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小学生編
花明かりに導かれて 26
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遊び疲れたいっくんはオレの膝に頭をのせて、すやすや眠ってしまった。
優美ちゃんも、兄貴の腕の中で気持ち良さそうに寝息をたてていた。
さぁ、そろそろ兄貴とゆっくり話せそうだ。
「潤、懐かれているんだな」
「そうなんだ。いっくんがオレを見つけてくれたんだ」
「へぇ、恋のキューピットって奴か」
「そうかもしれない。いっくんはすごいよ。今日も熊田さんを一番に見つけたんだ」
「ほほう、やっぱり本物の恋のキューピットだな」
兄貴の視線を辿ると、熊田さんと楽しそうに話す母さんが見えた。
一人の女性としての甘い笑顔だった。
これって、まさか、もしかして……?
母さん、そうなのか。
「なぁ潤、あの二人、なかなかいい雰囲気だな」
「オレもそう思った。年が近いのか盛り上がっているな」
「俺は母さんには苦労かけたから、今からでも幸せになって欲しいと思っているよ」
「オレも同じ気持ちだ」
以前のオレだったら、母さんを取られたと癇癪を起こし、違う反応をした気がする。でも今のオレは……母さんには肩の荷を下ろして、自分の時間を持って欲しいと思っている。
「潤が産まれて間もなく父さんが死んで、母さんはさぞかしショックだったろうな。二人の子供を育て瑞樹を引き取って、瑞樹を生かして……母さん必死にここまで生きてきたんだな」
「あぁ、母さんがいてくれなかったら、オレたち路頭に迷っていたよな。それに兄さんも……引き取り手がなかったら、施設に入れられるところだったんだろう?」
「その通りだ。それが可哀想で母さんと二人で瑞樹を連れてきたんだ」
兄貴もオレも、母さんを尊敬している。
だからこそ、幸せになって欲しい。
「じゃあ、俺はそろそろ大沼に戻りますので」
「あ、あの……」
「そうだ。名前を聞いても? お母さんじゃない、あなたの名前を」
うはー! やべっ!
聞いているこっちが照れる程の、初々しい会話だぜ。
「あの……私は葉山……咲子《さきこ》です」
「咲子さんか! 花が咲くの咲く!」
うはー!
次の会話が浮かぶぜ。
「あの熊田さんのお名前は?」
「俺は勇大《ゆうだい》です」
「まぁ、そのまんまだわ。ほんとくまさんみたい!」
「くまさんと呼んで下さい。さ……咲子さん」
「あの、咲さんか、さっちゃんでいいですよ」
さ、さ、さ……さっちゃん!!
か、母さん? キャラ崩壊か!
て、照れる!
聞いているこっちが、こそばゆい!
兄貴もオレも顔を見合わせて、真っ赤になっていた。
結局、熊田さんと母さんは連絡先を交換しあって、別れた。
このこと……兄さんが知ったら驚くだろうな。
まだ内緒にしておこう。
先のことは分からない。
母さんからの朗報を、静かに待つよ。
オレたちは大賛成だからな。
その晩、オレたちはいつの間にか2階の客間で寝ることになった。
「いっくん。お風呂はいらなかったわね」
「起こすのも可哀想だし、明日でいいよ」
「身体は拭いたし、大丈夫ね。よく眠っているわね」
菫さんが興味深そうに部屋を見回した。
「ここは誰のお部屋だったの?」
「兄さんの部屋だったよ。すぐ上の」
「もしかして、あの写真に写ってる?」
母さんがしまい忘れたのか、本棚に写真立てがあった。
宗吾さんと芽生くんと兄さんが笑っていた。
2月に遊びにきた時の写真だった。
「あ……あのさ」
まだ兄さんたちの写真は見せてなかった。
同性のパートナーと付き合っていることは話してはいたが。
「あ……この綺麗な人が、潤くんのお兄さんなのね」
「あ、あぁ……そうなんだ」
「潤くんが大事にしているお兄さんなのね。血は繋がらないけれども」
菫さんは何の偏見も持たずに、写真を温かく見守ってくれた。
「兄さんの名前は瑞樹。そしてこっちがパートナーの宗吾さんとその子供の芽生くんだ」
「お相手の人、シングルファザーなのよね」
「そうなんだ」
菫さんの顔を、じっと注意深く見つめた。
無理していないか、困らせていないか。
オレは自分勝手に生きてきて瑞樹をどん底に落とした過去があるから、もう二度と同じ轍を踏むことがないよう、用心深くなっていた。
「菫さん、写真を見たら……もしかして……現実なんだって驚いた?」
「ううん、潤くんと私、本当に縁があって良かったなって思っていたの。あのね……私、この前も話した通り、偏見とかないからね。アウトドアショップのお客さんにはいろんな方がいらして……とても仲良く同性カップルも何組も知っているの。皆さん、店員さんにも優しくて大好きなの」
