584 / 1,727
成就編
気持ちも新たに 10
しおりを挟む
宗吾さんが大きな声で芽生くんを呼ぶと、すぐに襖が開いて小さな影が動いた。
そのまま僕たちのいる玄関に向かって突進してくる。
あぁ……芽生くん、また泣きそうな顔をしている。でも頑張った後の、いいお顔だよ。
僕は宗吾さんの鞄をさり気なく受け取った。
彼は軽く頷いて、それからグッと屈んで芽生くんをキャッチし高く掲げた。
「ただいま! ほらっ、高い高いだぞ~」
「わ! パパ! すごい~! わーい、わーい」
芽生くんは天井に着きそうな程、高く掲げられて、そのまま宗吾さんの胸元に抱きしめられた。
「芽生、今日はがんばったな。えらかったぞ」
「パパ……ボク、すっごくがんばったんだよ」
「あぁ、偉かった。ひとりでよく出来た」
「うん、うん」
宗吾さんが褒める称えると、芽生くんは、ほわんと嬉しそうな表情になり胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいのと嬉しそうなので、溺れそうな様子だ。
可愛いな……まだたった6歳の幼児だ。これからはもっと年相応に過ごして欲しい。僕にも、もっと我が儘を言ってくれていい。我慢しないで欲しい。
思春期・反抗期がやって来ても、良い関係を維持できるように、僕も芽生くんの成長をしっかり受け止めるから、遠慮しないで。
****
「じゃあ、みんな、おやすみなさい」
「母さん、今日はありがとうな」
「頑張ったのは芽生と、花を届けてくれた瑞樹よ」
「あぁ、そうだな」
その後夕食をご馳走になって、僕たちは帰路についた。
「パパぁ~だっこ。おんぶして」
もう疲れ果てた芽生くんが、目を擦りながら宗吾さんの足元にくっついて来た。
「宗吾さん、荷物、僕が持ちます」
「あぁ、悪いな」
宗吾さんにおんぶされた芽生くんは、数分で眠りに落ちてしまった。
「芽生くん……やっぱり眠ってしまいましたね」
「あぁ、今日は3人で眠ろう」
「はい!」
夕食の間も芽生くんは宗吾さんの膝に乗ったり、べったりだった。父親の存在の偉大さを、ひしひしと感じる一時だった。
函館の家には、既にお父さんはいなかったので、僕の記憶の中の父親はひとりだ。僕の大沼の母は活発な女性で、写真家の端くれだったようだ。とても明るくポジティブでアクティブな人だった。宗吾さんに似ているのかな。そういえば、僕の父は何をしていたのかな。殆ど記憶が少ない。小学生くらいでは、父の職業にあまり関心を持たないものなのかな。
宗吾さんと芽生くんの後を歩きながら、父の記憶をたぐり寄せてみると、思い出したのは、広くて逞しい背中だった。
どうやら遠い昔、僕も今の芽生くんみたいにおんぶされたようだ。
『お父さん……お父さん、おんぶして』
小さな僕の声が聞こえるようだ。
「瑞樹、どうした? ぼんやりして」
「あ……その、僕の父親ってどんな人だったのかなと、ふと気になって」
「そういえば……函館の家のお父さんは、瑞樹が行った時には亡くなっていたんだよな」
「えぇ、だから大沼の父だけです。僕は母方の遠い親戚の家に引き取られたので、母が函館出身だったのは知っていますが、父はどんな人だったのでしょう……ね」
「……そうか。それもおいおい知っておくといいな。自分のルーツは知りたくなるものさ」
「そうですね。また一つ来年の楽しみが増えました」
「最初の楽しみは軽井沢に旅行だぞ、忘れていないよな」
「はい! 久しぶりにスキーが出来るのが楽しみです。そうだ、スノボにも挑戦してみませんか」
「えぇ? おいおい、あんまりハードルをあげないでくれよぉ~」
宗吾さんはギョッとした様子で、肩を竦めていた。
「瑞樹……もうすぐ年が明けるな」
