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発展編
尊重しあえる関係 12
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「はっ……うっ……んんっ……苦し……あっ」
さっきからずっと瑞樹の後頭部と顎をしっかりホールドし動きを封じて、瑞樹と過去に二度した淡いキスの何倍も深いものをし続けている。
お互いの唾液が混ざり合って瑞樹の口の端からつーっと零れていく様子が妙に色っぽかった。普段は清楚な瑞樹だが、なんというか……俺のキスを受け続ける色香は壮絶だ。
やばいな……なんだ、これは脳天にささる……持っていかれる。
瑞樹とのキスは、なんて甘美で甘いのか。
口づけって、こんなに気持ちいいものだったか。
「少し深いキスをしてもいいか」と瑞樹には了承は得た。こんなに深いキスをするのは、今日俺を驚かせた罰だなど言い訳し、瑞樹がもう離れたがっても阻止し追い求め続けた。
瑞樹の方は明らかに戸惑っていたが、構わずに逃げる舌を誘い出し絡めて口腔内を舐めてやると瑞樹の細い躰が小刻みに震え出した。
何故震える?もしかして……俺とのキスが嫌なのか。
瑞樹だって、この程度のキスは前の彼氏と散々したのだろう。
以前夜道で見かけた瑞樹と前の彼氏とのキスシーンをふと思い出した。
公園の木の陰でスーツ姿の二人が寄り添い、何か甘く囁きながら互いにキスを求めあっていた。まだまだフレッシュな社会人のふたりの様子が、その時は可愛いと思えたのに、今はその残像にすら妬いてしまう始末だ。
俺だって散々遊んできた癖に、瑞樹の過去や俺が勝手に誤解したことにやきもちを焼くなんて、いよいよ重症だろう。瑞樹に対して紳士的に接していた俺はどこかに吹っ飛び、野獣のように駆り立てられる気分になっていた。
「あっ……ううっ……」
一段と苦し気な瑞樹の呻き声に我に返り、ようやく唇を離してやると、瑞樹はそのままパッと俯いてしまった。そして肩でハァハァと苦し気に息をしていた。
俺は瑞樹が呼吸をする暇もないほど貪ってしまったのか。その様子にやってしまったと猛烈に反省した。まったく……キスの仕方を知らない節操ないガキでもあるまいし、なんてがっついたキスをしてしまったのか、瑞樹を苦しめるつもりなんて毛頭なかったのに。
「瑞樹っ大丈夫か。悪かった。その……」
焦って震える背中を擦ってやると、瑞樹は抵抗せず素直に俺の手を受け入れてくれたので、ほっとした。
「……」
「悪かった。あんなキスして……怒ってる?」
瑞樹が無言なのが怖い。俺やっぱりやっちまったか。
俯いていた瑞樹がようやく顔をあげると、どこか決まり悪そうな、それでいて困惑した顔をしていた。
「瑞樹?大丈夫か」
「あっいえ……怒ってはいません……でも……」
「何だ?」
「……その……困るんです」
「何が困るんだ?」
あっそうか……
瑞樹が、何故かモゾモゾと何度も前かがみで座り直す様子に察してしまった。もしかして俺のキスで、躰も感じてくれたのか。そこ……反応してくれたのか。
「……その……僕だって男なんで、気持ちいいことされたら……こうなってしまいます」
瑞樹は泣きそうな声だったが、俺は嬉しかった。
確かに今『気持ちいいこと』って言ったよな。それって俺とのキスが気持ち良かったという意味だよな。股間が反応する程にさ!