菫さんがオレの手を握ってくれる。
「潤くん、今日は最初……緊張したけれども、くまさん騒動で吹っ飛んだし、お母さんとても優しい人で嬉しかったわ。私の立場を理解してくれて……やはり同じ境遇にいたからなのかな。女手一つで三兄弟を育てあげたお母さんを尊敬しているわ」
菫さんが母さんを褒めてくれる。
それが嬉しくて、心がポッとなる。
「菫さんがオレだけでなく、オレのまわりまで、すんなり受け入れてくれるのが、すごく嬉しいよ」
「潤くん」
そっと口づけ。
淡い口づけ。
続きは古風かもしれないが、結婚式の後だ。
「あっ! 結婚式のこと話すの忘れたな」
「明日話しましょう」
「模擬結婚式でもあるから、5月にする予定だが、それって早すぎる?」
「ううん、早くなんてない。私も同じ気持ちよ。いっくんもね」
「いっくんももちろん結婚式に参加してもらうよ」
オレたちはいっくんを挟んで、手を繋いで眠った。
ここは、兄さんの部屋だった。
素直な心になれば、こんなに居心地のよい場所だったのか。
突っ張って突っぱねていた頃は、窮屈で狭い家だと思っていたのに。
「潤くん……塗り替えていこう。私達で」
「菫さん……」
何を話したわけではないのに、何かを察してくれる菫さん。
「大切にする。菫さんといっくんを置いて逝くしかなかった、彼の無念の分も」
「ありがとう。私も潤くんを大切にする。私の唯一無二の人」
****
3人で、お風呂に入った。
正直に言うとマンションのバスルームは男三人で入るにはもう無理があるが、今日の僕たちは、ずっとくっついていたい気分だった。
「お兄ちゃん、ボクのいれたパンツはいてくれてありがとう~」
「お礼を言われると恥ずかしいな」
「ふふ。ころんじゃったんだね。きをつけないとだめだよ」
「わ! 芽生くん、最近お兄ちゃんになったね」
「もうすぐ二年生だもん、1年生じゃないもん」
「そうだね」
そう言いながらも、芽生くんはペロッと可愛く舌を出した。
「でもね、ボクもしりもちついちゃったんだ」
「それは痛かったね」
「うん……ほんとはね、ちょっと痛かったんだ」
「おいで」
「うん!」
芽生くんは湯船の中で、僕にくっついてきた。
お兄ちゃんと赤ちゃんとの間をふわり、ふわり――
湯船の中だと、芽生くんの体重が軽く感じるので、そのまま赤ちゃんのように横抱きにしてあげた。
「わ、ボク、赤ちゃんみたい」
そういえば、芽生くんの赤ちゃんの時って、どんなだったのだろう。
過去には遡れないが、少しだけ見たくなった。
「お兄ちゃん……こんどはいっしょにこうえんにいこうね」
「うん。約束しよう」
「あのね、ここにちゅっして」
「くすっ、いいよ」
ほっぺたにチュッとすると、身体を洗っていた宗吾さんが羨ましそうな顔をした。
だから僕は甘く微笑む。
「俺にもそれしてくれ」
「パパにもしてあげよう」
「うん!」
宗吾さんの頬に芽生くんと僕から、泡のキス。
「幸せだな~ 俺、目尻の皺が増えそうだよ」
「宗吾さんはいつまでも若いですよ」
「だよな。よーし、がんばるぞ」
「え? そ、そんなには頑張らなくていいですよ?」
「あぶ、あぶぶ」
「ふふ、芽生くん、赤ちゃんの真似してくれたの?」
「うん。いつか夢が叶うなら、お兄ちゃんに見せてあげたいな、赤ちゃんのころのボク」
僕たちのしあわせは、三人でくっついていると、より大きく膨らむみたいだ。
一人よりも二人、そして、家族。
孤独の殻に閉じこもっていた頃には感じられなかった、満ちていく感覚に身を委ねよう。
あとがき (不要な方は飛ばして下さい)
****
現実は、こんなに都合よくいかないでしょう。
でも、こんな世界があってもいいかなと思い、毎日綴っています。
お話の中くらいは平和で和やかで、人と人が違いを認め合える世界であって欲しいなと……
私の話はそんな方向なのです🍀そろそろ、この節もおしまいになります。
優美ちゃんも、兄貴の腕の中で気持ち良さそうに寝息をたてていた。
さぁ、そろそろ兄貴とゆっくり話せそうだ。
「潤、懐かれているんだな」
「そうなんだ。いっくんがオレを見つけてくれたんだ」
「へぇ、恋のキューピットって奴か」
「そうかもしれない。いっくんはすごいよ。今日も熊田さんを一番に見つけたんだ」
「ほほう、やっぱり本物の恋のキューピットだな」
兄貴の視線を辿ると、熊田さんと楽しそうに話す母さんが見えた。
一人の女性としての甘い笑顔だった。
これって、まさか、もしかして……?
