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第4章
※安志編※ 太陽の欠片 11
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summer camp 6
「おい誰だよ!ビールなんて持ってきたの」
「大丈夫だよ、Ryoも飲もうぜ! 」
「だが……まずくないか」
「Ryoの壮行会だよ。少しだけならいいだろ? 」
気が付いたらバンガローでこっそりと宴会が始まっていた。飲酒していい年齢に達してないから不安が過ったが、気のいい奴らから誘われてつい口を付けてしまった。
※アメリカではアルコールについては、全ての州が21歳未満のアルコールの購入や所持を禁じてはいるものの、飲酒行為自体の合法性となると州によって違うようです。
僕がこのメンバーでの旅行を決めたのは、メンバーの男3人にステディな彼女がいることを知っていたから。
洋兄さんに忠告された通り、変な色目で見られることが年齢を重ねるごとに増え、危ない目にあうことも多々あったので、それに伴い警戒心も芽生えて来た。でもこのメンバーは、彼女の話で盛り上がることも多く、僕のことをただの男友達として接してくれていてほっとする。だからキャンプ自体を満喫出来ていた。そんな気の緩みもあって飲みなれない酒でほろ酔いになってしまった。
僕は酒を飲むと眠くなるたちだったのか。とにかく目が開けられない程の眠気だ。 気が付くと隣で酒を飲んでいたBillyの肩にもたれてしまっていた。
「あれRyoどうした? 酔っちゃったのか」
「んーーBilly……僕……眠い」
「しょうがないな、もうベッドで寝ろよ」
「……そうさせてもらうよ…痛っ」
ところが足がもつれて2段ベッドの上に思うように上がれない。階段を踏み外して足をぶつけてしまった。そんな僕のことをBillyが見かねたようで、グイッと腕を引っ張られて下のベッドにドスンっと寝かされた。
「ったく、見てられないぞ。危ないから今日は下で寝ろよ」
「……ありがとう。君は優しいな」
「なんだよBilly~ 抜け駆けか。Ryoとお熱いな~」
「そんなんじゃないよ」
他の奴らが僕達を揶揄う声が遠くに聴こえるが睡魔に襲われ、あっという間にまどろみの世界へ誘われて行ってしまった。
****
くそっRyoの奴、こんな所でこんな風に無防備に寝るなよ。
俺のベッドで仰向けに寝ているRyoの姿から目が離せない。酔っぱらって少し赤らんだ頬、血行が良くなったのか唇の色もいつもより赤い。伏せた睫毛は黒く長く、Ryoの滑らかな象牙色の健康的な肌に艶めいた妖しげな影を落としている。
「んっ……暑い……」
寝言のようにRyoが苦し気にいうので、俺は躊躇したが、Ryoのシャツのボタンを上から一つ……二つと外してやった。三つ目も外してやろうかと、手が彷徨った。
「ふぅ……楽になった」
ほっとしたRyoが深呼吸した息がふわっと俺にかかった。
うっ……なんて甘い吐息なんだな。
Ryo……これ以上刺激するな!
その薄く開いた唇を舐めたら、どんな味がする? ぐっと堪えきれない衝動に任せ顔を近づけたとき、ルームメイトに声を掛けられた。
「おいBilly、そろそろ寝るか。お前はRyoにベッドを譲ったから上に行けよ」
「あっああ」
電気を消して俺は暗闇を睨む。
朝のプールでのRyoの姿が脳裏にふわっと浮かんでくる。
ツンと立った小さな乳首。
水に濡れたしなやかな裸体。
細い首に濡れて張りついた髪の毛。
先ほどの酔って上気した薔薇色の頬。
俺にかかった甘い吐息。
俺を誘うように見つめてくるRyoの姿が幻想のように浮かんでは消えて行く。
あああっもう駄目だ。俺ってマジで男が好きだったのか。それともRyoだからなのか、こんな気持ちになるのは?
不毛過ぎるよな~はぁ……Ryoは俺のこ友達として信頼してくれているのに。
俺は布団を頭まで被り、下のベッドのRyoに今すぐ襲いかかりたい、獣のように興奮した気持ちを必死に抑え込んだ。
ちっ──しょうがないな。一度抜くか。
自分のものに手を触れ皆に気が付かれない様に、頭の中で俺の下で喘ぐRyoの淫らな姿を想像しながら一気に抜いて、そのまま脱力したように眠ってしまった。
コトっー
何時だろうか。物音がしてふと目が覚めた。耳を澄ますと、そっとドアが開く音がして誰かが外に出ていたようだ。その後ろ姿をみて、はっとする。
Ryo……?
