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下弦の月
裏月 南の海
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ジュンと会って話をして、私は自分の中に妙な気持ちが生まれるのを感じた。彼は自分の愚かさと卑劣さを私に見せつけてきた。それが彼なりの私に対する誠意なのだろうとは思ったから特に気にはしなかったけど。
私はジュンと別れるとバイトに向かうため、《カフェ・ミネルバ》を後にした。もうすぐ夏休みが終わるせいか、駅前で遊んでいる高校生たちもどことなくつまらなそうだ。
大志たちと今度、遠征すると思うと私は気が引き締まる思いだった。おそらく次のライブで私たちのバンドの今後の方向性が決まる。
駅前に停めておいた自転車まで行って鍵を外そうとすると私のスマホに着信があった。着信の名前を見て私は目を疑った。『月姫』。そう表示されている。
私は一〇秒ほど着信を放置して、出るか出ないか考えていた。なんで妹は私に電話を掛けてきたんだろう? 今まで一年以上も音信不通だったのに今更?
「もしもし?」
私は意を決して電話に出た。
『あ……。お姉? ルナだけど』
ルナはよそよそしい口調で電話口で話す。
「わかってるよ! どうしたの? いきなり電話かけて来るなんて珍しい」
私は無意識に棘のある言い方をしてしまった。久し振りなんだからもっと親しげに話せば良いのに。
『急にごめんね。今ね、茉奈美が泊まり来てるんだ! 悪いんだけどさ、茉奈美泊めるのにお姉の部屋借りて良いかな? 私の部屋に二人だと狭いからさ……』
「茉奈美来てるんだ……。別に構わないよ! つーか私実家に帰る事ないから勝手に使えば良い! 悪いけど一回茉奈美に電話代ってもらっていい?」
私は茉奈美に代るようにルナに促す。少し待つと電話口に茉奈美が出た。
『おつかれー! ウラさぁ、悪いんだけど部屋借りるねー! お前の部屋すんごいパンクだけど、今日のところは我慢してやるから』
「うっせーし! つーか茉奈美珍しいじゃん? なんで私の実家に泊まり来てんの? 親父だっているから茉奈美気ぃ使うんじゃね? 一応、バイト先の上司んちだよ」
私が茉奈美にそう言うと茉奈美は黙り込んでしまった。
『それなんだけどさ……。ちょっとやっかいなことになってね。ウラにも関係ある事だからルナ電話掛けたんだよ?』
茉奈美は言いづらそうにそう言うとルナに電話を替わった。
『お姉? 実はね……』
そう言うとルナは事情を話し始めた。
どうやら親父が蒸発したらしい。どこに行ったかも不明。とりあえずは当面の生活費はどうにかなるくらいの金は残して行ったらしい。そんな内容だった。
「やっぱねー! あの親父ならいつかそうなる気がしてたんだ」
『お姉、頼むから父さんのこと悪く言わないで……』
「でもさぁ……」
私はそこで言葉を濁した。そうだ。ルナと最後に会った時もこんな感じで親父のことで酷く言って険悪になった。
『お姉?』
私が電話口で黙り込んでいるとルナに声を掛けられた。
「ああ、聞いてるよ……。とにかく! ルナ大丈夫なの? 父さんがいなくなったら学校だってお金の事だって大変でしょ? 私も何か協力してやりたいけどさ……」
『うん、正直言うとね。すごく心細いんだ。これからどうなるのか目の前真っ暗だし、お姉の言う通りお金だって心配だよ。でもどうにかするしかないからさ』
ルナはとても穏やかな口調で私にそう言った。この子はかなり動揺しているな……。私は妹の話し方と息づかいからそれを察した。
「ねえルナ? もしルナさえ良ければ私、一回実家戻ろうか? 茉奈美だっていつまでも泊まってもらうわけにはいかないでしょ? これでも私、前よりはマシになったんだ。家事だってできるようになった。料理も作れるようになったしね」
『うん、ありがとう。戻るか戻らないかはお姉の好きにしていいよ! お姉の部屋はちゃんとそのままにしてあるから……』
「わかった。私もさー、今部屋借りて一人暮らししてるからすぐには行けないけど、そのうち顔出しにいくよ! もし困ったらすぐに連絡しな!」
私は姉らしい言葉を妹にかけた。我ながらこの一年半の間に、少し穏やかな方向に性格が変わった気がする。よく言えば成長、悪く言えば丸くなった。バンドマンとして丸くなるのはあまり好ましくない。ジュンくらいイカレてたほうがちょうどいい。この前ブチキレたからあまり自信を持っては言えないけどね。