そんな一言に舞い上がる。
このまま押し倒したい気持ちが込みあげてくるが、まだ夕暮れ時で人も多いし狭い車中で手を出す程、野暮じゃない。
「瑞樹の可愛い反応しているね」
「滝沢さんだって……同じだ」
そう指摘されて自分の下半身がパンパンで苦しいことに気が付いた。色香を放つ瑞樹を目の前にどうこれを抑え込めばいいのか、頭を抱えて悩む始末だ。
その時胸ポケットに入れいていたスマホが着信音を奏で出した。このメロディは息子からだ。
「パパーいまどこ。おしごとおわった?」
「あっあぁ今、帰り道だよ、どうした?」
「あのねーおばあちゃんとえいがみおわったんだけど、おばーちゃんとこのままデパートでごはんたべてきてもいい?」
「おう?そうなのか。じゃあ夜に迎えに行くよ」
「ありがとーパパ!だいすき」
電話を切ると瑞樹と目が合った。
「芽生くんからですか」
だいぶ気持ちも落ち着いたのだろう。いつものように可愛らしくにこっと微笑んでくれたので、ホッとした。
「今の電話聞こえていたよな。というわけで、このままデートを続けてもいいか」
すると予想に反して困った顔をされてしまった。
「あの……実は今日は別のホテルの活け込みの見学に行こうと思っていたんです。来週の仕事の参考にと思って」
その返事にがっかりした。そうだよなぁ深いキスを許してもらったからといって、最後までは流石にまだ許してもらえないだろう。俺はもういつでも君を抱ける状態だが、君は違うのだろう。何故かそう察してしまうんだよなぁ。
「そうか残念だな。あっ……じゃあ送るのは家じゃない方がいいか」
「あの……でも活け込みはもう少し遅い時間でもいいので、その前に夕食を一緒に取りませんか」
「いいのか」
「はい喜んで!滝沢さんの行きたいお店に付き合います」
嬉しい返事だ。
もう認めよう。
俺の瑞樹に対する恋心は、まるで高校生に戻ったかのように相手の行動や一言に一喜一憂するピュアすぎるものだ。ならばもうそれにとことんのってやろうじゃないかと覚悟を決めた。
こんなピュアな恋、もう出来ない。
もう恋する相手は瑞樹だけがいい。
それほどまでに瑞樹との新しい恋は新鮮で少年時代に見つけた宝物のように大切だった。
芽生悪いな……少しだけパパに時間をくれ。
さっきからずっと瑞樹の後頭部と顎をしっかりホールドし動きを封じて、瑞樹と過去に二度した淡いキスの何倍も深いものをし続けている。
お互いの唾液が混ざり合って瑞樹の口の端からつーっと零れていく様子が妙に色っぽかった。普段は清楚な瑞樹だが、なんというか……俺のキスを受け続ける色香は壮絶だ。
やばいな……なんだ、これは脳天にささる……持っていかれる。
瑞樹とのキスは、なんて甘美で甘いのか。
口づけって、こんなに気持ちいいものだったか。
「少し深いキスをしてもいいか」と瑞樹には了承は得た。こんなに深いキスをするのは、今日俺を驚かせた罰だなど言い訳し、瑞樹がもう離れたがっても阻止し追い求め続けた。
瑞樹の方は明らかに戸惑っていたが、構わずに逃げる舌を誘い出し絡めて口腔内を舐めてやると瑞樹の細い躰が小刻みに震え出した。
何故震える?もしかして……俺とのキスが嫌なのか。
瑞樹だって、この程度のキスは前の彼氏と散々したのだろう。
以前夜道で見かけた瑞樹と前の彼氏とのキスシーンをふと思い出した。
公園の木の陰でスーツ姿の二人が寄り添い、何か甘く囁きながら互いにキスを求めあっていた。まだまだフレッシュな社会人のふたりの様子が、その時は可愛いと思えたのに、今はその残像にすら妬いてしまう始末だ。
俺だって散々遊んできた癖に、瑞樹の過去や俺が勝手に誤解したことにやきもちを焼くなんて、いよいよ重症だろう。瑞樹に対して紳士的に接していた俺はどこかに吹っ飛び、野獣のように駆り立てられる気分になっていた。
「あっ……ううっ……」
