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第二章

王妃様のお茶会4

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ーハックション
「んー、誰か俺の噂でもしてるな」
遠くでスヴェンがクシャミをしながらそんなことを思っている裏では中々大変だった。

「スヴェンは何者なの?只の御者にしては近すぎだよね。何?婚約者を探しているって言ってたけど別に想い合ってる人がいた訳?」

矢継ぎ早に質問が飛んでくるし、顔は笑っていても目が全く笑ってない!これは本気で怒っている奴だ。
えっ、というか何故スヴェン?そして何故レネティシス家の御者を殿下が知っているのだろうか?
いや今はそんな事よりお怒りを鎮めて貰わなくては…どうやって?

「えっと、スヴェンはですね…昔レネティシス家の敷地に住んでた御者の家の息子でして私より4つ上なんですけどほぼ家族の様に過ごしてまして第二の兄と言いますか…まぁそんな感じで彼は只の御者で、えとなので、、恋人とかないですからね!」

あっ強調するところ間違った。
でもこの説明で納得してくれるのだろうか、それすら怪しいが…

「そ、そうか。違う、ならいい。」

あれ、意外とあっさり引いてくれた。
殿下は何を聞きたかったのだろう、淑女が御者と余り親しいのは確かにおかしいがほぼ家族同然なんだし仕方ない。

アリアローズは残っているお茶を口に付けて飲み干すと今度こそ帰ろうと席を立とうとした。

「何処へいく?」

「えっ、と此処にいて他の御令嬢方がカインザーク殿下とお話になる機会を無くしてしまってはアレですので退散しようかと…」

「はあ、本当何にも伝わってないんだな」

頬杖をつきながらため息をつく殿下を周りの御令嬢方はうっとりしながら見惚れているがとうのアリアローズは既に頭がパンクしそうなので早く帰りたくて仕方ない。

「伝わってないとは何ですか!私にも少しくらいは伝わってますよ。カインザーク殿下が私にとても良くして下さってるって事。それに、」

少し身を乗り出してカインザーク殿下の近くに行く

「他の御令嬢より近くにいれて嬉しいと思ってるんですよ。カイン殿下」

これは本音。
恋愛として好きかどうかはわからないが人としては好きだし話してて気が楽なのだ。
でも殿下は雲の上の人。本来ならアリアローズが話せる立場の人ではないのは重々承知だ。だからこそ他の令嬢より近くにいれる今の状況だけでも充分満足している。

「んん、まあ今はまだそれで充分だ」

「まあ、なら帰っても良いでしょうか?」

「そうだな、本当は御者もこちらが手配しようと思って居たが問題ない様だしいいだろう。私も一緒に退席するとしよう」

アリアローズが立つより先に席を立ちカインザークが出口までエスコートしてくれる。
こ、これは凄く特別感…

「アリア嬢先程の話だが、、本当に御者とは何もないんだよな」

殿下も大抵しつこい。
さっきも御者を他に手配しようとしていたとか御者と令嬢が噂になるのは確かに不味いがそれを殿下が気にしますか?殿下は娘を心配する父親ですか!?

「もお、本当に何でもありませんよ。
まぁ、恋人ではないにしても家族以外では1番信頼出来る相手ですけどね!」

ここまで言えば心配性の殿下も御者の事を信頼してくれるだろう。
横を見るとカインザークの肩が小刻みに震え、表情が先程の目が笑っていない怒り顔へと変わった。

「やっぱり無しだ!違う御者を用意する!!」

「ええ!!何でですかー!?」
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