こんな時間に何処へ行くのか。
「おい誰だよ!ビールなんて持ってきたの」
「大丈夫だよ、Ryoも飲もうぜ! 」
「だが……まずくないか」
「Ryoの壮行会だよ。少しだけならいいだろ? 」
気が付いたらバンガローでこっそりと宴会が始まっていた。飲酒していい年齢に達してないから不安が過ったが、気のいい奴らから誘われてつい口を付けてしまった。
※アメリカではアルコールについては、全ての州が21歳未満のアルコールの購入や所持を禁じてはいるものの、飲酒行為自体の合法性となると州によって違うようです。
僕がこのメンバーでの旅行を決めたのは、メンバーの男3人にステディな彼女がいることを知っていたから。
洋兄さんに忠告された通り、変な色目で見られることが年齢を重ねるごとに増え、危ない目にあうことも多々あったので、それに伴い警戒心も芽生えて来た。でもこのメンバーは、彼女の話で盛り上がることも多く、僕のことをただの男友達として接してくれていてほっとする。だからキャンプ自体を満喫出来ていた。そんな気の緩みもあって飲みなれない酒でほろ酔いになってしまった。
僕は酒を飲むと眠くなるたちだったのか。とにかく目が開けられない程の眠気だ。 気が付くと隣で酒を飲んでいたBillyの肩にもたれてしまっていた。
「あれRyoどうした? 酔っちゃったのか」
「んーーBilly……僕……眠い」
「しょうがないな、もうベッドで寝ろよ」
「……そうさせてもらうよ…痛っ」
ところが足がもつれて2段ベッドの上に思うように上がれない。階段を踏み外して足をぶつけてしまった。そんな僕のことをBillyが見かねたようで、グイッと腕を引っ張られて下のベッドにドスンっと寝かされた。
「ったく、見てられないぞ。危ないから今日は下で寝ろよ」
「……ありがとう。君は優しいな」
「なんだよBilly~ 抜け駆けか。Ryoとお熱いな~」
「そんなんじゃないよ」
他の奴らが僕達を揶揄う声が遠くに聴こえるが睡魔に襲われ、あっという間にまどろみの世界へ誘われて行ってしまった。
****
くそっRyoの奴、こんな所でこんな風に無防備に寝るなよ。
俺のベッドで仰向けに寝ているRyoの姿から目が離せない。酔っぱらって少し赤らんだ頬、血行が良くなったのか唇の色もいつもより赤い。伏せた睫毛は黒く長く、Ryoの滑らかな象牙色の健康的な肌に艶めいた妖しげな影を落としている。
「んっ……暑い……」
寝言のようにRyoが苦し気にいうので、俺は躊躇したが、Ryoのシャツのボタンを上から一つ……二つと外してやった。三つ目も外してやろうかと、手が彷徨った。
「ふぅ……楽になった」
ほっとしたRyoが深呼吸した息がふわっと俺にかかった。
うっ……なんて甘い吐息なんだな。
Ryo……これ以上刺激するな!
その薄く開いた唇を舐めたら、どんな味がする? ぐっと堪えきれない衝動に任せ顔を近づけたとき、ルームメイトに声を掛けられた。
「おいBilly、そろそろ寝るか。お前はRyoにベッドを譲ったから上に行けよ」
「あっああ」
電気を消して俺は暗闇を睨む。
朝のプールでのRyoの姿が脳裏にふわっと浮かんでくる。
ツンと立った小さな乳首。
水に濡れたしなやかな裸体。
細い首に濡れて張りついた髪の毛。
先ほどの酔って上気した薔薇色の頬。
俺にかかった甘い吐息。
俺を誘うように見つめてくるRyoの姿が幻想のように浮かんでは消えて行く。
あああっもう駄目だ。俺ってマジで男が好きだったのか。それともRyoだからなのか、こんな気持ちになるのは?
不毛過ぎるよな~はぁ……Ryoは俺のこ友達として信頼してくれているのに。
俺は布団を頭まで被り、下のベッドのRyoに今すぐ襲いかかりたい、獣のように興奮した気持ちを必死に抑え込んだ。
ちっ──しょうがないな。一度抜くか。
自分のものに手を触れ皆に気が付かれない様に、頭の中で俺の下で喘ぐRyoの淫らな姿を想像しながら一気に抜いて、そのまま脱力したように眠ってしまった。
コトっー
何時だろうか。物音がしてふと目が覚めた。耳を澄ますと、そっとドアが開く音がして誰かが外に出ていたようだ。その後ろ姿をみて、はっとする。
Ryo……?
こんな時間に何処へ行くのか。
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