母さん、そうなのか。
「なぁ潤、あの二人、なかなかいい雰囲気だな」
「オレもそう思った。年が近いのか盛り上がっているな」
「俺は母さんには苦労かけたから、今からでも幸せになって欲しいと思っているよ」
「オレも同じ気持ちだ」
以前のオレだったら、母さんを取られたと癇癪を起こし、違う反応をした気がする。でも今のオレは……母さんには肩の荷を下ろして、自分の時間を持って欲しいと思っている。
「潤が産まれて間もなく父さんが死んで、母さんはさぞかしショックだったろうな。二人の子供を育て瑞樹を引き取って、瑞樹を生かして……母さん必死にここまで生きてきたんだな」
「あぁ、母さんがいてくれなかったら、オレたち路頭に迷っていたよな。それに兄さんも……引き取り手がなかったら、施設に入れられるところだったんだろう?」
「その通りだ。それが可哀想で母さんと二人で瑞樹を連れてきたんだ」
兄貴もオレも、母さんを尊敬している。
だからこそ、幸せになって欲しい。
「じゃあ、俺はそろそろ大沼に戻りますので」
「あ、あの……」
「そうだ。名前を聞いても? お母さんじゃない、あなたの名前を」
うはー! やべっ!
聞いているこっちが照れる程の、初々しい会話だぜ。
「あの……私は葉山……咲子《さきこ》です」
「咲子さんか! 花が咲くの咲く!」
うはー!
次の会話が浮かぶぜ。
「あの熊田さんのお名前は?」
「俺は勇大《ゆうだい》です」
「まぁ、そのまんまだわ。ほんとくまさんみたい!」
「くまさんと呼んで下さい。さ……咲子さん」
「あの、咲さんか、さっちゃんでいいですよ」
さ、さ、さ……さっちゃん!!
か、母さん? キャラ崩壊か!
て、照れる!
聞いているこっちが、こそばゆい!
兄貴もオレも顔を見合わせて、真っ赤になっていた。
結局、熊田さんと母さんは連絡先を交換しあって、別れた。
このこと……兄さんが知ったら驚くだろうな。
まだ内緒にしておこう。
先のことは分からない。
母さんからの朗報を、静かに待つよ。
オレたちは大賛成だからな。
その晩、オレたちはいつの間にか2階の客間で寝ることになった。
「いっくん。お風呂はいらなかったわね」
「起こすのも可哀想だし、明日でいいよ」
「身体は拭いたし、大丈夫ね。よく眠っているわね」
菫さんが興味深そうに部屋を見回した。
「ここは誰のお部屋だったの?」
「兄さんの部屋だったよ。すぐ上の」
「もしかして、あの写真に写ってる?」
母さんがしまい忘れたのか、本棚に写真立てがあった。
宗吾さんと芽生くんと兄さんが笑っていた。
2月に遊びにきた時の写真だった。
「あ……あのさ」
まだ兄さんたちの写真は見せてなかった。
同性のパートナーと付き合っていることは話してはいたが。
「あ……この綺麗な人が、潤くんのお兄さんなのね」
「あ、あぁ……そうなんだ」
「潤くんが大事にしているお兄さんなのね。血は繋がらないけれども」
菫さんは何の偏見も持たずに、写真を温かく見守ってくれた。
「兄さんの名前は瑞樹。そしてこっちがパートナーの宗吾さんとその子供の芽生くんだ」
「お相手の人、シングルファザーなのよね」
「そうなんだ」
菫さんの顔を、じっと注意深く見つめた。
無理していないか、困らせていないか。
オレは自分勝手に生きてきて瑞樹をどん底に落とした過去があるから、もう二度と同じ轍を踏むことがないよう、用心深くなっていた。
「菫さん、写真を見たら……もしかして……現実なんだって驚いた?」
「ううん、潤くんと私、本当に縁があって良かったなって思っていたの。あのね……私、この前も話した通り、偏見とかないからね。アウトドアショップのお客さんにはいろんな方がいらして……とても仲良く同性カップルも何組も知っているの。皆さん、店員さんにも優しくて大好きなの」
菫さんがオレの手を握ってくれる。
