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第6章
番外編 Happy New Year 安志×涼
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二人で迎える初めての新年だ。
僕は年末年始の休みに入った安志さんのマンションに、大晦日の今日から泊りがけで遊びに来ている。安志さんは最近料理に興味が出てきたらしく、僕が家に着いた時は蕎麦を打ってる最中だった。
「安志さん、お邪魔します、って何をしているの?」
「おお! 涼、入って来いよ。今手が離せないから悪いっ」
「うん! それ何? 」
「蕎麦を打っているのさ」
粉だらけの手で手招きされたので、急いで靴を脱いで部屋に入った。キッチンで奮闘している安志さんを見ると、ちょうど手で捏ねたそば粉を綿棒で薄く延ばしているところだった。安志さんが力強く伸ばしていくさまを見ていると、その力強さに惚れ惚れしてしまう。
「凄いな、安志さん……まるで蕎麦打ちの職人みたいだ」
「ははっそうか」
そう言って汗を拭う笑顔が爽やかでドキっとしてしまう。さらに手際よく伸ばしたそばを折りたたみ、均一に綺麗に包丁でコトコトと切っていった。
「綺麗に切っていくんだな。見惚れるよ」
「惚れ直すだろ?」
「変なこと言うんだね。惚れ直すもなにも、僕は安志さんのことが好きで堪らないのに」
「涼……随分ストレートだな。照れる。やっぱアメリカ仕込みは違うな」
恥ずかしそうに朗らかに笑う安志さんの笑顔に心が躍るようだ。好きな人の傍にただいるだけで、こんなにも幸せな気持ちが溢れてくるなんて知らなかった。
夜は二人ですき焼きを食べて、その後年越し蕎麦として安志さんの打ってくれたものを一緒に食べた。
「安志さんの打った蕎麦すごく美味しいよ。香りもいいしコシがあって」
「本当か」
「うん、アメリカにいる時にも蕎麦はチェーン店で食べたりしていたけれども、こんな美味しいのは初めてだ」
「そうか! それならば頑張った甲斐があるな」
「驚いたよ。一体いつの間に? 」
「涼とさ……最近ゆっくり過ごせなかったから、ちょっと今日は特別企画だよ。涼を驚かしてやりたくて、こっそり行きつけの店で習って来たんだ」
「そうか……ごめんね。最近僕の方がバタバタだったから、ゆっくり安志さんと会えなくて。だから今日の誘いは本当に楽しみで仕方がなかったんだ」
「いいんだよ。今日ちゃんと会えたじゃないか」
嬉しい。僕のために……その気持ちがじんわりと心に広がる。
「さてと涼、あと五分で新年だな」
「安志さん年が明けたら何したい? 」
「そうだな。外に初詣に行くか。それともここにいるか。涼こそ何したい? なんでも今日は付き合うよ」
「じゃあ……僕は安志さんとキスしたいな」
「えっ?」
あからさま過ぎたかと恥ずかしい気持ちになったが、実は……僕の方がもう限界なんだ。生真面目な安志さんは、あれから僕に全然手を出してこないから、僕の方がしびれを切らしてしまう程だ。
結局……とうとう自分から言ってしまった。案の定、言ってから猛烈に恥ずかしくなったけど。
「安志さん……どうしてあれから何もしてくれないの?」
「あ──それはだな。一応反省しているんだよ。俺なりに」
「反省ってなんで?」
「俺さ、本当は涼が二十歳になるまで手は出さないって誓っていたんだよ」
「えっ本気で二十歳まで待てたの? 」
「いや……無理だ、とても無理だった」
安志さんも照れ臭そうに笑っていたので、僕もつられて笑ってしまう。あんな気持ちがいいことを知ってしまったらもう確かに戻れないよな。
「じゃあ今日はどうする? 」
「今日は涼を食べたい」
「たっ食べたいって」
