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発展編
帰郷 27
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「あぁそうだ。俺が滝沢宗吾だが、あんたは?」
「これを……」
見知らぬ黒いスーツ姿の男性から渡されたのはスマホだった。よく馴染んだ濃紺の革ケースには見覚えがあった。これは彼が就職祝いに兄からもらったものだと嬉しそうに言っていた。
「貸せ!」
もう一度電話をかけると、そのスマホの画面に『宗吾さん』と、残酷にも表示された。
瑞樹……
瑞樹はこのスマホから俺に電話し助けを求めていたのに、気付けなかった。
くそっ今日の午前中が会議だったことが悔まれる。だが今は落ち込んでいる場合ではない。
「あんたが何故これを? 一体何を知っている? 何が起きた? もう、全部話せよ!」
つい乱暴に聞いてしまう。
「すみません。私は……瑞樹くんを連れ去った若社長の部下です。若社長を止められず……犯罪に加担してしまいました。ただ……潤くんの方は指示通り監禁せずに解放し函館に帰しました。私にも良心の呵責が……」
「あんたのことはいいから、瑞樹は! 瑞樹は今どこにいる?」
「……若社長が連れ去りました」
「だから、どこにだよっ!」
空港内で大声を出してしまった。周囲から心配そうな視線を浴びる。イライラする、焦ってしまう! この男は絶対に何か手掛かりを持っているはずだ。逃すものか!
「早く教えろ。それともこのまま警察に行くか」
「……行先は教えてもらっていません。ですが位置情報は調べられるかも。お願いです。若社長の蛮行を早く止めてください!」
「当たり前だ、今すぐ止めたいよ! 早く調べろ! 今すぐにだ!」
男が自分のスマホを操作しだすと、そのタイミングで着信があった。もしかして瑞樹を拉致した若社長からなのか。
「はい……すみません。あの……実はもう彼は函館に帰しました。お怒りはご尤もです。ですがあなたの罪をこれ以上重くして欲しくない。あなたが連れている彼ももう解放してください。お願いです。あっ」
「おいっ何か分かったのか」
「それが……北陸新幹線に乗ったとしか」
「新幹線だって? 」
まずいな。もう都内にいないのか。瑞樹に一体何をするつもりだ!
「もっと詳しい場所を知りたい! 調べろよ」
「駄目です。電源を切られてしまいました」
「くそっお前も来い。北陸新幹線に乗るぞ」
追いかける! とにかく瑞樹の近くに、可能性が少しでも高い方に進むのみだ!
瑞樹……諦めるな!
諦めるのはまだ早い。
今度は君が幸せになる番だ。
それを忘れるな!
****
「おい、ちょっと待ってろ。逃げんなよ。逃げたら潤がどうなるか分かっているな」
「……」
新幹線の中で、高橋という男が徐に席を立った。この隙に逃げられるかもしれない。でもそれは駄目だ。だって潤が人質になっている。僕は潤を見捨てられない……僕だけが助かるなんてあり得ない。
もう嫌なんだ。自分だけ助かるなんて──
そう思うと少しも動けなかった。仕方がなく俯いて自分の唇を噛みしめていると、突然隣の席の女性が話しかけてきたので驚いてしまった。
「あの……突然話しかけてごめんなさい。あなた大丈夫? もしかして……何かに困っていない? 隣の人、大丈夫? 」
「あ……」
喉を潰されたように声が出なかった。縋りたい、でも駄目だ……僕が助けを求めたら、あなたたちまで巻き添えを食ってしまう。見れば芽生くんと同じくらいの可愛い男の子連れだ。絶対に言えない。
だから無理矢理作った笑顔を浮かべるしかなかった。
「……大丈夫ですよ。ご心配おかけしました」
「そう? ならいいけれども……突然変なこと聞いてごめんなさい。あっ戻ってきちゃった」
高橋がズカズカとこちらに戻ってくる。怖い……口調が優しい分、得体がしれない不気味さを醸し出している。
「さぁ次で降りようねぇ」
「……」
新幹線には一時間程の乗車で、すぐに降りることを促された。手を繋がれたまま歩かされる。周りの乗客が異様な目で見るのもお構いなしのようだ。どこか彼は常軌を逸している。