『なんかお姉変わったね……』
ルナに言われて私は変な気持ちになった。
「何? 変わったように感じる?」
『うん! だって前のお姉だったら『知らねーよ! 勝手にやれば!』って言ってきっと電話切ってたもん。そんな風に私の気持ち汲んで話なんかしてくれなかったじゃない?』
「私だって多少は成長するさ……。これでも家出てから色々あったんだ」
『そうだよね……。ありがとう、もしなんかあったらまた連絡するね! お姉もバンドとか色々頑張ってね!』
「ああ、ありがとう。じゃあルナ気をつけてね。茉奈美にもよろしくいっといて」
私はそう言うと妹からの電話を切った。ルナも変わったな……。以前のルナだったらバンドのことをお世辞でも頑張れなんて言わなかったのに。私はそんな事を思いながらバイト先に向かうため自転車に乗った。
《ピザプルート》に向かう中、私はルナのことがとても気がかりだった。いくらしっかり者の妹とはいえ、まだ高校生が親なしで生きていくのは困難だろう。でもまぁ、私でさえ生きていけてるんだからルナなら問題ないかもしれないけど……。
《ピザプルート》に着くと茅野さんと一緒にピザを焼き始めた。もう夏休みも終盤に近づいているためかそこまで注文もない。
「京極、今日はなんか穏やかだなぁ」
茅野さんはピザの伝票を整理しながら私に話しかけてきた。
「え、普通っすよ。そんな穏やかそうに見えます?」
「お前っていつもはもっとキツい顔して仕事してるぞ? 今日はなんか穏やかで優しそうな顔してる気がするよ」
茅野さんはさすがだ。私の表情をしっかり見ている。
「実は、絶縁状態だった妹から連絡きたんです。久し振りだったけど何となく仲直りできたかなーって……」
「妹って、京極の双子の妹ちゃんか。確か、口もきかないって言ってたよな?」
「そうなんですよ。ずっと口もきかなかったんですけど、今日久しぶりに話したんです。一年以上話してなかったからどうなるかとは思ったんですけど、割と普通に会話できました」
「そうかぁ、そりゃあよかったなぁ。やっぱ家族は仲がいい方がいいよ! せっかく血がつながってるんだから、大事にした方がいい」
茅野さんはそう言って笑いながら事務作業を続けていた。
バイトが終わると私はシェアハウスに戻って夕飯の準備をした。いつも通り、菊丸さんと茜ちゃんの分も作って彼らと一緒に食べた。今晩はカレーライスで菊丸さんも茜ちゃんも美味しそうに食べてくれた。カレーは量が多いから湯野さんにもお裾分けした。
「あー、ウラの作るカレーはうまいなー。ジャガイモとか人参の切り方が大きくていいよ」
珍しく菊丸さんは私の作った料理を褒めてくれた。茜ちゃんも一生懸命に食べている。
『ウラ姉さんのカレー美味しいよ!』
茜ちゃんはスマホで私に送ってきてくれた。すっかり茜ちゃんとのスマホトークも慣れた気がする。
「二人ともありがとう。一生懸命作った甲斐があるよ。でも菊丸さんは普段文句いいすぎだけどさ」
「俺はよー。うまいものはうまいっていうよ? お前が作る料理は不安定なんだよ! 味が薄すぎたり濃すぎたりさぁ。でもこのカレーは絶品だ!」
「はいはい! どーせ私の料理は不安定だよ! 文句言うなら食わなくてけっこう!」
私たちは本当に夫婦のように毎日食事している気がする。茜ちゃんも素直でいい子だ。
「そういえば菊丸さん。ちょっと相談があるんだけど……」
「ん? 何だよ改まって」
私は菊丸さんにライブ遠征するときに茜ちゃんも連れて行って良いか聞いてみた。彼は最初あまり良い顔をしなかった。よくわからないけど、あまり人が多いところに茜ちゃんを連れて行ってほしくないらしい。
「お願いだよー。ちゃんと面倒見るからさー、それに三日間も茜ちゃん一人ぼっちにしちゃ可哀想でしょ? まぁ、湯野さんはいっけどさ……」
「でもよー。俺らあんまり目立つ行動はしたくねーんだよなー。それに茜は普通の中学生とはちょっと違うからな……」
『菊丸兄ちゃん! あたしからもお願い!! ウラ姉さんたちとライブ行きたい!』
茜ちゃんは菊丸さんに訴えるような素振りをして、スマホで文字入力して菊丸さんに見せた。
「しゃーねーな。今回は特別だぞ! ウラ、間違えなく茜を無事に連れて帰れよ!」
「わーい! サンキュー菊さん! そうと決まれば、メンバーにも言わなきゃねー」
こうして私と茜ちゃんは神奈川遠征に一緒にいく事になった。最近は本当に良い事がたくさんある。ルナとも和解できそうだ。でも妹の事はやはり気がかりだった。父親の失踪の原因は一体なんだったんだろう?