そっそんなあからさまに言われると思っていなくて、焦ってしまった。キスしたいと言ったのは僕なのにすっかりやり込まれてしまった。安志さんはやっぱり大人なんだなぁと感心してしまう。
「そのために蕎麦を打った」
「ふふっ安志さん僕を蕎麦で釣ろうと? 」
「これでもかなり頑張ったんだぞ」
安志さんとの会話が楽しすぎてしょうがない。
「おっ涼あと一分切ったぞ」
「ここにおいで」
「ここでいいの? 」
手を引かれてソファに座る安志さんの脚に跨って向かい合って座る。そしてそのまま肩を引き寄せられて、安志さんの端正な顔が間近になっていく。すっきりとした男らしい安志さんは、本当にカッコイイな。女みたいな顔の僕からすればこういう和風醤油顔っていうの憧れの存在だよ。
「涼、キスしよう。キスしながら年越ししたい」
そう言いながら顎を掬われ唇を重ねられた。温かい温もり……優しい手で背中を押され、僕は安志さんにぎゅっと抱かれていく。
その間もひっきりなしにキスをしあう。お互いが啄むように唇を短い間隔で合わせたかと思うと、それからぎゅーっと離れないでくっついた。
テレビではカウントダウンを始めている。
「5・4・3・2・1 Happy New Year!!」
あぁ初めてだ。こんな年越し。
こんなにも好きな人とくっついて迎える新しい年。
「んっ……」
キスは年が明けても終わらない。
このままずっとずっと一緒にいたい。安志さんのそんな気持ちがひしひしと伝わって来る。大丈夫。僕もずっと安志さんの傍にいる。そう応える気持ちを込めてキスを受け入れる。
お互い離すタイミングが掴めず、いつまでも長い時間貪り合ってしまった。
「んっ……うっ…」
安志さんの舌で口腔内をかき混ぜられて唇を撫でられたりするたびに、躰がぞくぞくと震えてくる。これ以上触れられたら、もう我慢出来ない。
下半身に熱が集まっていくのをジンジンと感じて苦しい程だよ。
「安志さん……もう…」
「涼……今日……また君を抱いてもいいか。悪いっ……初詣よりも今は涼が欲しくて堪らない」
「もちろんだよ。僕も同じ気持ちだから……そうして……」
気が付くと僕は、そのままソファに押し倒されていた。安志さんの手が優しく着ていたセーターの裾から入って来て、この前散々苛められた乳首にふれてくると、腰が跳ねてしまう。
「んっそこ駄目……」
「ここ覚えているんだな……すぐに固くなってきたな」
安志さんが部屋の明かりを消して、テレビも消してくれた。
「今日は長い夜になりそうだから集中しよう」
一度開かれた躰は安志さんに触れられるのを待っていたかのように、喜び出していく。
「もう濡れてきた」
「や……」
ベルトを外され、履いていたズボンをずらされるが、まだ下着はつけたままだ。下着の上から安志さんの手が僕のものをなでるように触って来る。
先ほどの乳首への刺激でかなり張りつめていたものが、きつそうにしている。
じんわりと先走ったもので下着が濡れてきて気持ちが悪い。
「安志さん冷たい……」
「んっこのまま1回いって」
そう言いながら安志さんが僕の足元にしゃがみ込み内股にキスをしてくる。その途端ぷるぷると躰が震えてしまう。そんな場所にキスをされるなんて……内股の薄い皮膚は羞恥に染まり、赤くなっているのが分かる。
「駄目だっ! そこは」
「涼のここ柔らかいな」
さらに両足を左右に大きく開かれ、片脚を安志さんの肩に乗せる体勢は酷く淫らな感じがして、恥ずかしさで、そのままソファに埋もれそうになった。
「っつ」
吸い付くように噛むように、強弱をつけながら足のつけ根付近を責められると、あっという間に快楽の波に溺れそうになっていく自分に驚くばかりだ。
「ああっ……んっ…んー」
布越しに触れられるもどかしさと恥ずかしさに煽られて、早くも達してしまった。まるで粗相してしまったようにぐっしょりの下着が濡れて気持ち悪いし、恥ずかしい。
しかも、こんなに早く達してしまうなんて!