「はい。激動の年でしたが、最後はこんな穏やかな帰り道って、いいですね」
「あぁ、来年はまるごと一年、一緒にいような」
「あ、はい! 喜んで……」
「ふっ、君のその返事、いつ聞いても心地良いよ」
その晩は、芽生くんはもう起きなかったが、子供部屋で独りで寝かすのではなく、3人で同じ布団で眠った。芽生くんを真ん中に僕たちは手を繋ぎあった。あの日の原っぱのように。
「今日は瑞樹も頑張ったな。偉かったぞ」
不意打ちで宗吾さんに頭を撫でられ褒められて、感極まって泣きそうになったのを必死に堪えた。すると、また笑われた。
「ふっ、泣き虫瑞樹だな。でも泣いてもいいぞ。今日はさ……緊張しただろう。玲子の実家は針のむしろで、一挙一動を見られて疲れただろう」
「いえ……あ、少しだけ。でも玲子さんが凜としていて……あぁそうだ。玲子さんも、強くて優しい人ですね」
「あいつが? そうか……確かに最近は親の言いなりでもないみたいだな。自分の意志で年下旦那を養っているらしいし、まぁ頼もしい奴だよ」
「やはり強くて優しい人です。本当は玲子さんだって、一時の感情で離れてしまいましたが、芽生くんをとても愛しているのに、僕にバトンタッチしてくれました」
「そうだな。芽生の礎を作ってくれたのは玲子だから、まぁ……良い関係でいたいよな」
「はい」
「よし、もう玲子の話はここまでだ。俺は瑞樹とキスしたい!」
あからさまに求められて、照れくさくなった。
しかし同時に嬉しくなった。
僕がいたい場所はここで、僕はここに居ていいのだ。
「はい……」
芽生くんの頭上で、お休みのキスを交わした。
「君だけだ。1日中、触れたくなるのは……」
擽ったい言葉ばかりで、照れくさい。
「あの、あまり甘やかさないでください」
「君はもっと俺に甘えていい。俺も甘えるからさ」
「……はい」
こんなにも堂々と甘えていいと、甘えたいと言える仲になったのか。
僕たちは――
そのまま僕たちのいる玄関に向かって突進してくる。
あぁ……芽生くん、また泣きそうな顔をしている。でも頑張った後の、いいお顔だよ。
僕は宗吾さんの鞄をさり気なく受け取った。
彼は軽く頷いて、それからグッと屈んで芽生くんをキャッチし高く掲げた。
「ただいま! ほらっ、高い高いだぞ~」
「わ! パパ! すごい~! わーい、わーい」
芽生くんは天井に着きそうな程、高く掲げられて、そのまま宗吾さんの胸元に抱きしめられた。
「芽生、今日はがんばったな。えらかったぞ」
「パパ……ボク、すっごくがんばったんだよ」
「あぁ、偉かった。ひとりでよく出来た」
「うん、うん」
宗吾さんが褒める称えると、芽生くんは、ほわんと嬉しそうな表情になり胸元に顔を埋めた。
恥ずかしいのと嬉しそうなので、溺れそうな様子だ。
可愛いな……まだたった6歳の幼児だ。これからはもっと年相応に過ごして欲しい。僕にも、もっと我が儘を言ってくれていい。我慢しないで欲しい。
思春期・反抗期がやって来ても、良い関係を維持できるように、僕も芽生くんの成長をしっかり受け止めるから、遠慮しないで。
****
「じゃあ、みんな、おやすみなさい」
「母さん、今日はありがとうな」
「頑張ったのは芽生と、花を届けてくれた瑞樹よ」
「あぁ、そうだな」
その後夕食をご馳走になって、僕たちは帰路についた。
「パパぁ~だっこ。おんぶして」
もう疲れ果てた芽生くんが、目を擦りながら宗吾さんの足元にくっついて来た。
「宗吾さん、荷物、僕が持ちます」
「あぁ、悪いな」
宗吾さんにおんぶされた芽生くんは、数分で眠りに落ちてしまった。
「芽生くん……やっぱり眠ってしまいましたね」
「あぁ、今日は3人で眠ろう」
「はい!」
夕食の間も芽生くんは宗吾さんの膝に乗ったり、べったりだった。父親の存在の偉大さを、ひしひしと感じる一時だった。