その日の晩、私はまた幼い頃の夢を見た。母さんにルナと一緒に絵本を読んでもらっている夢だ。絵本のタイトルは《つきのめがみとよるのじょおう》だった。
私はジュンと別れるとバイトに向かうため、《カフェ・ミネルバ》を後にした。もうすぐ夏休みが終わるせいか、駅前で遊んでいる高校生たちもどことなくつまらなそうだ。
大志たちと今度、遠征すると思うと私は気が引き締まる思いだった。おそらく次のライブで私たちのバンドの今後の方向性が決まる。
駅前に停めておいた自転車まで行って鍵を外そうとすると私のスマホに着信があった。着信の名前を見て私は目を疑った。『月姫』。そう表示されている。
私は一〇秒ほど着信を放置して、出るか出ないか考えていた。なんで妹は私に電話を掛けてきたんだろう? 今まで一年以上も音信不通だったのに今更?
「もしもし?」
私は意を決して電話に出た。
『あ……。お姉? ルナだけど』
ルナはよそよそしい口調で電話口で話す。
「わかってるよ! どうしたの? いきなり電話かけて来るなんて珍しい」
私は無意識に棘のある言い方をしてしまった。久し振りなんだからもっと親しげに話せば良いのに。
『急にごめんね。今ね、茉奈美が泊まり来てるんだ! 悪いんだけどさ、茉奈美泊めるのにお姉の部屋借りて良いかな? 私の部屋に二人だと狭いからさ……』
「茉奈美来てるんだ……。別に構わないよ! つーか私実家に帰る事ないから勝手に使えば良い! 悪いけど一回茉奈美に電話代ってもらっていい?」
私は茉奈美に代るようにルナに促す。少し待つと電話口に茉奈美が出た。
『おつかれー! ウラさぁ、悪いんだけど部屋借りるねー! お前の部屋すんごいパンクだけど、今日のところは我慢してやるから』
「うっせーし! つーか茉奈美珍しいじゃん? なんで私の実家に泊まり来てんの? 親父だっているから茉奈美気ぃ使うんじゃね? 一応、バイト先の上司んちだよ」
私が茉奈美にそう言うと茉奈美は黙り込んでしまった。
『それなんだけどさ……。ちょっとやっかいなことになってね。ウラにも関係ある事だからルナ電話掛けたんだよ?』
茉奈美は言いづらそうにそう言うとルナに電話を替わった。
『お姉? 実はね……』
そう言うとルナは事情を話し始めた。
どうやら親父が蒸発したらしい。どこに行ったかも不明。とりあえずは当面の生活費はどうにかなるくらいの金は残して行ったらしい。そんな内容だった。
「やっぱねー! あの親父ならいつかそうなる気がしてたんだ」
『お姉、頼むから父さんのこと悪く言わないで……』
「でもさぁ……」
私はそこで言葉を濁した。そうだ。ルナと最後に会った時もこんな感じで親父のことで酷く言って険悪になった。
『お姉?』
私が電話口で黙り込んでいるとルナに声を掛けられた。
「ああ、聞いてるよ……。とにかく! ルナ大丈夫なの? 父さんがいなくなったら学校だってお金の事だって大変でしょ? 私も何か協力してやりたいけどさ……」
『うん、正直言うとね。すごく心細いんだ。これからどうなるのか目の前真っ暗だし、お姉の言う通りお金だって心配だよ。でもどうにかするしかないからさ』
ルナはとても穏やかな口調で私にそう言った。この子はかなり動揺しているな……。私は妹の話し方と息づかいからそれを察した。
「ねえルナ? もしルナさえ良ければ私、一回実家戻ろうか? 茉奈美だっていつまでも泊まってもらうわけにはいかないでしょ? これでも私、前よりはマシになったんだ。家事だってできるようになった。料理も作れるようになったしね」
『うん、ありがとう。戻るか戻らないかはお姉の好きにしていいよ! お姉の部屋はちゃんとそのままにしてあるから……』
「わかった。私もさー、今部屋借りて一人暮らししてるからすぐには行けないけど、そのうち顔出しにいくよ! もし困ったらすぐに連絡しな!」
私は姉らしい言葉を妹にかけた。我ながらこの一年半の間に、少し穏やかな方向に性格が変わった気がする。よく言えば成長、悪く言えば丸くなった。バンドマンとして丸くなるのはあまり好ましくない。ジュンくらいイカレてたほうがちょうどいい。この前ブチキレたからあまり自信を持っては言えないけどね。
『なんかお姉変わったね……』
ルナに言われて私は変な気持ちになった。
「何? 変わったように感じる?」
『うん! だって前のお姉だったら『知らねーよ! 勝手にやれば!』って言ってきっと電話切ってたもん。そんな風に私の気持ち汲んで話なんかしてくれなかったじゃない?』