「涼、可愛い……大丈夫か」
安志さんが足元から、優しい眼差しで見上げてくる。その表情が本当に嬉しそうで優しそうで、ほっとする。
「う……ん。気持ちよくて……でも、続きはべッドがいい。ちゃんと抱いて欲しい」
「涼は本当に煽るな」
「煽ってなんていない。でも、僕だけじゃ嫌だ」
「ありがとう。次は一緒にいこう」
僕の躰を安志さんが横抱きにして、ベッドへ連れて行ってくれる。
僕は本当に安志さんが好きで好きで溺れていく一方だ。きっと、安志さんと躰を重ねていけば行くほど、僕は安志さんのことが好きになっていく。
もっともっと……
今年は去年よりもっと安志さんのことが好きになる。
丸ごと一年間、安志さんのことが好きでいられる。
そんな年の始まりにときめいていた。
僕は年末年始の休みに入った安志さんのマンションに、大晦日の今日から泊りがけで遊びに来ている。安志さんは最近料理に興味が出てきたらしく、僕が家に着いた時は蕎麦を打ってる最中だった。
「安志さん、お邪魔します、って何をしているの?」
「おお! 涼、入って来いよ。今手が離せないから悪いっ」
「うん! それ何? 」
「蕎麦を打っているのさ」
粉だらけの手で手招きされたので、急いで靴を脱いで部屋に入った。キッチンで奮闘している安志さんを見ると、ちょうど手で捏ねたそば粉を綿棒で薄く延ばしているところだった。安志さんが力強く伸ばしていくさまを見ていると、その力強さに惚れ惚れしてしまう。
「凄いな、安志さん……まるで蕎麦打ちの職人みたいだ」
「ははっそうか」
そう言って汗を拭う笑顔が爽やかでドキっとしてしまう。さらに手際よく伸ばしたそばを折りたたみ、均一に綺麗に包丁でコトコトと切っていった。
「綺麗に切っていくんだな。見惚れるよ」
「惚れ直すだろ?」
「変なこと言うんだね。惚れ直すもなにも、僕は安志さんのことが好きで堪らないのに」
「涼……随分ストレートだな。照れる。やっぱアメリカ仕込みは違うな」
恥ずかしそうに朗らかに笑う安志さんの笑顔に心が躍るようだ。好きな人の傍にただいるだけで、こんなにも幸せな気持ちが溢れてくるなんて知らなかった。
夜は二人ですき焼きを食べて、その後年越し蕎麦として安志さんの打ってくれたものを一緒に食べた。
「安志さんの打った蕎麦すごく美味しいよ。香りもいいしコシがあって」
「本当か」
「うん、アメリカにいる時にも蕎麦はチェーン店で食べたりしていたけれども、こんな美味しいのは初めてだ」
「そうか! それならば頑張った甲斐があるな」
「驚いたよ。一体いつの間に? 」
「涼とさ……最近ゆっくり過ごせなかったから、ちょっと今日は特別企画だよ。涼を驚かしてやりたくて、こっそり行きつけの店で習って来たんだ」
「そうか……ごめんね。最近僕の方がバタバタだったから、ゆっくり安志さんと会えなくて。だから今日の誘いは本当に楽しみで仕方がなかったんだ」
「いいんだよ。今日ちゃんと会えたじゃないか」
嬉しい。僕のために……その気持ちがじんわりと心に広がる。
「さてと涼、あと五分で新年だな」
「安志さん年が明けたら何したい? 」
「そうだな。外に初詣に行くか。それともここにいるか。涼こそ何したい? なんでも今日は付き合うよ」
「じゃあ……僕は安志さんとキスしたいな」
「えっ?」
あからさま過ぎたかと恥ずかしい気持ちになったが、実は……僕の方がもう限界なんだ。生真面目な安志さんは、あれから僕に全然手を出してこないから、僕の方がしびれを切らしてしまう程だ。
結局……とうとう自分から言ってしまった。案の定、言ってから猛烈に恥ずかしくなったけど。
「安志さん……どうしてあれから何もしてくれないの?」
「あ──それはだな。一応反省しているんだよ。俺なりに」
「反省ってなんで?」
「俺さ、本当は涼が二十歳になるまで手は出さないって誓っていたんだよ」
「えっ本気で二十歳まで待てたの? 」
「いや……無理だ、とても無理だった」
安志さんも照れ臭そうに笑っていたので、僕もつられて笑ってしまう。あんな気持ちがいいことを知ってしまったらもう確かに戻れないよな。
「じゃあ今日はどうする? 」
「今日は涼を食べたい」
「たっ食べたいって」
そっそんなあからさまに言われると思っていなくて、焦ってしまった。キスしたいと言ったのは僕なのにすっかりやり込まれてしまった。安志さんはやっぱり大人なんだなぁと感心してしまう。
「そのために蕎麦を打った」
「ふふっ安志さん僕を蕎麦で釣ろうと? 」
「これでもかなり頑張ったんだぞ」
安志さんとの会話が楽しすぎてしょうがない。
