運命の紅い糸

谷内 朋

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SECOND TIME Ⅰ

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 それから時が経ち、葛城司は妻詩織しおりと半年前に結婚した。仕事もプライベートも正に順風満帆と言え、不満など微塵もない生活を送っている。

 それでも仕事柄休日がなかなか取れず、デートの一つもまともにできない程だった。しかしそれも元医療事務だった詩織の多大なる理解のお陰で夫婦仲そのものは至って良好、貴重な休日は日頃の感謝も込めて妻と過ごすのが何よりの楽しみとなっている。

 二人は普段よりも幾分おしゃれをして郊外にあるレストランで食事をした後、街中を散策していると風情のある小さなチャペルの前を通り掛かる。そこでは平日の昼間にも関わらず正装姿の男女が多く集っており、祝福ムードを周囲に振りまいていた。

 「結婚式みたいね」
 
 二人とも少し前の挙式を思い出し、思わず足を止める。遠巻きに他人様の結婚式を微笑ましく眺めていると、白いウェデングドレス姿の女性が白いタキシード姿の男性と共に幸せいっぱいの表情で現れた。

 司は新婦の顔に微かな反応を示す。それを敏感に察知した詩織はどうかしたの?と訊ねた。
 
 「去年式場で体調を崩された方なんだ」

 「そう、今はお元気そうで何よりね」

 うん。そう答えながら昨年の出来事を思い出していた。
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