「私だって多少は成長するさ……。これでも家出てから色々あったんだ」
『そうだよね……。ありがとう、もしなんかあったらまた連絡するね! お姉もバンドとか色々頑張ってね!』
「ああ、ありがとう。じゃあルナ気をつけてね。茉奈美にもよろしくいっといて」
私はそう言うと妹からの電話を切った。ルナも変わったな……。以前のルナだったらバンドのことをお世辞でも頑張れなんて言わなかったのに。私はそんな事を思いながらバイト先に向かうため自転車に乗った。
《ピザプルート》に向かう中、私はルナのことがとても気がかりだった。いくらしっかり者の妹とはいえ、まだ高校生が親なしで生きていくのは困難だろう。でもまぁ、私でさえ生きていけてるんだからルナなら問題ないかもしれないけど……。
《ピザプルート》に着くと茅野さんと一緒にピザを焼き始めた。もう夏休みも終盤に近づいているためかそこまで注文もない。
「京極、今日はなんか穏やかだなぁ」
茅野さんはピザの伝票を整理しながら私に話しかけてきた。
「え、普通っすよ。そんな穏やかそうに見えます?」
「お前っていつもはもっとキツい顔して仕事してるぞ? 今日はなんか穏やかで優しそうな顔してる気がするよ」
茅野さんはさすがだ。私の表情をしっかり見ている。
「実は、絶縁状態だった妹から連絡きたんです。久し振りだったけど何となく仲直りできたかなーって……」
「妹って、京極の双子の妹ちゃんか。確か、口もきかないって言ってたよな?」
「そうなんですよ。ずっと口もきかなかったんですけど、今日久しぶりに話したんです。一年以上話してなかったからどうなるかとは思ったんですけど、割と普通に会話できました」
「そうかぁ、そりゃあよかったなぁ。やっぱ家族は仲がいい方がいいよ! せっかく血がつながってるんだから、大事にした方がいい」
茅野さんはそう言って笑いながら事務作業を続けていた。
バイトが終わると私はシェアハウスに戻って夕飯の準備をした。いつも通り、菊丸さんと茜ちゃんの分も作って彼らと一緒に食べた。今晩はカレーライスで菊丸さんも茜ちゃんも美味しそうに食べてくれた。カレーは量が多いから湯野さんにもお裾分けした。
「あー、ウラの作るカレーはうまいなー。ジャガイモとか人参の切り方が大きくていいよ」
珍しく菊丸さんは私の作った料理を褒めてくれた。茜ちゃんも一生懸命に食べている。
『ウラ姉さんのカレー美味しいよ!』
茜ちゃんはスマホで私に送ってきてくれた。すっかり茜ちゃんとのスマホトークも慣れた気がする。
「二人ともありがとう。一生懸命作った甲斐があるよ。でも菊丸さんは普段文句いいすぎだけどさ」
「俺はよー。うまいものはうまいっていうよ? お前が作る料理は不安定なんだよ! 味が薄すぎたり濃すぎたりさぁ。でもこのカレーは絶品だ!」
「はいはい! どーせ私の料理は不安定だよ! 文句言うなら食わなくてけっこう!」
私たちは本当に夫婦のように毎日食事している気がする。茜ちゃんも素直でいい子だ。
「そういえば菊丸さん。ちょっと相談があるんだけど……」
「ん? 何だよ改まって」
私は菊丸さんにライブ遠征するときに茜ちゃんも連れて行って良いか聞いてみた。彼は最初あまり良い顔をしなかった。よくわからないけど、あまり人が多いところに茜ちゃんを連れて行ってほしくないらしい。
「お願いだよー。ちゃんと面倒見るからさー、それに三日間も茜ちゃん一人ぼっちにしちゃ可哀想でしょ? まぁ、湯野さんはいっけどさ……」
「でもよー。俺らあんまり目立つ行動はしたくねーんだよなー。それに茜は普通の中学生とはちょっと違うからな……」
『菊丸兄ちゃん! あたしからもお願い!! ウラ姉さんたちとライブ行きたい!』
茜ちゃんは菊丸さんに訴えるような素振りをして、スマホで文字入力して菊丸さんに見せた。
「しゃーねーな。今回は特別だぞ! ウラ、間違えなく茜を無事に連れて帰れよ!」
「わーい! サンキュー菊さん! そうと決まれば、メンバーにも言わなきゃねー」
こうして私と茜ちゃんは神奈川遠征に一緒にいく事になった。最近は本当に良い事がたくさんある。ルナとも和解できそうだ。でも妹の事はやはり気がかりだった。父親の失踪の原因は一体なんだったんだろう?
その日の晩、私はまた幼い頃の夢を見た。母さんにルナと一緒に絵本を読んでもらっている夢だ。絵本のタイトルは《つきのめがみとよるのじょおう》だった。
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