ホームに降りると、そこは『軽井沢駅』だった。
ここには一度だけ大学のゼミ合宿で来たことがある。高山植物を観察して花を摘んで……美しい思い出の溢れる場所だったのに、今はこの境遇だなんて泣けてくる。
とうとう、こんな遠くに連れて来られてしまったのか。
もう戻れない。きっともう……宗吾さんの元には、戻れない。そんな悲しい予感しかしないなんて。
「いい貸別荘があるんだよ。そこで僕と暫く過ごそうねぇ」
「……そこに行けば潤を解放してくれるのか」
「そうだね。そこに行ったらね」
諦めの境地に陥ってしまうと、突然抵抗する気が起こらなくなってしまった。言われるがままに駅前からタクシーに乗り、貸別荘にたどり着いてしまった。
「お願いだ。早く潤を解放してくれ」
「はいはい。君がいい子に中に入ってくれたらね」
「……」
背中を押され、ログハウスで出来た貸別荘の中に押し込められてしまった。
「そうそう。さぁ奥に入って。君のためにいろいろ用意したよ。何しろ高校の頃から6年越しだよ。早くこうしてみたかった。暫くは警察が煩くて君に近寄れなくて、そうこうしているうちに君、函館から出て行ってしまったし。でももう僕のものだ」
玄関に入るなり抱きしめられそうになったので、慌てて身体を避けた。
「あれぇ抱っこさせてくれないの?」
「潤を解放した証拠を先に見せてくれ」
少しでも気を逸らしたい。時間を引き延ばしたい。この先に彼がしようとしていることが
見え隠れして来て背筋が凍る。
「はいはい。君って案外用心深いね~ちょっと待ってねぇ」
そこで声色がガラっと変わった。
「もしもし、アイツはもう解放してもいいぞ。目的地に着いたから。あぁ? どこでもいーだろ。お前は来るなよ。親父には適当に数日誤魔化しておけ」
どうやら部下がいるようだ。そいつが潤を殴って監禁したのか。もうこれは立派な犯罪だ。
「解放した証拠を……」
「ほら。函館に帰してあげたよ」
画面には飛行機の搭乗手続きをして中に入っていく潤の背中が写っていた。とにかく潤は函館に帰れる。本当によかった……
「さぁもうこれでいいいよね。僕の好きにしてもさぁ」
潤の解放に気が緩んでしまった所を、狙われた。
****
「ママ~ あのお兄ちゃんたちも、僕と同じ駅で降りるみたいだね」
「……そうね」
「ねぇ~本当に大丈夫かなぁ」
「うん……それよりママはあの男の子の顔をどこかで見たことがあるような気がして、モヤモヤしちゃって」
「あっそうか!」
「海斗、分かるの?」
「ほら、この前優也おじさんが来た時に写真を見せてもらったよね。そこに写っていた人に似ていない?」
ハッとした。そうだわ。さっき隣の感じの悪い男が席を立った隙にどうしても気になって声を掛けちゃったのよね。その時、私の眼を見て優しく微笑んでくれたあの顔。どうして私はすぐに気が付かなかったのかしら。
優也が軽井沢に来る前に泊まったというお寺での……集合写真に写っていた青年と似ているわ。
清楚な感じが優也の若い頃と被って印象的だったから、なんとなく記憶に残っていたの。あ……でも彼の隣に立っていたのは、あの男性だったかしら。背が高くガタイのいい……うーん、顔まで思い出せないわ。
「恋人同士で軽井沢旅行かな……皆ペアだと優也が嬉しそうに笑っていたわよね」
「ママ、それは違うよ」
「何でそう思うの?」
「だって……おにいちゃんちっとも笑っていなかったもん」
「え……でもさっき私に微笑みかけてくれたわよ」
「ちがう! あれは幸せそうじゃなかったよ。優也おじさんとkaiおじさんとは全然ちがったもん」
「あっ……」
私としたことが……子供は目聡いわ。彼の眼は笑っているようで笑っていなかった。むしろ悲しみに沈んだ色をしていた。
「大変。彼……きっと何か困っている!」
「ママ。あの人たちタクシーに乗っちゃうよぉ」
「分かった」
あのタクシーは私が取締役を務める松本観光のタクシーだから、行先は調べられる。
今すぐ追いかけても、女子供では敵わない。
まずはソウルにいる弟の優也に連絡を!