函館の家には、既にお父さんはいなかったので、僕の記憶の中の父親はひとりだ。僕の大沼の母は活発な女性で、写真家の端くれだったようだ。とても明るくポジティブでアクティブな人だった。宗吾さんに似ているのかな。そういえば、僕の父は何をしていたのかな。殆ど記憶が少ない。小学生くらいでは、父の職業にあまり関心を持たないものなのかな。
宗吾さんと芽生くんの後を歩きながら、父の記憶をたぐり寄せてみると、思い出したのは、広くて逞しい背中だった。
どうやら遠い昔、僕も今の芽生くんみたいにおんぶされたようだ。
『お父さん……お父さん、おんぶして』
小さな僕の声が聞こえるようだ。
「瑞樹、どうした? ぼんやりして」
「あ……その、僕の父親ってどんな人だったのかなと、ふと気になって」
「そういえば……函館の家のお父さんは、瑞樹が行った時には亡くなっていたんだよな」
「えぇ、だから大沼の父だけです。僕は母方の遠い親戚の家に引き取られたので、母が函館出身だったのは知っていますが、父はどんな人だったのでしょう……ね」
「……そうか。それもおいおい知っておくといいな。自分のルーツは知りたくなるものさ」
「そうですね。また一つ来年の楽しみが増えました」
「最初の楽しみは軽井沢に旅行だぞ、忘れていないよな」
「はい! 久しぶりにスキーが出来るのが楽しみです。そうだ、スノボにも挑戦してみませんか」
「えぇ? おいおい、あんまりハードルをあげないでくれよぉ~」
宗吾さんはギョッとした様子で、肩を竦めていた。
「瑞樹……もうすぐ年が明けるな」
「はい。激動の年でしたが、最後はこんな穏やかな帰り道って、いいですね」
「あぁ、来年はまるごと一年、一緒にいような」
「あ、はい! 喜んで……」
「ふっ、君のその返事、いつ聞いても心地良いよ」
その晩は、芽生くんはもう起きなかったが、子供部屋で独りで寝かすのではなく、3人で同じ布団で眠った。芽生くんを真ん中に僕たちは手を繋ぎあった。あの日の原っぱのように。
「今日は瑞樹も頑張ったな。偉かったぞ」
不意打ちで宗吾さんに頭を撫でられ褒められて、感極まって泣きそうになったのを必死に堪えた。すると、また笑われた。
「ふっ、泣き虫瑞樹だな。でも泣いてもいいぞ。今日はさ……緊張しただろう。玲子の実家は針のむしろで、一挙一動を見られて疲れただろう」
「いえ……あ、少しだけ。でも玲子さんが凜としていて……あぁそうだ。玲子さんも、強くて優しい人ですね」
「あいつが? そうか……確かに最近は親の言いなりでもないみたいだな。自分の意志で年下旦那を養っているらしいし、まぁ頼もしい奴だよ」
「やはり強くて優しい人です。本当は玲子さんだって、一時の感情で離れてしまいましたが、芽生くんをとても愛しているのに、僕にバトンタッチしてくれました」
「そうだな。芽生の礎を作ってくれたのは玲子だから、まぁ……良い関係でいたいよな」
「はい」
「よし、もう玲子の話はここまでだ。俺は瑞樹とキスしたい!」
あからさまに求められて、照れくさくなった。
しかし同時に嬉しくなった。
僕がいたい場所はここで、僕はここに居ていいのだ。
「はい……」
芽生くんの頭上で、お休みのキスを交わした。
「君だけだ。1日中、触れたくなるのは……」
擽ったい言葉ばかりで、照れくさい。
「あの、あまり甘やかさないでください」
「君はもっと俺に甘えていい。俺も甘えるからさ」
「……はい」
こんなにも堂々と甘えていいと、甘えたいと言える仲になったのか。
僕たちは――
11
お気に入りに追加
829
あなたにおすすめの小説
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる