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THIRD TIME Ⅳ
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二人は先にコンビニに立ち寄り、弁当と下着を購入してからホテルにチェックインを済ませてツインルームに入る。
「まずは食事にしましょう」
司はあおいの分である親子丼とペットボトルのお茶を差し出した。一方の彼女は休める場所を確保出来たことにホッとして、早速疲れた体をベッドに預けてしまっている。
「あ……ありがとうございます」
「お疲れだとは思いますが、お腹を満たしておいた方が良いですよ」
「すみません、何から何まで……」
疲労で重くなっている体を何とか起こし、親子丼とお茶を受け取ったあおいは司に向け頭を下げる。
「困った時はお互い様です。今考え事をするのはやめましょう」
彼はそう言ってからいただきます、とチキンカツ弁当に箸を入れる。あおいもそれに呼応するかのように手を合わせ、久しぶりに食べるコンビニ弁当を口に入れた。
食事の間はほぼ無言だった。司の場合は妻の手料理が大好きという理由で、あおいの場合は夫に制限されていたという理由でジャンクフードを食することがほとんど無い。しかし空腹も手伝ってなのか、はたまた誰家とともにする食事なのか、この日のコンビニ弁当はいつになく美味しく感じられた。
二人はあっという間に完食し、緑茶を飲んでほっと一息つく。何から何までしてもらっている事に気が引けたあおいは、せめてもの礼にと立ち上がって弁当の容器を片付ける。
「立ち上がったついでですから、先に風呂を使ってください」
「えっ?私後でもいいんですが……」
「先に連絡しておきたいところがあるんです」
「そういう事でしたら遠慮なく……」
あおいは司に買ってもらった下着を手に取りシャワールームに入る。彼はそれを見てからバッグからケータイを取り出し、もう寝ているかもしれない妻に近況をメールで報告しておいた。
「まずは食事にしましょう」
司はあおいの分である親子丼とペットボトルのお茶を差し出した。一方の彼女は休める場所を確保出来たことにホッとして、早速疲れた体をベッドに預けてしまっている。
「あ……ありがとうございます」
「お疲れだとは思いますが、お腹を満たしておいた方が良いですよ」
「すみません、何から何まで……」
疲労で重くなっている体を何とか起こし、親子丼とお茶を受け取ったあおいは司に向け頭を下げる。
「困った時はお互い様です。今考え事をするのはやめましょう」
彼はそう言ってからいただきます、とチキンカツ弁当に箸を入れる。あおいもそれに呼応するかのように手を合わせ、久しぶりに食べるコンビニ弁当を口に入れた。
食事の間はほぼ無言だった。司の場合は妻の手料理が大好きという理由で、あおいの場合は夫に制限されていたという理由でジャンクフードを食することがほとんど無い。しかし空腹も手伝ってなのか、はたまた誰家とともにする食事なのか、この日のコンビニ弁当はいつになく美味しく感じられた。
二人はあっという間に完食し、緑茶を飲んでほっと一息つく。何から何までしてもらっている事に気が引けたあおいは、せめてもの礼にと立ち上がって弁当の容器を片付ける。
「立ち上がったついでですから、先に風呂を使ってください」
「えっ?私後でもいいんですが……」
「先に連絡しておきたいところがあるんです」
「そういう事でしたら遠慮なく……」
あおいは司に買ってもらった下着を手に取りシャワールームに入る。彼はそれを見てからバッグからケータイを取り出し、もう寝ているかもしれない妻に近況をメールで報告しておいた。
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