「おっ涼あと一分切ったぞ」
「ここにおいで」
「ここでいいの? 」
手を引かれてソファに座る安志さんの脚に跨って向かい合って座る。そしてそのまま肩を引き寄せられて、安志さんの端正な顔が間近になっていく。すっきりとした男らしい安志さんは、本当にカッコイイな。女みたいな顔の僕からすればこういう和風醤油顔っていうの憧れの存在だよ。
「涼、キスしよう。キスしながら年越ししたい」
そう言いながら顎を掬われ唇を重ねられた。温かい温もり……優しい手で背中を押され、僕は安志さんにぎゅっと抱かれていく。
その間もひっきりなしにキスをしあう。お互いが啄むように唇を短い間隔で合わせたかと思うと、それからぎゅーっと離れないでくっついた。
テレビではカウントダウンを始めている。
「5・4・3・2・1 Happy New Year!!」
あぁ初めてだ。こんな年越し。
こんなにも好きな人とくっついて迎える新しい年。
「んっ……」
キスは年が明けても終わらない。
このままずっとずっと一緒にいたい。安志さんのそんな気持ちがひしひしと伝わって来る。大丈夫。僕もずっと安志さんの傍にいる。そう応える気持ちを込めてキスを受け入れる。
お互い離すタイミングが掴めず、いつまでも長い時間貪り合ってしまった。
「んっ……うっ…」
安志さんの舌で口腔内をかき混ぜられて唇を撫でられたりするたびに、躰がぞくぞくと震えてくる。これ以上触れられたら、もう我慢出来ない。
下半身に熱が集まっていくのをジンジンと感じて苦しい程だよ。
「安志さん……もう…」
「涼……今日……また君を抱いてもいいか。悪いっ……初詣よりも今は涼が欲しくて堪らない」
「もちろんだよ。僕も同じ気持ちだから……そうして……」
気が付くと僕は、そのままソファに押し倒されていた。安志さんの手が優しく着ていたセーターの裾から入って来て、この前散々苛められた乳首にふれてくると、腰が跳ねてしまう。
「んっそこ駄目……」
「ここ覚えているんだな……すぐに固くなってきたな」
安志さんが部屋の明かりを消して、テレビも消してくれた。
「今日は長い夜になりそうだから集中しよう」
一度開かれた躰は安志さんに触れられるのを待っていたかのように、喜び出していく。
「もう濡れてきた」
「や……」
ベルトを外され、履いていたズボンをずらされるが、まだ下着はつけたままだ。下着の上から安志さんの手が僕のものをなでるように触って来る。
先ほどの乳首への刺激でかなり張りつめていたものが、きつそうにしている。
じんわりと先走ったもので下着が濡れてきて気持ちが悪い。
「安志さん冷たい……」
「んっこのまま1回いって」
そう言いながら安志さんが僕の足元にしゃがみ込み内股にキスをしてくる。その途端ぷるぷると躰が震えてしまう。そんな場所にキスをされるなんて……内股の薄い皮膚は羞恥に染まり、赤くなっているのが分かる。
「駄目だっ! そこは」
「涼のここ柔らかいな」
さらに両足を左右に大きく開かれ、片脚を安志さんの肩に乗せる体勢は酷く淫らな感じがして、恥ずかしさで、そのままソファに埋もれそうになった。
「っつ」
吸い付くように噛むように、強弱をつけながら足のつけ根付近を責められると、あっという間に快楽の波に溺れそうになっていく自分に驚くばかりだ。
「ああっ……んっ…んー」
布越しに触れられるもどかしさと恥ずかしさに煽られて、早くも達してしまった。まるで粗相してしまったようにぐっしょりの下着が濡れて気持ち悪いし、恥ずかしい。
しかも、こんなに早く達してしまうなんて!
「涼、可愛い……大丈夫か」
安志さんが足元から、優しい眼差しで見上げてくる。その表情が本当に嬉しそうで優しそうで、ほっとする。
「う……ん。気持ちよくて……でも、続きはべッドがいい。ちゃんと抱いて欲しい」
「涼は本当に煽るな」
「煽ってなんていない。でも、僕だけじゃ嫌だ」
「ありがとう。次は一緒にいこう」
僕の躰を安志さんが横抱きにして、ベッドへ連れて行ってくれる。
僕は本当に安志さんが好きで好きで溺れていく一方だ。きっと、安志さんと躰を重ねていけば行くほど、僕は安志さんのことが好きになっていく。
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今年は去年よりもっと安志さんのことが好きになる。
丸ごと一年間、安志さんのことが好きでいられる。
そんな年の始まりにときめいていた。
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