「これを……」
見知らぬ黒いスーツ姿の男性から渡されたのはスマホだった。よく馴染んだ濃紺の革ケースには見覚えがあった。これは彼が就職祝いに兄からもらったものだと嬉しそうに言っていた。
「貸せ!」
もう一度電話をかけると、そのスマホの画面に『宗吾さん』と、残酷にも表示された。
瑞樹……
瑞樹はこのスマホから俺に電話し助けを求めていたのに、気付けなかった。
くそっ今日の午前中が会議だったことが悔まれる。だが今は落ち込んでいる場合ではない。
「あんたが何故これを? 一体何を知っている? 何が起きた? もう、全部話せよ!」
つい乱暴に聞いてしまう。
「すみません。私は……瑞樹くんを連れ去った若社長の部下です。若社長を止められず……犯罪に加担してしまいました。ただ……潤くんの方は指示通り監禁せずに解放し函館に帰しました。私にも良心の呵責が……」
「あんたのことはいいから、瑞樹は! 瑞樹は今どこにいる?」
「……若社長が連れ去りました」
「だから、どこにだよっ!」
空港内で大声を出してしまった。周囲から心配そうな視線を浴びる。イライラする、焦ってしまう! この男は絶対に何か手掛かりを持っているはずだ。逃すものか!
「早く教えろ。それともこのまま警察に行くか」
「……行先は教えてもらっていません。ですが位置情報は調べられるかも。お願いです。若社長の蛮行を早く止めてください!」
「当たり前だ、今すぐ止めたいよ! 早く調べろ! 今すぐにだ!」
男が自分のスマホを操作しだすと、そのタイミングで着信があった。もしかして瑞樹を拉致した若社長からなのか。
「はい……すみません。あの……実はもう彼は函館に帰しました。お怒りはご尤もです。ですがあなたの罪をこれ以上重くして欲しくない。あなたが連れている彼ももう解放してください。お願いです。あっ」
「おいっ何か分かったのか」
「それが……北陸新幹線に乗ったとしか」
「新幹線だって? 」
まずいな。もう都内にいないのか。瑞樹に一体何をするつもりだ!
「もっと詳しい場所を知りたい! 調べろよ」
「駄目です。電源を切られてしまいました」
「くそっお前も来い。北陸新幹線に乗るぞ」
追いかける! とにかく瑞樹の近くに、可能性が少しでも高い方に進むのみだ!
瑞樹……諦めるな!
諦めるのはまだ早い。
今度は君が幸せになる番だ。
それを忘れるな!
****
「おい、ちょっと待ってろ。逃げんなよ。逃げたら潤がどうなるか分かっているな」
「……」
新幹線の中で、高橋という男が徐に席を立った。この隙に逃げられるかもしれない。でもそれは駄目だ。だって潤が人質になっている。僕は潤を見捨てられない……僕だけが助かるなんてあり得ない。
もう嫌なんだ。自分だけ助かるなんて──
そう思うと少しも動けなかった。仕方がなく俯いて自分の唇を噛みしめていると、突然隣の席の女性が話しかけてきたので驚いてしまった。
「あの……突然話しかけてごめんなさい。あなた大丈夫? もしかして……何かに困っていない? 隣の人、大丈夫? 」
「あ……」
喉を潰されたように声が出なかった。縋りたい、でも駄目だ……僕が助けを求めたら、あなたたちまで巻き添えを食ってしまう。見れば芽生くんと同じくらいの可愛い男の子連れだ。絶対に言えない。
だから無理矢理作った笑顔を浮かべるしかなかった。
「……大丈夫ですよ。ご心配おかけしました」
「そう? ならいいけれども……突然変なこと聞いてごめんなさい。あっ戻ってきちゃった」
高橋がズカズカとこちらに戻ってくる。怖い……口調が優しい分、得体がしれない不気味さを醸し出している。
「さぁ次で降りようねぇ」
「……」
新幹線には一時間程の乗車で、すぐに降りることを促された。手を繋がれたまま歩かされる。周りの乗客が異様な目で見るのもお構いなしのようだ。どこか彼は常軌を逸している。
ホームに降りると、そこは『軽井沢駅』だった。
ここには一度だけ大学のゼミ合宿で来たことがある。高山植物を観察して花を摘んで……美しい思い出の溢れる場所だったのに、今はこの境遇だなんて泣けてくる。
