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病状説明
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カンファレンスルーム。
そこで、翔太の病状についての説明が、医師から行われるはずだ。
「ーーこちらでお待ちください」
ナースにそう言われて、由美はそこで待っていたが、慣れない部屋で落ち着かない。椅子に座ったり、椅子から立ったり、腕を組んだり、離したり。
由美が落ち着かずに過ごしていると、白衣を着たメガネの男が入ってきた。
年は40から50ってところだろうか?
白髪で、小柄な男。
「ーー中澤翔太さんの奥さまですね?」
確認するように、医師はメガネの上からこちらを覗き込むように見ている。
その目はとても鋭い。
「ーーはい」
由美は頭を下げて、翔太の妻である事を承諾するように頷いてから口を開いた。
「先生、目覚めてから翔太の様子がおかしいんですがーー」
ーーおかしいとは?
医師は、先程と同じようにメガネの上からこちらを覗き込むようにして、こちらを睨んでいる。
「人を殺したとか、自首するとか、離婚するとかーー変な事ばっか言ってるんです。だって、私たち、上手く行ってたんですよ?それなのにーー彼は頭でも打ったんでしょうか?」
由美は、医師にそう問いかけた。
無言のまま、医師は検査結果のデータを眺める。
由美にはとても長い時間に感じられたが、おそらくは一分にも満たない時間が流れただけなのだろう。
「うーん。検査の結果では脳波やctなどには異常がないので、頭を打ったとも考えられませんね」
「そうですか。ありがとうございます」
「それで翔太さんなんですが、検査結果はすべて異常なし。なぜ、臨死状態になったのか?それは分かりませんが、とりあえず今日1日様子を見て、変わらなければ明日には退院出来るでしょう」
「そうですか。わかりました」
由美はそう言って、深々と頭を下げてから「ありがとうございます」と言った。
そこで、翔太の病状についての説明が、医師から行われるはずだ。
「ーーこちらでお待ちください」
ナースにそう言われて、由美はそこで待っていたが、慣れない部屋で落ち着かない。椅子に座ったり、椅子から立ったり、腕を組んだり、離したり。
由美が落ち着かずに過ごしていると、白衣を着たメガネの男が入ってきた。
年は40から50ってところだろうか?
白髪で、小柄な男。
「ーー中澤翔太さんの奥さまですね?」
確認するように、医師はメガネの上からこちらを覗き込むように見ている。
その目はとても鋭い。
「ーーはい」
由美は頭を下げて、翔太の妻である事を承諾するように頷いてから口を開いた。
「先生、目覚めてから翔太の様子がおかしいんですがーー」
ーーおかしいとは?
医師は、先程と同じようにメガネの上からこちらを覗き込むようにして、こちらを睨んでいる。
「人を殺したとか、自首するとか、離婚するとかーー変な事ばっか言ってるんです。だって、私たち、上手く行ってたんですよ?それなのにーー彼は頭でも打ったんでしょうか?」
由美は、医師にそう問いかけた。
無言のまま、医師は検査結果のデータを眺める。
由美にはとても長い時間に感じられたが、おそらくは一分にも満たない時間が流れただけなのだろう。
「うーん。検査の結果では脳波やctなどには異常がないので、頭を打ったとも考えられませんね」
「そうですか。ありがとうございます」
「それで翔太さんなんですが、検査結果はすべて異常なし。なぜ、臨死状態になったのか?それは分かりませんが、とりあえず今日1日様子を見て、変わらなければ明日には退院出来るでしょう」
「そうですか。わかりました」
由美はそう言って、深々と頭を下げてから「ありがとうございます」と言った。
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