「潤くん、今日は最初……緊張したけれども、くまさん騒動で吹っ飛んだし、お母さんとても優しい人で嬉しかったわ。私の立場を理解してくれて……やはり同じ境遇にいたからなのかな。女手一つで三兄弟を育てあげたお母さんを尊敬しているわ」
菫さんが母さんを褒めてくれる。
それが嬉しくて、心がポッとなる。
「菫さんがオレだけでなく、オレのまわりまで、すんなり受け入れてくれるのが、すごく嬉しいよ」
「潤くん」
そっと口づけ。
淡い口づけ。
続きは古風かもしれないが、結婚式の後だ。
「あっ! 結婚式のこと話すの忘れたな」
「明日話しましょう」
「模擬結婚式でもあるから、5月にする予定だが、それって早すぎる?」
「ううん、早くなんてない。私も同じ気持ちよ。いっくんもね」
「いっくんももちろん結婚式に参加してもらうよ」
オレたちはいっくんを挟んで、手を繋いで眠った。
ここは、兄さんの部屋だった。
素直な心になれば、こんなに居心地のよい場所だったのか。
突っ張って突っぱねていた頃は、窮屈で狭い家だと思っていたのに。
「潤くん……塗り替えていこう。私達で」
「菫さん……」
何を話したわけではないのに、何かを察してくれる菫さん。
「大切にする。菫さんといっくんを置いて逝くしかなかった、彼の無念の分も」
「ありがとう。私も潤くんを大切にする。私の唯一無二の人」
****
3人で、お風呂に入った。
正直に言うとマンションのバスルームは男三人で入るにはもう無理があるが、今日の僕たちは、ずっとくっついていたい気分だった。
「お兄ちゃん、ボクのいれたパンツはいてくれてありがとう~」
「お礼を言われると恥ずかしいな」
「ふふ。ころんじゃったんだね。きをつけないとだめだよ」
「わ! 芽生くん、最近お兄ちゃんになったね」
「もうすぐ二年生だもん、1年生じゃないもん」
「そうだね」
そう言いながらも、芽生くんはペロッと可愛く舌を出した。
「でもね、ボクもしりもちついちゃったんだ」
「それは痛かったね」
「うん……ほんとはね、ちょっと痛かったんだ」
「おいで」
「うん!」
芽生くんは湯船の中で、僕にくっついてきた。
お兄ちゃんと赤ちゃんとの間をふわり、ふわり――
湯船の中だと、芽生くんの体重が軽く感じるので、そのまま赤ちゃんのように横抱きにしてあげた。
「わ、ボク、赤ちゃんみたい」
そういえば、芽生くんの赤ちゃんの時って、どんなだったのだろう。
過去には遡れないが、少しだけ見たくなった。
「お兄ちゃん……こんどはいっしょにこうえんにいこうね」
「うん。約束しよう」
「あのね、ここにちゅっして」
「くすっ、いいよ」
ほっぺたにチュッとすると、身体を洗っていた宗吾さんが羨ましそうな顔をした。
だから僕は甘く微笑む。
「俺にもそれしてくれ」
「パパにもしてあげよう」
「うん!」
宗吾さんの頬に芽生くんと僕から、泡のキス。
「幸せだな~ 俺、目尻の皺が増えそうだよ」
「宗吾さんはいつまでも若いですよ」
「だよな。よーし、がんばるぞ」
「え? そ、そんなには頑張らなくていいですよ?」
「あぶ、あぶぶ」
「ふふ、芽生くん、赤ちゃんの真似してくれたの?」
「うん。いつか夢が叶うなら、お兄ちゃんに見せてあげたいな、赤ちゃんのころのボク」
僕たちのしあわせは、三人でくっついていると、より大きく膨らむみたいだ。
一人よりも二人、そして、家族。
孤独の殻に閉じこもっていた頃には感じられなかった、満ちていく感覚に身を委ねよう。
あとがき (不要な方は飛ばして下さい)
****
現実は、こんなに都合よくいかないでしょう。
でも、こんな世界があってもいいかなと思い、毎日綴っています。
お話の中くらいは平和で和やかで、人と人が違いを認め合える世界であって欲しいなと……
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