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第3章

27話

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「聖女様への面会のお日にちが明日に決まったそうです。」

アランと王宮へ帰ってくるなりスザンナに告げら、そして当日、ミネアはスザンナに応接間に案内されソワソワしながら聖女様への面会を待っていた。

聖女様…一体どんな方なんだろう。
やっぱり清楚で優しくて、気品あふれる素敵な方なのかしら?
いや、でもそれなら王宮でのんびりしたいから魔物討伐に行かないとかは言わないか…

グルグルと思考を巡らせ応接間で待機しているとガチャと扉が開きアランとリザルドが入ってきた。

「時間ですか?い、今行きます!」

「あぁ。いや、時間なんだが…まだ面会出来ないそうだ」

はて?
既に言われた時間より30分は有意に過ぎている。

「何か問題でも?」

「特に問題はないんだが…いや問題か、、聖女は今起きたそうだ。」

ええ?!!
今って!もう直ぐお昼になりますよ?!
二度寝とかですかね?いやいや今日は面会する手筈になっていた筈なのに寝ますかね普通…
うん、何となく思っている聖女様とは違ってそうですね。

「すぐに支度を済ませるそうだからもう少し待ってくれ」

コクっとうなづくといつの間にかスザンナが新しいお茶を持ってきてくれていた。
仕方が無いのでお茶を啜って待つことにした。



「お待たせ致しました。聖女様のご準備が整いました。」

「はあ、やっとか。今行く」

アランに続きリザルドと聖女様との面会の場へ向かう。

「リザルドはここで、ミネア行くぞ。」

コンコン

「失礼する」

いよいよ聖女様とのご対面。
ミネアは一例し、アランの後に続くと目の前には凛とした聖女様…ではなく椅子に気怠そうに座り如何にも面倒といった雰囲気を出している可愛らしい女性が座っていた。

か、顔だけはめっちゃ可愛いのに!!
なんか、なんかすっごく残念な感じに見えるのは何で!?
おっと、突っ立ってては失礼になるわね。

ミネアは聖女様の前に行くとスカートを持ち一礼した。国王には最敬礼だが聖女様にも略式とはいえ敬意を払って挨拶をしなければいけない。
一応伝説の人ですから。

「お初お目にかかります。マクスより参りましたミネアと申します。お見知り置きを」

「あー、貴方が私の代わりに討伐に行く人ー?思ってたより若いんだねー。まぁ頑張って。あー、私はカノン。ってここでは名乗ってるわ。」

「ここでは…?」

「そう、私気がついたらこの王宮にいたの。元いた所はぜーんぜん違う所」

聖女様は突然王宮に現れたと噂されていたが本当にその通りだったとは。

「だからね、私この世界の事なーんにも知らないの。なのにいきなり国を救えとか魔物討伐に行けとか意味わからないし、この国の人にそこまで義理はないしね。
私が居るだけで魔物はここら辺には近寄れないって聞いたし、それだけでも国を守ってると思うの。
だからね、私はここでのーんびり過ごさせて貰うわ!」

口元に指を置いて話す仕草は可愛らしいお顔と相まってとっても天使の様だが言っていることは全く可愛くはない…

横を見るとアランが額に手を置きため息をついていた。

「さぁ、これで話は終わりかしら?私お腹減ったから帰ってもいい?
あっ、アラン!!私この国の珍しいお菓子が食べたいわ!後で持ってくる様に伝えて頂戴。それと、ここの枕ふわふわで気持ちいいんだけど落ち着かないから硬いけど柔らかい枕もお願いね!」

硬いけど柔らかい枕…
うんうん、それまた難しい要望ですね。
アランなんて呆れて物も言えない様な顔をしてますよ。

「ああ、言っておく」

一言伝えるとアランは席を立ったのでミネアも聖女様に一礼しその場を後にした。


「アラン、聖女様って何かすごい方でしたね。思ってたイメージとは随分と…まあ離れてました。」

「ああ、そうだろうな。でもあれでも間違いなく聖女の力はあるそうなんだ。厄介だよな全く、、」

わぁー、王子ともあろう方がいいんですかね、聖女様の事をそんな風に言ってしまって。誰か聞いていたら大変…

「おや、これはこれはアラン王子ご機嫌いかがですかな。こちらに御出でとは珍しい」

「ああ、聖女に用があってな。法皇殿も聖女に用が?」

ほ、法皇!今アラン法皇と言いましたよね?
って事はこの方が、この国の教会を統べる方ですよね!!
あっ、今の話聞いてたら大変な事に!!

「おや、そちらの方は…?!」

ん?話がこちらに逸れてきた…
えっと、なんだか凄く睨まれているんですけど、何で!?

「彼女は聖女に代わり討伐に参加する。その挨拶に行っていただけだ。」

そう言ってアランはミネアを背中に隠す様にして法皇との間に入った。

「ほお、そうですか。ですが、そちらの女性不思議な魔力の匂いをしていますね、何か隠し事でもお有りですか?」

匂いって何?!
いやそれよりも隠し事…
それはやっぱり私の闇魔法の事を言っているのよね。

「まぁ、いいでしょう。
そう言えば最近息子が変わった魔法を使う女性とお会いしたそうでして、どうやら蛇の様な影を操っていたとか。私はそれが闇の力では無いかと思ったんですが、アラン王子はお心当たりはありませんか?」

「心当たりがあったらどうなんだ」

「そうですね、私も確かめて見なくては行けませんね。闇の力が我が国にとって有害か無害かをね。」

ドキっとした。
法皇の目は明らかにミネアを睨みつけていた。
法皇にとって光魔法を使う聖女は善。闇魔法を使う魔女は悪と捉えているのだろう。
それはそうだ、教会は主に神や聖女様を信仰としているのだから闇魔法を簡単には認めてくれないだろう。

ミネアは思わず目を逸らしてしまった。

「そうそう、息子が街であった女性はフードをずっと被っていてそのフードにはマクスの街のシンボル、ニギアの花の模様が入っていたと聞きました。そちらのお嬢さんと同じですね…
では、私はこれで失礼させていただきます。」

法皇は一礼するとミネアを横目にそのまま聖女がいる応接室へと向かっていった。

「こ、怖かったー。アラン、あれ絶対私が魔女だって気づいてますよね!!」

「ああ、多分な。だがこちらは何も悪いことはしていない!寧ろ聖女に変わって討伐へ行くんだから感謝して欲しいくらいだ!!
行くぞ!」

何だろう、アランなんか怒ってますかね?
取り敢えず今後法皇様とは合わなければ問題ないし大丈夫だよね、、、


魔物討伐出発まで後1日。
これから私どうなるんだろう…
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