
僕たちはワクワク中を覗き込んだ。
「よかったな。これがあれば朝から焼きたてパンが食べられるぞ」
「わぁ~ ボク、あたたかいものが、こいしかったよ・お兄ちゃん、つくってみようよ~」
芽生くんの目が生き生きと輝いている。
毎日が小さな幸せの欠片でキラキラしている。
これが僕らの日常だね。
やっとやっと戻ってきた場所だ。
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