一段と苦し気な瑞樹の呻き声に我に返り、ようやく唇を離してやると、瑞樹はそのままパッと俯いてしまった。そして肩でハァハァと苦し気に息をしていた。
俺は瑞樹が呼吸をする暇もないほど貪ってしまったのか。その様子にやってしまったと猛烈に反省した。まったく……キスの仕方を知らない節操ないガキでもあるまいし、なんてがっついたキスをしてしまったのか、瑞樹を苦しめるつもりなんて毛頭なかったのに。
「瑞樹っ大丈夫か。悪かった。その……」
焦って震える背中を擦ってやると、瑞樹は抵抗せず素直に俺の手を受け入れてくれたので、ほっとした。
「……」
「悪かった。あんなキスして……怒ってる?」
瑞樹が無言なのが怖い。俺やっぱりやっちまったか。
俯いていた瑞樹がようやく顔をあげると、どこか決まり悪そうな、それでいて困惑した顔をしていた。
「瑞樹?大丈夫か」
「あっいえ……怒ってはいません……でも……」
「何だ?」
「……その……困るんです」
「何が困るんだ?」
あっそうか……
瑞樹が、何故かモゾモゾと何度も前かがみで座り直す様子に察してしまった。もしかして俺のキスで、躰も感じてくれたのか。そこ……反応してくれたのか。
「……その……僕だって男なんで、気持ちいいことされたら……こうなってしまいます」
瑞樹は泣きそうな声だったが、俺は嬉しかった。
確かに今『気持ちいいこと』って言ったよな。それって俺とのキスが気持ち良かったという意味だよな。股間が反応する程にさ!
そんな一言に舞い上がる。
このまま押し倒したい気持ちが込みあげてくるが、まだ夕暮れ時で人も多いし狭い車中で手を出す程、野暮じゃない。
「瑞樹の可愛い反応しているね」
「滝沢さんだって……同じだ」
そう指摘されて自分の下半身がパンパンで苦しいことに気が付いた。色香を放つ瑞樹を目の前にどうこれを抑え込めばいいのか、頭を抱えて悩む始末だ。
その時胸ポケットに入れいていたスマホが着信音を奏で出した。このメロディは息子からだ。
「パパーいまどこ。おしごとおわった?」
「あっあぁ今、帰り道だよ、どうした?」
「あのねーおばあちゃんとえいがみおわったんだけど、おばーちゃんとこのままデパートでごはんたべてきてもいい?」
「おう?そうなのか。じゃあ夜に迎えに行くよ」
「ありがとーパパ!だいすき」
電話を切ると瑞樹と目が合った。
「芽生くんからですか」
だいぶ気持ちも落ち着いたのだろう。いつものように可愛らしくにこっと微笑んでくれたので、ホッとした。
「今の電話聞こえていたよな。というわけで、このままデートを続けてもいいか」
すると予想に反して困った顔をされてしまった。
「あの……実は今日は別のホテルの活け込みの見学に行こうと思っていたんです。来週の仕事の参考にと思って」
その返事にがっかりした。そうだよなぁ深いキスを許してもらったからといって、最後までは流石にまだ許してもらえないだろう。俺はもういつでも君を抱ける状態だが、君は違うのだろう。何故かそう察してしまうんだよなぁ。
「そうか残念だな。あっ……じゃあ送るのは家じゃない方がいいか」
「あの……でも活け込みはもう少し遅い時間でもいいので、その前に夕食を一緒に取りませんか」
「いいのか」
「はい喜んで!滝沢さんの行きたいお店に付き合います」
嬉しい返事だ。
もう認めよう。
俺の瑞樹に対する恋心は、まるで高校生に戻ったかのように相手の行動や一言に一喜一憂するピュアすぎるものだ。ならばもうそれにとことんのってやろうじゃないかと覚悟を決めた。
こんなピュアな恋、もう出来ない。
もう恋する相手は瑞樹だけがいい。
それほどまでに瑞樹との新しい恋は新鮮で少年時代に見つけた宝物のように大切だった。
芽生悪いな……少しだけパパに時間をくれ。
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