とうとう、こんな遠くに連れて来られてしまったのか。
もう戻れない。きっともう……宗吾さんの元には、戻れない。そんな悲しい予感しかしないなんて。
「いい貸別荘があるんだよ。そこで僕と暫く過ごそうねぇ」
「……そこに行けば潤を解放してくれるのか」
「そうだね。そこに行ったらね」
諦めの境地に陥ってしまうと、突然抵抗する気が起こらなくなってしまった。言われるがままに駅前からタクシーに乗り、貸別荘にたどり着いてしまった。
「お願いだ。早く潤を解放してくれ」
「はいはい。君がいい子に中に入ってくれたらね」
「……」
背中を押され、ログハウスで出来た貸別荘の中に押し込められてしまった。
「そうそう。さぁ奥に入って。君のためにいろいろ用意したよ。何しろ高校の頃から6年越しだよ。早くこうしてみたかった。暫くは警察が煩くて君に近寄れなくて、そうこうしているうちに君、函館から出て行ってしまったし。でももう僕のものだ」
玄関に入るなり抱きしめられそうになったので、慌てて身体を避けた。
「あれぇ抱っこさせてくれないの?」
「潤を解放した証拠を先に見せてくれ」
少しでも気を逸らしたい。時間を引き延ばしたい。この先に彼がしようとしていることが
見え隠れして来て背筋が凍る。
「はいはい。君って案外用心深いね~ちょっと待ってねぇ」
そこで声色がガラっと変わった。
「もしもし、アイツはもう解放してもいいぞ。目的地に着いたから。あぁ? どこでもいーだろ。お前は来るなよ。親父には適当に数日誤魔化しておけ」
どうやら部下がいるようだ。そいつが潤を殴って監禁したのか。もうこれは立派な犯罪だ。
「解放した証拠を……」
「ほら。函館に帰してあげたよ」
画面には飛行機の搭乗手続きをして中に入っていく潤の背中が写っていた。とにかく潤は函館に帰れる。本当によかった……
「さぁもうこれでいいいよね。僕の好きにしてもさぁ」
潤の解放に気が緩んでしまった所を、狙われた。
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「ママ~ あのお兄ちゃんたちも、僕と同じ駅で降りるみたいだね」
「……そうね」
「ねぇ~本当に大丈夫かなぁ」
「うん……それよりママはあの男の子の顔をどこかで見たことがあるような気がして、モヤモヤしちゃって」
「あっそうか!」
「海斗、分かるの?」
「ほら、この前優也おじさんが来た時に写真を見せてもらったよね。そこに写っていた人に似ていない?」
ハッとした。そうだわ。さっき隣の感じの悪い男が席を立った隙にどうしても気になって声を掛けちゃったのよね。その時、私の眼を見て優しく微笑んでくれたあの顔。どうして私はすぐに気が付かなかったのかしら。
優也が軽井沢に来る前に泊まったというお寺での……集合写真に写っていた青年と似ているわ。
清楚な感じが優也の若い頃と被って印象的だったから、なんとなく記憶に残っていたの。あ……でも彼の隣に立っていたのは、あの男性だったかしら。背が高くガタイのいい……うーん、顔まで思い出せないわ。
「恋人同士で軽井沢旅行かな……皆ペアだと優也が嬉しそうに笑っていたわよね」
「ママ、それは違うよ」
「何でそう思うの?」
「だって……おにいちゃんちっとも笑っていなかったもん」
「え……でもさっき私に微笑みかけてくれたわよ」
「ちがう! あれは幸せそうじゃなかったよ。優也おじさんとkaiおじさんとは全然ちがったもん」
「あっ……」
私としたことが……子供は目聡いわ。彼の眼は笑っているようで笑っていなかった。むしろ悲しみに沈んだ色をしていた。
「大変。彼……きっと何か困っている!」
「ママ。あの人たちタクシーに乗っちゃうよぉ」
「分かった」
あのタクシーは私が取締役を務める松本観光のタクシーだから、行先は調べられる。
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