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FOREVER TIME Ⅱ
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育児と仕事との両立にも慣れ、あおいは職場の同僚と小旅行へ行くことになった。家族もそれを快諾し、普段とはまた違ったおしゃれをする彼女を送り出す。
「明後日の夕方に戻るから」
「うん、楽しんできて。彼にも宜しく伝えておいてよ」
分かった。彼女は更に美しくなった笑顔を家族に向ける。
「お母さんと、おみやげかってきてね」
「おみやげー!」
子供たちは早くも土産を期待してはしゃいでいる。あおいは以前よりも笑顔が増えた彼らの頭を優しく撫でた。
「うん、お父さんと一緒にお留守番するんだよ。そう言えば、るりいつ来てくれるんだっけ?」
「明日の晩って言ってたよ」
「じゃああの子の分も買っておかないと……そろそろ出るね」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
あおいは家族に手を振り、満面も笑みでいそいそと出て行った。妻を見送った司は末娘楓を抱っこして奥に入ると、リビングテーブルに置いてあるケータイが動きを見せている。いち早く反応した拓海がぱっと駆け出し、それを掴んで父の元に持ってきた。
「お父さん、ケータイなってるよ」
「ありがとう。多分るりちゃんだと思う」
司は片腕で娘を抱え直してからケータイを受け取り、笑みを浮かべながら操作を始める。
「ねぇお父さん」
そんな彼に拓海が声を掛ける。
「ん?」
「るりちゃんと、なかなおりしたんだね」
うん。司は一旦操作の手を止めて息子の顔を見る。
「ボクみんななかよくしてほしいんだ」
「大丈夫だよ。明日はお泊りしてくれるって」
彼はそう言ってケータイの画面を見せると、拓海は子供らしい笑顔を見せながら良かったね、と言った。
「もうケンカしちゃダメだからねっ」
「ケンカだめぇ!」
子供たちに諭された司は、苦笑いして分かったよ、と答えた。
「明後日の夕方に戻るから」
「うん、楽しんできて。彼にも宜しく伝えておいてよ」
分かった。彼女は更に美しくなった笑顔を家族に向ける。
「お母さんと、おみやげかってきてね」
「おみやげー!」
子供たちは早くも土産を期待してはしゃいでいる。あおいは以前よりも笑顔が増えた彼らの頭を優しく撫でた。
「うん、お父さんと一緒にお留守番するんだよ。そう言えば、るりいつ来てくれるんだっけ?」
「明日の晩って言ってたよ」
「じゃああの子の分も買っておかないと……そろそろ出るね」
「「「「行ってらっしゃい」」」」
あおいは家族に手を振り、満面も笑みでいそいそと出て行った。妻を見送った司は末娘楓を抱っこして奥に入ると、リビングテーブルに置いてあるケータイが動きを見せている。いち早く反応した拓海がぱっと駆け出し、それを掴んで父の元に持ってきた。
「お父さん、ケータイなってるよ」
「ありがとう。多分るりちゃんだと思う」
司は片腕で娘を抱え直してからケータイを受け取り、笑みを浮かべながら操作を始める。
「ねぇお父さん」
そんな彼に拓海が声を掛ける。
「ん?」
「るりちゃんと、なかなおりしたんだね」
うん。司は一旦操作の手を止めて息子の顔を見る。
「ボクみんななかよくしてほしいんだ」
「大丈夫だよ。明日はお泊りしてくれるって」
彼はそう言ってケータイの画面を見せると、拓海は子供らしい笑顔を見せながら良かったね、と言った。
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子供たちに諭された司は、苦笑いして分かったよ、と答えた。
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